新橋の「TAMIYA PLAMODEL FACTORY TOKYO」に行ってきました。
TAMIYA PLAMODEL FACTORY TOKYO | TAMIYA
同じ新橋から一年前に移転リニューアルしたこの施設。存在は知っていたものの今まで来たことがありませんでした。でも私は中学くらいまではけっこうなタミヤっ子だったんですよね。だから今でもこのツインスターを目にすると心がときめきます。
ここに来た主目的はこれ。歴史に残る F1 マシン、ティレル P34 の実車です。他に類を見ない六輪の F1 で、その存在は今でも語り草。このクルマが実戦に投入されたのは私が生まれる前のことで私は実際に走っているところを見たことはないのですが、伝説の名(迷?)車の実物が展示されるとあれば見に行くしかありません。
ちなみにこの車体はタミヤが所有するものです。プラモデルとしても 3 パターン商品化するなどタミヤの P34 愛が熱すぎる。
現代の F1 とは全然違うデザイン。フロント/リヤウイングはこの当時から存在するものの、まだフロントノーズという概念が存在しません。ボディカウルも鉄板を折り曲げてリベットで打ち付けただけのものだし、まだまだレース屋が手造りしていた時代のクルマという印象です。
私がリアルタイムで F1 を見始めたのは 1990 年頃からだし、それ以前の知識としてはホンダ F1 の第一期のことを読み物や実車展示で知っているくらいなので、逆に 1970 年代の F1 のことはあまりよく知らないんですよね。だから却って新鮮に映ります。
二連で並ぶ小径のフロントタイヤ。F1 マシンにおけるドラッグ(空気抵抗)の大きな原因であるフロントタイヤをできるだけ小さくし、それによって損なわれるグリップ=タイヤの接地面積を稼ぐために前輪を四本にするというのが六輪 F1 のコンセプトです。さらにフロントウイングの後端にはディフレクターがついていてここで空気を跳ね上げ、できるだけ前輪に当てないように工夫しているのが見て取れます。
またブレーキ冷却のための空気をフロントウイングから取り込んでダクト経由でブレーキに当てていることが判ります。後方の前輪には直接ブレーキ冷却用のインテークが取り付けられています。
前輪と違って後輪は巨大。エンジンパワーを直接路面に伝える部分だから小径にするわけにはいかず、ここで発生するドラッグには目を瞑っているものと思われます。それでもサイドポンツーン後端のフィンでできるだけタイヤに風を当てないよう配慮しているように見えます。
この時代の F1 はぶっといタイヤの迫力こそ正義という感じだったので、このタイヤはヨダレ出るなあ。ミニ四駆のワイドタイヤを思い出します。
この車体はジョディ・シェクターやロニー・ピーターソンではなくパトリック・デパイユが搭乗していたもののようですね。
ドライバー保護なんてほとんど考えられていない時代のコクピット、今見るとかなり怖い。ドライバーシート後方のロールフープなんて鉄パイプを曲げて組んだだけのものですよ。ほとんど保護効果なんてなかったんじゃないでしょうか。
剥き出しのフォード V8 エンジン。フォードのバッジがついていますが実際はコスワースが開発した「DFV」と呼ばれるシリーズで、1968~1985 年という長きに渡って多くのコンストラクターに採用され、そのうち 1968~1982 年のシーズンをほぼ席巻した実績あるエンジンです。
いかにも鉄板なリヤウイング。
グッドイヤーとかエルフとか、当時はいかにも F1 を感じるサプライヤーロゴだったなあ。どちらも F1 からは既に撤退しているため、懐かしさを感じます。
これまた現代 F1 とは全く異なるリヤビュー。現代のクルマはカウルと巨大なディフューザーに覆われて後ろから内部を観察することはほぼ不可能ですが、この時代のクルマは丸見え。トーションバーではなくスプリング式のサスペンションとか、自分もラジコンで触ったことのある構造に近いから尚更見ていて面白い。
施設内にはタミヤとティレルの関わりにまつわる写真が多数展示されていました。ケン・ティレルに P34 のプラモデルを渡したときの写真を筆頭に、タミヤに P34 が納車された日、日本グランプリでのティレルチームのピットの写真、田宮俊作氏(現タミヤ会長)がイギリスのティレルのファクトリーを訪問した日、などなど。これもまた実車と同じくらい見応えがあります。
実車展示に合わせて P34 のプラモデルも山積みで販売中。タミヤのティレル P34 には 1/12 の 1976 年仕様と 1/20 の 1976・1977 年仕様の 3 モデル存在するのですが、1/12 の方は売り切れてしまったのか 1/20 しか売場に出ていませんでした。
1/20 の作例。1976 年の日本グランプリ仕様だから平仮名で「たいれる」の表記が入っているのがカワイイ。このレースは史上初の日本グランプリで、当時は鈴鹿ではなく富士スピードウェイで開催されていたんですよね。
作例としては 1/20 のホンダ RA272 も展示されていました。これ一度組み立ててみたいんですよね。剥き出しのホンダ V12 エンジンとエキゾーストパイプを組むのが楽しそう。
TAMIYA PLAMODEL FACTORY TOKYO はタミヤのショールーム兼直販施設ということで、他にもタミヤ製のプラモデルが多数展示・販売されています。タミヤのプラモってガンプラのように争奪戦になることはないにせよ、ヨドバシ等の店頭に常に全商品の在庫があるわけではありません。でもここにはまるで倉庫のようなラックに自動車・バイク・戦車・戦闘機などの模型が大量に在庫されていて、全種類ではないにせよかなりの商品が網羅されているように見えました。私も何か買って帰りたくなったなあ。
ちなみに来場者は半分近くがインバウンドで、ガンプラに限らない日本の模型人気がこういうところにも現れていることを実感。
さらに、タミヤといえばプラモデルだけではありません。ラジコンもミニ四駆もあるわけです。
これ↑はラジコンブーム全盛期の人気モデル「アバンテ」(の復刻版)。私は当時アバンテは買えなかったのですが後継車種である「アバンテ 2001」を持っていたので、この車体を見るだけであの頃のワクワクが蘇ってきます。
ミニ四駆も大量に在庫されています。ミニ四駆もガッツリハマってたから懐かしい…。
今でもミニ四駆ブームってあるのか分かりませんが、当時の車種や『ダッシュ四駆郎』のシリーズってリファインされて今も売られているんですね。
この日はイベント開催中で一般入場不可でしたが、ミニ四駆のコースまで!
当時田舎住まいだった私はミニ四駆は改造しまくっていたけどレースが開催されるような街には行けず、唯一コース走行させたのが地元・海王丸パークで開催されたイベントだったことを今でも鮮明に覚えています。そんなんだったからこのコースは憧れなんですよ。
F1 マシンを見に行くつもりが模型、ラジコン、ミニ四駆まで全部楽しんでしまいました。
私は子どもが二人とも女の子で男の子の趣味を親子で楽しむような人生を送ってこなかったから、大人になってからこういうのを見ると純粋にいいなあと思ってしまいますね…。
模型はここ数年はガンプラばかりでカーモデルはしばらく組み立てていませんが、久しぶりに何か組みたくなっちゃったなあ。
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