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森口博子 / 宇宙の彼方で [Hi-Res]

森口博子 / 宇宙の彼方で

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機動戦士ガンダム THE ORIGIN IV』のイベント上映から帰ってきてそのままハイレゾ版を購入しました。

ガンダムシリーズの主題曲というと『UC』でさえ途中まではレコード会社の都合から逃れられませんでしたが(でも劇伴の澤野弘之氏が作曲して Aimer が歌った『RE:I AM』『StarRingChild』はとても良かった)、『THE ORIGIN』では一貫して服部隆之氏が本編に沿ったテーマの楽曲を提供し続けていて、かつどれも非常に完成度が高くて素晴らしいと思います。
でもこの回の『宇宙(そら)の彼方で』はその中でも白眉の出来。個人的には、ガンダムシリーズの主題曲でこんなに感動したのは『∀』の『月の繭』(作曲:菅野よう子、歌:奥井亜紀)以来じゃないでしょうか。


森口博子がガンダム(アニメ版)の主題歌を歌うのは『Ζ』『F91』に続いて三度目ですが、過去二作の楽曲では作中のヒロインに近い立ち位置での歌だったのが、この『宇宙の彼方で』はよりスケールの大きな視点での詞になっています。関連インタビュー等では「この宇宙の女神になったつもりで歌って」というオーダーを受けたとの話ですが、『THE ORIGIN IV』がシャアとララァの出会いの物語であったことを考えると、のちに「刻が見える」存在へと到達したララァが、時空の果てから宇宙世紀の人類の争いの悲しさを歌っている曲のようにも思えます。
森雪之丞氏による詞も、比喩をあまり使わずに強い言葉でストレートに戦争を表現しています。特に最後の

宇宙の彼方で 争いが始まる
星が静かに 瞬くように…

という一節は、確かに宇宙の神の視点であり、と同時に宇宙の戦火を「星の一つ」として見えたどこかのコロニーの少女のような視点でもあり、人間の営みの儚さが重く伝わってきます。

直近の活動を追いかけておらず、1980 年代後半の森口博子のイメージが今でも強い私としては、これだけの曲を歌える大人のシンガーになったんだなあ、としみじみしますね。過去二作の主題歌は今でもサントラでたまに聴きますが、当時から確かに「アイドルにしては上手い」というレベルにはあったものの、所々に音程の不安定さとか、若さを感じる部分はありました(まあ、今みたいにレコーディング後のピッチ修正が当たり前でなかった時代の録音としてはレベルが高いと思いますが)。
それが今やシンガーとして巧い、いや、オニ巧いレベルに到達していて、30 年歌い続けるというのはこういうことか、と改めて実感します。途中を知らないだけに、余計に。『ETERNAL WIND』のセルフカバー版をオリジナル版と聴き比べると同一人物とは思えない進化に驚きます。が、一方で『ETERNAL WIND』はあの若さがあったから良かったんだろうなあ、とも思います(笑。

『THE ORIGIN』は今後ルウム編を経て、おそらく一年戦争編まで映像化されるはず。それらの作品にはどんな楽曲がつくことでしょうか。一年戦争編では当時のやしきたかじん・井上大輔の楽曲をリマスター、あるいはカバー版で復活させてほしいところですが、森口博子による主題曲ももう一つくらい聴いてみたいと思っています。

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