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立川シネマシティ「極上爆音上映」を体感してきた

冬休みを利用して、以前から気になっていた映画館・立川シネマシティに行ってきました。

立川の映画館 シネマ・ワン&シネマ・ツー|シネマシティ

立川シネマシティ

シネマシティといえば『マッドマックス 怒りのデス・ロード』『ガールズ&パンツァー 劇場版』で映画ファン、アニメファンに知られるようになった「極上爆音上映」で有名です。これのためにわざわざ市外から立川まで観に来るお客さんも少なくないようで、私もずっと気になっていたんですが、なにせ立川は遠い(´д`)。移動時間と上映時間を足したらほぼ一日使ってしまうようなものなので、まとまった休みでもないとなかなか行く気合いが出せませんでした。

立川シネマシティ

鑑賞した作品は『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』。実はこれが私にとって三回目の鑑賞です(笑。だって初めて観る作品だと、映画本来の音作りとの違いが分からないじゃないですか。そういう意味では、一度 IMAX で観ているので、本来意図された音響に限りなく近い環境との比較ができるはずです。

立川シネマシティ

館内にはこんな貼り紙がされていました。シネマシティは「極上爆音上映」があまりにも有名ですが、低音を控えめにして繊細な音響を重視した「極上音響上映」も実施しています。というより「極上音響上映」が先にあって、そこにウーファの爆音を足した「極上爆音上映」が生まれたと言った方が正しいでしょう。それくらい素の音響にこだわっているという点で、観る前から期待が高まります。

ちなみにチケット代は通常なら ¥1,800 ですが、このシネマシティの有料会員制度である「シネマシティズン」に入会すれば半年会費 ¥600 を払うことで鑑賞料が ¥1,000 になります(ただし土日祝日の昼間は ¥1,300)。つまり一回きりしか鑑賞しなくても入会したほうがお得。せっかく交通費を払って立川まで来ているわけだし、私は迷わず入会しました。


立川シネマシティ

私が鑑賞したのはシネマ・ツーの a studio。シネマシティは二棟の建物からなるシネコンですが、シネマ・ツーのほうが新しいビルで、設備も全体的に新しく、このシネマ・ツー a studio が実質的なフラッグシップスクリーンとなっているようです。

中に入ってまず驚いたのが、照明が一般的なシネコンとは全然違うこと。普通は上映前にはうっすらと電球色の地灯りがついているものですが、ここは各シートにまるでキャンドルのような電灯が備え付けられており、ちょっと幻想的な雰囲気で「これから映画を観るんだ」という気分を盛り上げてくれます。

立川シネマシティ

382 という席数にしてはスクリーンは小さめ。IMAX とか TCX といった最近の大画面化の傾向に慣れていると、意外なほど小さく感じます。私は事前 Web 予約の時点で座席表を確認してスクリーンが小さそうだな、と思ったので、前寄りの E 列(4 列目)の席を確保しました。するとやや見上げる感じにはなるものの、視界いっぱいにスクリーンが映ってイイ感じ。首が疲れそうならば F~G 列くらいでもいいでしょうが、それより後ろだと画面サイズ的には物足りないかもしれません。
画質はまあ普通でしょうか。IMAX の大画面かつバキッと高コントラストな映像にはさすがに勝てませんが、ここは映像よりも音響を楽しむための映画館だと思うので、及第点でさえあれば十分です。

立川シネマシティ

音響設備は、フロントが Meyer Sound の LEOPARD スピーカ×6+900-LFC ウーファ×1 をラインアレイ化して左右に備えています。さらにスクリーン裏には LEOPARD×8 がセンタースピーカとして隠されている模様。本来はより大規模なコンサートホール用の機材で、このサイズのシアターとしてはオーバースペックですが、それが「極上音響」に寄与しているわけです。

立川シネマシティ

スクリーン下には同じく Meyer の 1100-LFC サブウーファ×2(ドライバは計 4 発)設置されています。これが「爆音」の発生源。

で、この設備から発せられる音はというと。
『ローグ・ワン』では、まず冒頭に登場する帝国軍クレニック長官のシャトルの飛行音が「ドゴゴゴゴ…!」という、小型シャトルではなくむしろスター・デストロイヤーかよ!と言いたくなるような爆音から始まります。その後も全編通して非常にダイナミックレンジの広い音。かつ、前方の席にいると爆発音のあるシーンでは 1100-LFC から発せられる音の衝撃波を身体全体に受けることができ、単なるサラウンド音響とは違う臨場感が得られます。映画の音響でこまで楽しいと思えたのはこれが初めてかもしれません。
「爆音」という名前がついているのでずっとズンドコうるさいのかと思いきや、静寂のシーンでは静けさを、音楽を鳴らすべきシーンでは音をちゃんと聴かせてくれる印象で、映画一本観終わる頃には爆音上映であることを忘れて、これ自体が映画音響のスタンダードだと錯覚するように、音を自然に感じられていました。爆音はあくまでプラスアルファの要素で、基本の「極上音響」を重視しているからこその音の良さなんでしょう。

映像と音響を総合した映画体験という意味ではやはり IMAX や TCX+ドルビーアトモスが最もクオリティが高いと思いますが、独自に作り込まれた音響空間で他の映画館とは違う体験ができる、という意味ではこの「極上爆音上映」は一つの世界観を完成させていると思います。

立川シネマシティ

『ガルパン』では劇場版を制作した音響スタッフ自らがこのシネマシティの音響調整を手がけ、「聖地」として一年を超える異例のロングラン上映が続いています。ファンのみなさんの熱いメッセージも貼られていて、この「極上爆音上映」を最も濃く体験できるのであれば『ガルパン』をまだ観たことのない私も一度ここで観てみたいかも、と思ってしまいました。ただ自宅から一時間以上かかるんだよなあ…。

近年ではショッピングセンターにシネコンが入ったり、旧来の映画館も大手系列のシネコンとしてリニューアルしたり、どこに行っても一定以上のクオリティで映画が楽しめる環境ができたこと自体は素晴らしいことだと思っています。が、一方で独立系映画館には厳しい時代。その中を「極上音響/爆音上映」と「シネマシティズン制度」という独自性で唯一の存在感を発揮しているシネマシティは非常にユニークな存在だと思います。音響重視の映画で観たいものが出てきたら、もう一度ここに足を運びたいところです。

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