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バケモノの子 [Blu-ray]

バケモノの子 (スタンダード・エディション) [Blu-ray]

BD が発売されたのでもちろん購入。『時かけ』『サマウォ』の頃に比べると勢いが落ちているように感じる細田守作品ではありますが、それでも現代の日本アニメでトップクラスにクオリティが高いことには間違いがありません。

オトコノコ版『千と千尋の神隠し』的なストーリーと、細田守らしい緻密かつスケールの大きい映像。今までの細田映画に比べてアクションが多めなのも本作の特徴です。躍動感溢れる映像に仕上がっているのは、人間ではなくバケモノを軸に据えた作品ゆえでしょうが、それが観ていて楽しい。

主人公「九太」が 9 歳である前半と、17 歳になった後半では全然違う映画になったのかというくらい、トーンが変わります。二人の主人公である熊徹と九太の掛け合いが多いのもアクションが多いのも映像に透明感があるのも全て前半。後半はちょっと重めのテーマを扱うのでそのあたりの勢いが落ちるのは必然ながら、前半のテンポの良さがこの映画の良さを作り出しているように思います。劇場で観たときにも感じましたが、クライマックスでカタルシスを得るには、周辺の登場人物の掘り下げがもう少し足りない気はします。
あと、気になるのは細田作品に登場するヒロインが基本的に同タイプの女の子ばかり、という点。ちょっと悩みもあるけどみんなマジメで素直で男にとって都合のいい行動を取ってくれる子。こういうのが細田守監督の理想なのかもしれませんが(笑)、もうちょっと引っかかりのあるキャラのほうがリアリティが出て感情移入できるだろうし、物語の抑揚も生んでくれるんじゃないでしょうか。

そうは言っても、この映画自体はとてもクオリティが高く、観た後に爽やかな気持ちになれる作品であることに違いはありません。『おおかみこども』は BD も持ってるけど再生するのにちょっと気合いが必要なのに対して、この作品はあまりハードルは高くない。役所広司と宮崎あおいの芝居もすごくいいし、よくできた娯楽作だと思います。父親としては、子どもがもう少しだけ大きくなったら一緒に観たいかな。

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