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南雲暁彦写真展「Beautiful border -美しき境界線-」 @表参道 La CHIARA

写真家・南雲暁彦さんの写真展「Beautiful border -美しき境界線-」にお邪魔してきました。

南雲暁彦 写真展「Beautiful border -美しき境界線-」

La CHIARA

私が南雲さんの写真展を訪れたのは二年前の「Lens of Tokyo -東京恋図-」以来。今回の写真展は四年前の「Index」と同様に表参道のイタリアンレストラン「La CHIARA」での開催で、南雲さんご自身は普段在廊はされていませんが今回はランチを含めご一緒してきました。

表参道でイタリアンなんて普段はあまり縁がない上にここは休日ともなると予約必須なレストランということで、ちょっと緊張します。

Beautiful border

今回の写真展は先日発売された著書『IDEA of Photography 撮影アイデアの極意』執筆の過程で撮影されたもの。「CHAPTER. 10 美しき境界線」で披露された抽象画のような作品群です。
これは別の写真(「Index」でも披露されたアンモナイトの写真)を iPad で映した上に水を張り、そこに油を落とした状態をライカ SL2-S とシグマの 105mm マクロ+2x テレコンで撮ったもの。実際には爪の先ほどの面積の中で起きている現象の記録です。
紙焼きなのに何故か平面の上に無数の球体が浮かんでいるような錯覚をおぼえます。よく奥行きのある写真や絵のことを「平面なのに立体的に見える」と表現しますが、そういう形容が陳腐に思えるほどの立体感。

この写真がどう撮られたかは著書『IDEA of Photography』で詳細に解説されています。でも撮り方が分かっていることと実際にこれが撮れることの間には大きな隔たりがあるんだよなあ。

Beautiful border

「水と油」とは「決して混ざり合わないもの、相容れないもの」の例えとして使われるが、実際にそれを混ぜ合わせようとしたときに常に変わり続ける境界線がいかに美しいか。同じように撮っても同じ写真は二度と撮れない。今世界では戦争や諍いが絶えないが、この変わりゆく境界線を撮りながら、反発するだけではない水と油の可能性について考えた…とは南雲さんの談。
プロフォトグラファーは画面の隅々、あるいは画面外にまで常に気を配っているとは言うけれど、撮りながらそういう発想にまで至れるのか…と目から鱗が落ちる思いでした。

Beautiful border

写真って、風景写真のように自分の力の及ばないところで起きた瞬間を切り取るものと、スタジオフォトのように完璧に状況を整えて撮るものという二極があり、目的や被写体によってその比重が変わるものだと思っています。今回の写真展に展示された作品群は、セッティングやライティングを能動的にコントロールしながらも水と油がどう動くかは予測ができず、美しい状態ができた一瞬を撮る…というこの二極の界面での撮影に挑戦したものだと感じました。自分で同じような写真を撮ることはできないけれど、この気づきは自分の写真に何か変化を与えてくれる気がしています。

今回掲載した写真は展示されているもののごく一部なので、興味を持った方はぜひ予約の上でレストランへどうぞ。

で、もちろんランチもいただいてきました。

La CHIARA

La CHIARA

このお店のメニューはランチでも 3,000~4,000 円のコース料理となっていて、個人的には普段使いにはできないけどたまの休日にこういうところまで来たならアリ。開店直後に来たら他のお客さんがいない状態で写真展を堪能できましたが、食べている間に満席になり人気の程が窺えます。

今回のランチはスープから。桜海老のビスクとのことで、濃厚なスープながら海老の香りは上品で、この暑い日でもサラリと飲める感じ。

La CHIARA

自家製フォカッチャ。もっちり感が実にイイ。オリーブオイルに浸して食べると幸せになれます。ちょっとワインが欲しくなりますね(ガマンしました)。

La CHIARA

前菜は生ハム(マスカルポーネ添えと思われる)、大山鶏の胸肉に刻み野菜っぽいソースがかけられたもの、サーモンのカルパッチョ。
どれも夏によく合う冷菜でハズレなし。

La CHIARA

メインディッシュは鶏肉のグリル。皮をパリッと焼き上げた鶏の骨付き肉にバルサミコソース、こういう季節にはこういうものが食べたかった!ちょっと酸味の効いたソースが食欲を刺激してくれます。

La CHIARA

デザートはシャーベット。暑い日こそアイスクリームじゃなくてフルーツ系のシャーベットが欲しくなるんですよね。その下に添えられた細長いピンク色はメレンゲで、シャーベットとの味や食感のコントラストが面白い。

季節感がよく考えられたランチコースで、ちょっとだけ暑さが吹き飛びました。自宅で冷房に当たっていたい日にはるばる表参道まで来た甲斐があったというものです。
ごちそうさまでした。

La CHIARA での南雲さんの写真展は年末までを予定しているとのことで、興味がある方は暑さが少し落ち着いてからでも大丈夫です。ちなみに展示作品は販売もされています。

コメント

  1. […] 展示作品の解説、料理の解説は、b’s mono-logのエントリーに詳しいのでそちらを御覧頂くのが良いと思います(丸投げともいいます) […]

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