Google の RSS リーダーサービス/アプリ「Google Reader」が終了して 3 年あまりが過ぎました。当時 Google Reader を利用していた人の多くはおそらく Feedly に移行したんじゃないかと思いますが、私もその一人です。blog から SNS の時代になって情報伝播の手段も様変わりし、私も日常的に多くのニュースを Twitter のタイムライン経由で入手するようになりました。とはいえそうやって流れてくるニュースは局所的にでも話題になっているものばかりで、仕事や趣味で必要な情報まで網羅しようと思ったらそれでは足りません。
というわけで私は今でも RSS リーダーを利用しているレガシーなユーザーの一人なわけですが、ちょっと思うところあって Feedly から他のリーダーに乗り換えました。
というのも、最近は大手ニュースサイトであっても広告記事や有料会員向けの記事、あるいはバイラルメディアのような PV 狙いの釣りっぽい記事がかなり増えてきて、個人的には RSS フィードがそういうエントリーに汚染されていると感じるようになってきたのです。せっかく自分で巡回しなくてもいいように RSS を読んでいるのに、これでは逆に効率が悪い。
Feedly には使い勝手面で大きな不満はありませんでしたが、こうもノイズ的な記事が増えてくると、記事のフィルタリングができない点が不便でしょうがない。というわけで、フィルタリングに対応した RSS リーダーに乗り換えてみました。
Inoreader – The content reader for power users who want to save time.
PC ブラウザで見るとルック&フィールは Feedly と同様ながら、UI のこなれ感とか日本語対応とか、全体的に Feedly よりも「いけてる」感じ。PC からはブラウザベースで、Android/iOS からはアプリベースでアクセスできる点も Feedly 同等。
環境移行についても、Feedly から OPML を吐き出し、Inoreader に読み込ませるだけで完了。サクッと乗り換えられました。
フィルタリング機能は、左ペインにある各フィードのタイトルを右クリックして「フィルターして表示」を選択。
そうすると、タイトルや記事内容、作者名、あるいは URL などに特定の文字列を含む記事を非表示にすることができます。前方/後方一致や完全/部分一致、正規表現なども使えてかなり強力なフィルタリングが可能。広告記事や有料記事、特定の著者の記事だけをピンポイントで除外できるので、これは捗る。
また「ルールの作成」機能を使えば、今度は特定ルールにマッチする記事をお気に入りにする、既読にする、メールや Instapaper、OneNote などに送るなど、積極的に読みたい・保存したい記事の抽出も可能。これは素晴らしいです。
ただし全方位にわたって Feedly より優れているかというとそうでもなくて、Feedly が登録したフィードについては満遍なく巡回してくれるのに対して、Inoreader は他のユーザーも含め読者が多いサイトは巡回頻度が高い(数分間隔)けど少ないサイトは一日一回程度、といった差があります。とはいえ無料 10 サイトまで 10 分間隔で更新をかける「ブースト」機能が使えるし、私が RSS リーダーを読むのも毎日数回程度だし、この仕様でもまあ困ることはないかな。緊急性の高いニュースは SNS のほうでもカバーできますし。
モバイルアプリのほうも Feedly とほぼ同じ画面レイアウトになっています。
でも単に日本語化されているというだけでこっちのほうが使いやすいと感じてしまうのは何故なんだろう(笑
各記事のタイトルは左にスワイプすることでお気に入り、右にスワイプすることで既読にすることができます。
スワイプ対応自体は Feedly にもありましたが、Feedly が気に入らなかったのはタイトル長押しすると問答無用で save(お気に入り)されてしまうことでした。画面のスクロールをちょっと止めただけなのに長押しと判断されて自動 save されてしまうのが不便でしたが、Inoreader では長押しするとメニューが出るだけなのでキャンセル可能。細かいことですが、これだけで扱いやすさが違います。
Feedly と最も違うのは、実は各エントリーの閲覧画面じゃないでしょうか。Feedly の閲覧画面で表示されるのはモノクロテキスト(フォントサイズ程度は反映される)と静止画・動画だけでしたが、Inoreader はフォントカラーや絵文字までちゃんと表示してくれます。これならアプリ内だけで記事がほぼ読めてしまうので、未読の消化が捗ります。
RSS リーダー自体はもはや時代遅れのツールと言われがちですが、私にとってはまだまだ重要な情報入手ツール。アプリの乗り換えによってノイズが減り、使い勝手も向上したので、私はまだまだ活用していこうと思います。
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