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おくやみ:『孤独のグルメ』谷口ジロー先生

「孤独のグルメ」漫画家の谷口ジローさん死去 | NHKニュース

孤独のグルメ
(写真は『孤独のグルメ 巡礼ガイド 2』より)

漫画『孤独のグルメ』の作画で有名な、漫画家・谷口ジロー先生が昨日亡くなったとのこと。

『孤独のグルメ』ファンとしては、これで久住・谷口両先生による『孤独のグルメ』がもう読めなくなってしまうと思うと、本当に悲しい。谷口先生は 69 歳で、作家としてはまだまだ現役を張れる年齢だっただけに、残念です。

孤独のグルメ

今でこそドラマのほうが知名度が高まっていますが、そもそも『孤独のグルメ』の人気は漫画版の谷口ジロー先生によるハードボイルドな画風と「ただメシを食う」というギャップ、そして何とも言えない味わい深いセリフ回しによってジワジワと高まってきたもので、その結果としてドラマ化されたものです。原作の久住先生はご健在のため、作画担当を別の人に頼んで継続できなくもないのでしょうが、画が変わったらそれはきっと別物になってしまうんだろうなあ。ドラマ版でゴローちゃんが松重豊さんでなくなるようなものだと思います。


谷口ジロー先生

『孤独のグルメ』の魅力は井之頭五郎のキャラクターだけでなく、この緻密に描き込まれた料理や店内の再現性、風景の細かさにもあると言えます。実際に聖地巡礼してみると、本当にこの絵のまま出てくるから驚きます。実際には最近の料理作画は谷口先生ではなくアシスタントさんが描いているという話ですが、それも含めて谷口ジロー作品なわけで。

ちなみに、谷口先生は日本国内よりも海外(特にヨーロッパ)で高く評価されており、6 年前にはフランスの芸術文化勲章「シュヴァリエ」を受勲しているほどの人物です。ルイ・ヴィトンからヴェネツィアのトラベルブックも出版しており、一流の芸術家として認められていることが分かります。そう考えると日本では漫画ってまだまだ芸術作品ではなく娯楽作品としてしか見られていないのだなあ。

孤独のグルメ

遺作となった『孤独のグルメ 2』の最終話がフランス・パリ編、というのも改めて宿命めいたものを感じます。私は原作の聖地でまだ行けていないのは病院回とこのパリ回だけですが、これは何かのチャンスを見つけて巡礼するしかないかなあ…。

この機会に『孤独のグルメ』シリーズ以外の作品も読んでみようかと思います。
ご冥福をお祈りいたします。

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