Adobe LightroomにAI利用の写真セレクト「アシスト選別」が追加 – デジカメ Watch
Adobe Creator Cloudの先日のアップデートでPhotoshopやLightroomに生成AI「Firefly」を活用した機能がいくつか追加されました。
新機能はいろいろあるのですが、個人的に注目したのがLightroomの「アシスト選別」。画像編集系ソフトだからといって写真に何か描き足す機能も悪くはないけど、私が普段のワークフローにおいて最もAIに助けてほしかったのは撮った写真の選別なんですよ。私は普段の何気ない写真でもブレ・ボケ防止のため同じカットを何枚か撮るようにしているし、モータースポーツを撮りに行ったら一日数千枚は撮るから現像前の選別だけで一日がかりになることもあります。別に似たような写真が複数ある中から一番いいのを提案してほしいとは言わないけど、写真として明らかに失敗なものくらいは機械に選り分けてほしいよね、とはずっと思っていました。それがFireflyによってようやく実用になるならば大歓迎です。
最近のAdobe CC系ソフトはアップデート後に起動すると新機能についてポップアップで説明してくれます。でもこれを読んでいて不安になったのが「最適なポートレート写真を選び出す時間を短縮できます」という説明文。確かにコマーシャルフォトでは大量に撮影したポートレートから候補を絞り込んでいく作業が撮影そのものと同じくらい大変だから、そこに実需用があるのは解る。一方でソフトウェア的にも生成AIの進化で画像内の人物の抽出精度が上がっているからポートレート写真の処理が得意なのも解る。でももしこれがポートレートだけに特化した機能だったら哀しいなあ…と思いつつとりあえず試してみました。
アシスト選別機能はメモリーカードや外部ストレージからの取り込み時にも、既に取り込み済みのライブラリに対しても使えます。ライブラリに対して使う場合はメニューの「ライブラリ」→「アシスト選別」を選択。
ちなみにライブラリ画面の右ペインの中に追加されている「アシスト選別」タブから適用することもできます。
とりあえずF1日本グランプリで撮ってきた写真の一部(あまり多いと処理時間がかかりすぎたりフリーズしたりするので)に対してアシスト選別をかけてみました。α7 IVで撮影した850枚程度のRAWデータに対して明らかな失敗写真を抽出するのに、処理時間にして10~15分程度かかりました。画像の解像度やPCスペックによっても処理時間は変わると思います。
約850枚の写真に対して失敗写真としてセレクトされたのは116枚。12%くらいの写真がNG判定された形になります。
私がレースを撮りに行ったときの成果は良くて歩留まり3割といったところなので、自分の目で見たら失敗判定する写真がまだ5~6割ある計算になります。でも自分が目でチェックする件数が1割減るだけでも大いに意味があると言えます。
アシスト選別には良い写真を積極的に抽出する「選択」と失敗写真を候補から外すための「除外」の二方向のオプションがあり、チェックボックスで簡単に条件指定が可能。ただ「目のフォーカス」「開いている目」などやはりポートレート重視の機能であることが伺えます。
しかしポートレート以外の写真に使えないことはなく、例えばモータースポーツ写真で「失敗ショット」を選別すると「不鮮明」(ピンボケ、被写体ブレ、手ブレ等)や「不意に撮れてしまった」(画角内に明確な被写体がない。モータースポーツだと流し撮り失敗でフレームアウトしたケース)などの写真が判定されます。使ってみた感じでは「失敗写真が失敗じゃないとして判定される」は多々あるけど「失敗じゃない写真が失敗写真として判定される」は皆無。これなら選別補助機能としてはそれなりに信頼して使えそう。
ちなみに「選択」の方の機能には抽出の閾値や条件を指定することができます。連写機能で大量に撮った後なんかは便利でしょう。
一方で「除外」には特に閾値設定はなく、シンプルに機械判定されるだけの模様。
そうやって選択/除外された写真には何種類かのフラグを立てて、後でLightroom上のフィルタ機能で抽出が可能。除外だけは直接削除することもできます。
私はポートレートってあまり撮らないのですが、それ以外の写真にもある程度使えることが判ったのは大きな収穫です。これで今後レース撮影から帰ってきた後でも多少ラクができるはず。








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