最近、私の頭を悩ませている問題があります。
子どもが生まれてから、ブツ撮りや風景以外の写真を撮ることが圧倒的に増えたんですが、その写真の管理方法に悩んでいます。
まあ、管理自体はアルバムソフトを使うことは特にせず、今までと同じく Windows のフォルダベースでの管理で問題ないんですが、悩んでいるのは物理的なデータの冗長性確保の問題。
以前の写真の撮り方なら、Web でのネタ用のブツ撮り写真と風景中心の本気写真、それと時々撮る記念写真程度のもので、年に一回くらい外付け HDD や DVD-R にバックアップを取って、あとは HDD がクラッシュして消えても別にいいや、くらいの管理しかしてなかったんですよ。
が、普段から子どもの写真を撮るようになって、この子の成長を記録している媒体がほぼデジカメ写真と HDV のテープのみになってしまうんだな、ということを考えると、急にデータロストの危険性が怖くてしょうがなくなってしまいました。
これが私たちの子ども時代であれば、銀塩フィルムで撮影したものが紙の写真になって残っていて、多少色褪せたりはするものの「ロストしてしまう」のはまず自宅が火事になったときくらいのものだけど、自宅が火事になる可能性よりも HDD がクラッシュする可能性の方が圧倒的に高い。しかも、HDD がクラッシュしたときに失われる情報は、銀塩写真のように「劣化」するものではなくて完全に「ロスト」するもの。親バカですが、何かの拍子にこの子の成長の記録の一切が失われてしまって、大人になったときに振り返れるものがなにもない、ということが本当に怖いんです。
こんな物言いはまるで山田祥平氏の「Re:config.sys」みたいですが、写真のほとんどをデジタルデータとして扱うようになった現代の人々は、そのデータの保管をどのようにしているのでしょうか。撮った写真を逐一プリントアウトして大事にアルバムで保管しているのか、CD-R や DVD-R に焼いてファイリングしているのか、PC の HDD に溜めっぱなしにしているのか。
現在はデジカメのストレージメディアはテンポラリなもので、最終的には PC の HDD や DVD などの光学ディスクに保存されるのでしょう。そして、長い目で見ればメモリースティックや SD といったメディアが銀塩フィルム並みのコストになってフィルム同様に保存されたり、あるいはデジタルレコーダなどの STB が PC に代わって家庭用のストレージデバイスとなっていくのかもしれません。が、果たしてフラッシュメモリメディアがフィルム並みの保存性を保証されているのでしょうか?DVR 内蔵の HDD がクラッシュして、大切な思い出が全て失われてしまったときの保証をどこのメーカーがしてくれているのでしょうか?
DVD-R だって信頼性の高い国産メディアを使ってもせいぜいもって 10 年といったところだし、HDD だって 3 年がいいところ。デジタルデータの保全性を数十年単位で保証してくれるメディアなど、たかだか誕生して 20~30 年というデジタルメディアの世界には求めるべくもないのが実情です。そうなると、5~10 年ごとに DVD-R を新品のメディアにコピーし直して保全性を保っていくか、HDD のデータを定期的に NAS や外付け HDD にバックアップするような仕組みや運用ルールを作る、くらいしか対策はないように思います。長期的には、フラッシュメモリのバイト単価が HDD 並みに実用的なものになって、少なくとも PC や DVR、NAS の HDD(もとい、HDD を駆逐したフラッシュメモリストレージ)はクラッシュとは無縁なものになる可能性が高いですが、今日明日にでも一般的に実用化されるという話でもないでしょうし・・・。
こういったデータ保管はおそらくオンラインサービス周りで徐々に立ち上がってきていて、代表的なところでは「Flickr」のようなサービスが写真のストレージやメタデータの活用(およびテキスト情報との紐付け)、あるいはオンラインプリントサービスとの連携など、単なる「デジタルデータの貸倉庫」としてのオンラインストレージサービスからデジタル写真の保管(もっと言えば「人生の保管」)へと進化しようとしていますが、代表的なサービスでも上限 2GB 程度のものがほとんどで、デジカメ用メディアの主流が GB クラスに移行しつつある流れに必ずしも追従できているとは言い難いのが現状です。
