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photokina 2016

ドイツ・ケルンにて開幕した photokina 2016 にて、各社がカメラ新製品を発表しています。
キヤノン・ニコンの二大メーカーが特に新製品をぶつけてこなくてもこれだけ話題性のあるものが集まったというのは正直意外で、驚いています。逆にキヤノンが EOS M5 の発表をあえて少しずらしたのは、この状況が見えていたからニュースが埋もれないようにしたのでは…と勘ぐってしまいますね。

富士フイルム、中判ミラーレスカメラシステム「GFX」を発表 – デジカメ Watch

FUJIFILM GFX 50S

今回最も驚いたのは富士フイルム。以前から噂だけは先行していましたが、本当に中判カメラを出してくるとは(ただし今回はまだ開発発表レベル)。APS-C センサを搭載した X シリーズから 35mm フルサイズを経ずに、一足飛びで 645 相当の中判センサを搭載してきました。
マウントは今回新規開発となる「G マウント」で、対応レンズも一挙に 6 本を開発発表。中判ということで主に風景写真や広告写真がメインになるでしょうから、基本的には広角~中望遠くらいまでの焦点距離が一通り揃っていれば良いでしょう。またミラーレスということで 26.7mm という短いフランジバックを活かし、ハッセル X1D 向けを除く中判レンズであればほぼ使える可能性が高い(アダプタが出れば、という前提ですが)というのも楽しみなところ。

既に飽和してしまったカメラ市場において、小さなメーカーでも生きていくためにあまり競争がない分野=中判に進出、というのは悪くない着眼点だと思います。仮に X シリーズのフルサイズ版を出すとしても特長が出しづらく、レンズラインアップもゼロからの構築になるため、開発のハードルという意味では中判でも大差ない。フジは現時点でもカメラ業界の中で玄人好みする孤高の存在になっていますが、この中判カメラの投入によりその位置づけをさらに明確にしたと言えそうです。

個人的には、フルサイズを超えると大きさ重さ的にも価格的にも守備範囲の外に出てしまうので買うことはないと思いますが、興味深い存在であることは間違いありません。


ソニー、4,240万画素で12コマ/秒連写のα99 IIを海外発表 – デジカメ Watch

α99 II

ソニーは α99 II を発表。近年のソニーはカメラ関連のイベントを意識せず「出せるときに出す」ような製品の出し方をしていますが、今回ばかりは A マウント継続を世界に知らしめるために photokina で出したかったんだろうなあ。

4 年ぶりの A マウントフラッグシップ機の更新になりますが、飛び道具っぽい新機能は特になく、いわば α7R II と α99 と α77 II の長所を組み合わせて作ったかのようなカメラになっています。が、今でも A マウントカメラを使い続けているユーザーにとってはその時点での α の集大成的なものがちゃんと出てくることが重要だと思うので、これでいい。

まあ「飛び道具はない」とは書いたものの、4,240 万画素フルサイズセンサ搭載ながら AF/AE 追随 12 コマ/秒連写、かつ 399 点の像面位相差センサ+79 点の全点クロス位相差センサ(トランスルーセントミラー使用)のハイブリッド AF、さらにセンサシフト式 5 軸手ブレ補正搭載というスペックはすごい。まさに A/E 問わず α のテクノロジーを全て投入してきました。ただ 4,240 万画素で 12 コマ/秒連写というのは他社含め前例がなく、初代 α77 で「高画素高速連写はいいけどすぐに内蔵バッファが詰まって 1 秒ちょいしか撮れない」という経験をした身としては、今回は単なるスペック番長ではないことを祈るのみです。まあ α77 II ではかなり改善されていたので、大丈夫だとは思いますが…。

私は EOS 7D2 を買ったときに A マウント関連は一部機材を除いて処分してしまい、今は EF・αE の 2 マウント体制になっているので α99 II を買うことはないと思います。が、E マウントがこれだけ完成度を高めてきた中で、A マウントでなければできないことを突き詰めてきたこのカメラは興味深い。実際に買うユーザーは限られるでしょうが、キヤノンやニコンとは違う方向性で「フルサイズ一眼の最高峰」を狙ったこのカメラは評価されて良いと思います。

オリンパス、18コマ/秒のAF追従連写「E-M1 Mark II」を開発発表 – デジカメ Watch

OM-D E-M1 Mark II

オリンパスは OM-D のフラッグシップ、E-M1 Mark II を発表。こちらは α99 II とは対照的に「ミラーレスでなければできないこと」を研ぎ澄ましてきました。
AF 追随で 18 コマ/秒、AF 固定では 60 コマ/秒の連写というのはこれまでのレンズ交換式カメラとは次元が違う。これはさすがに電子シャッターで実現しているとのことで(メカシャッターも使えるけどここまでの速度は出ない)動きの速い被写体では多少のローリングシャッター歪みが出てしまうでしょうが、ミラー駆動が必要ないこととセンササイズが小さい m4/3 の特徴をうまく活かしています。

パナソニック、4K/60p記録になった「GH5」を開発発表 – デジカメ Watch

LUMIX GH5

最後にパナソニック。LUMIX のスチル/ムービーハイブリッド機「GH5」の開発を発表しました。
4K60p、4K30p/4:2:2 10-bit 記録のムービーと、4K フォト(4K 動画からコマを切り出して静止画として使う)をさらに進化させた「6K フォト」への対応という、GH シリーズらしく静止画よりも動画に重点を置いたモデル。α99 II も E-M1 Mark II も 4K 動画には対応していますが、パナソニックはさらにその一歩先を行っている印象があります。

今年の photokina は全方位戦略なキヤノン・ニコンが静観する中で、他メーカーが己の得手不得手をよく理解してそれぞれに特徴ある新製品を出してきたのが非常に印象的でした。個人的には、ミラーレスがこれだけ進化してきたにも関わらず本来のメリットであった小型・軽量化を活かした新製品がない(あえて言えばフジの中判(笑))というのが寂しくはありますが。

追って国内向けにも各社から正式発表が出てくると思うので、実機に触れる機会を見つけていじりに行きたいと思います。

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