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EOS 5D Mark IV インプレッション

先日発表された EOS 5D Mark IV を見に、品川のキヤノン S タワーに行ってきました。

二日目の朝イチに行ってきたわけですが、思っていた以上にお客さんの入りが少ないですね。Mark III や 7D Mark II のイベントのほうが遙かに盛況だったような。まあ、ボディの外観がほぼ変わらず、機能面でもブラッシュアップ中心で「飛び道具」が少ない、しかも大幅な値上がり、発売日も直近とあっては、最初から買うつもりの人は見るまでもなく注文しているでしょうし、冷やかしにとってはネタが少ないので、こんなものなんでしょうか。
プロ写真家の方のセミナーをやっている時間帯は製品展示コーナーがほぼ貸し切り状態になるような状況でした。

というわけで、待ち時間ゼロで 5D Mark IV とご対面。

しかし、良くも悪くも Mark III と代わり映えしないデザインのせいで、新製品だというのに実物を目の前にした瞬間の高揚感はないですね。実際に買う段になると、逆にこれが買い換えてもバレないという大きなメリットにもなるわけですが(ぉ。
よく見ると細かなボディラインレベルで Mark III から変更されている部分はいろいろありますが、ほとんどの人は機銘板を見なければ Mark III と見分けがつかないんじゃないでしょうか。


構えてみた感じも、Mark III とほとんど変わらず。ただボディが軽くなったのは実感できるレベルで、Mark III の重さがネックで使用頻度が落ちている私には羨ましい。

ペンタ部は GPS/Wi-Fi 内蔵のために樹脂製に変更されているようですが、触ってみた感覚ではプラスチックっぽい安っぽさや脆さは感じられませんでした。
モードダイヤル上の表示は従来の単純な印刷から凹モールド+インク流し込みに変更されて、高級感が少し高まっています。

NFC ポートはグリップの側面に。α もこの位置に NFC をつけていますが、スマホとタッチするのにグリップ以外の部分でボディを支えなければならず不安定なんですよね。撮影機能の邪魔にならず、かつ電波が通せる場所を探していくとここしかないということなんでしょうが、もうちょっと何とかならなかったものでしょうか。

操作系もほとんど変わっていませんが、唯一追加されたのはマルチコントローラ(スティック)の右下に添えられたボタン。これが「測距エリア選択ボタン」で、7D Mark II の測距エリア選択レバーと同じ役割を担っています(機能アサインは変更可能)。7D2 の操作に慣れると 5D にもこのレバーが欲しいと思うようになったので、これは大歓迎。まあ 5D は動きモノをガンガン撮るためのカメラではないので、7D2 ほど頻繁に切り替えるわけではありませんが、操作性が同じ、というのはいいものです。

液晶はタッチパネル対応になりました。実機を見るまでは、どうせなら液晶のタッチとバリアングル(or チルト)はセットで搭載してほしかった、タッチだけあっても…と思っていましたが、触ってみるとやっぱりタッチは便利ですね。ライブビュー撮影時の AF ポイント選択がラクになるのはもちろんのこと、設定もタッチでできると随分扱いやすくなります。特にこれだけ多機能なカメラになると、設定変更のためにメニューをカーソル選択するだけでもまどろっこしいもの。タッチ操作はエントリー向けだからプロ機やハイアマ機には不要という論調も見かけますが、もはやカメラにはすべからくタッチパネル搭載してほしいですね…。

今回はイベントでの短時間のタッチ&トライで、撮影データも持ち帰れなかったためデュアルピクセル RAW の実力については不明。なので本当に「Mark III から大きく変わっていないことが確認できた」という感じの先行展示でしたが、従来から最も変わったのはシャッター音かもしれません。通常撮影時のシャッター音(というかミラーの駆動音)が Mark III の「バシャン」という音から「パシュッ」とでもいうような抑制の効いた音になりました(ちなみにソフトシャッターのほうは Mark III とほぼ同じ音)。これなら、シチュエーションによっては今までソフトシャッターを使っていた場面でも通常シャッターでいけるようになるかもしれません。こういうのを体感すると、Mark III から値段は上がったけど、外観からは分からない部分にもちゃんとコストがかかってるカメラなんだなあ、と思います。

さて、私はどうするかなあ。
これまでの私のカメラの買い換え方針は基本的に「撮れる写真が変わる」「写真の撮影スタイルが変わる」「写真の歩留まりが上がる」のいずれか、あるいは複数のポイントを満たした場合に買い換え/買い増してきたつもりです。でも Mark III→IV でそれらが変わるかというと、必ずしもそうではない。厳密に言えば歩留まりは多少上がるでしょうが、たぶん 10% も違わないでしょう。5D3 の売却益+10 万程度ならたぶん買い換えてたんだろうけど、20 万はちょっとコストに見合わないなあ。一足先に Mark III からの買い換えを決めた人の「7D Mark IIの値動きを見てるとEOS1桁と言えども値下がりする場合もあるようなので、普通は35万くらいまで下がるのを待った方が良いと思います。今の値段では個人的には誰にも勧めません。」というコメント、まさにその通りだと思います。
「フルサイズで 2,100~2,400 万画素」という時代があまりにも長く続いたので、そろそろメインカメラを 3,000 万画素クラスに乗り換えたい気持ちはあるんですが、これならまだまだ 5D3 でいいかな。近年はミラーレスのほうが進歩が著しいので、もし 5D シリーズの位置付けがこのまま定着するようなら、私が今後ミラー付きのカメラを買うことはもうないのかもしれません。

キヤノン / EOS 5D Mark IV

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