数十 GB 単位での容量を現実的な価格で提供してくれるサービスや、家庭用ストレージサーバとして STB が冗長化ソリューションを内包したもの(定期的に外部の商用サーバにオンラインバックアップを取ってくれる、でもいいけど)になってくれれば安心なんですが、まだまだそういうのは期待できないのかな。
「医者の不養生」とはよく言ったもので、以前の職業ではシステムの定次バックアップ運用設計なども担当分野のひとつとして行っていた私が、こと自分の(私用)PC のデータバックアップをなおざりにしていました。NAS がコンシューマ向けの製品としてメルコ(現在のバッファロー)から登場したあたりから、ずっと自宅に導入したいと思いつつ、自分の PC の HDD がクラッシュするということに運良く巡り会ったことがないこともあり、後回しにしてきたきらいがあります。が、やはり、現時点で現実的な「デジタル写真の保管庫」は、自宅のデスクトップ PC をメインストレージとしつつ、週次や月次で NAS に自動バックアップバッチするようなホームネットワークを自作する、というのが良い落としどころなのでしょうか。
Gigabit Ethernet 対応の 250GB クラスの NAS で¥35,800、自分と家族の人生の思い出の保全性を考えると、対して高い買い物でもないような気がしますが、こんなことを心配している人って、まだまだ少ないんでしょうか。
コメント
私もアタマを悩ませております。
しばらく撮ってなかったのと、とっても銀塩だったこともあり
このところはあまり気にしてませんでしたが、デジタルをまた
メインにしたのでバックアップは大切な問題です。
今のところはDドライブにまとめて放り込んでEドライブに
丸ごとコピー。たまったらDVDに焼くという作業をしていますが、
つい先日HDDの調子が悪くなったときには慌ててバックアップ
ディスクを買いに走るハメになりました。
HDDクラッシュ遭遇率が結構高いのでバックアップは欠かせませんです。
今は私一人の問題ですが、子供の成長記録となると真剣に考え
ざるを得ませんよね。どんどん膨れ上がるデータをいつまでも
いつまでもこうやって抱えていくことを考えると、正直言って
うんざりしてしまいます。
いっそ気に入ったのは銀塩プリントしてファイリングしようか、とか。
やっぱり紙のメディアが一番強いんですよねぇ。。。
上の子が生まれた5年前って、携帯にカメラが搭載される前だったかもしれないこともあって、
家ではデジカメ、実家ではフィルムで記念写真、
節句や他のイベントのときにはちょっと奮発して
写真屋さんで撮ってもらったりとかしてましたが、
去年生まれた長女の場合は、ほとんど携帯カメラで撮ったものしかないですね
ムービーで撮ったものもわずかにあるけれど、
それですらマスターの保存性に疑問があることは、
ぶらっちの結婚式で”うちの子”の晴れ姿を撮れなかったという出来事もあって、今は使おうとすら思わない。
そんなんで娘の成長記録が残せているかといえば、
携帯メモリのバックアップ用ソフトで残したHDD上の
ものだけ・・・思い直してみると寒いです
上の子がときどき”普通のカメラ”で撮った写真を
収めたアルバムを押入れから引っ張りだして、
言葉が話せないほど幼かった当時の思い出を今振り返っている姿を見て、やっぱ紙で残すのがいいのかもと
改めて考えさせられました
だって、誰でもすぐに見れるんだもんね
最近、むちゅめをお風呂に入れてるところを撮って
もらいましたが、やっぱり普通のカメラでした
私の場合は定期的にお気に入りの写真を
印刷しています。
デジタルデータ自体は
複数のHDDにコピーをするくらいしかしてないです。
今のところ、人類が発明した最高の記録媒体は
やはり紙なんだろうなぁと思います。
P2Pソフトで共有とか。