「久方ぶりの大阪。何を食おうか?店を探さなアカン」
ドラマ『孤独のグルメ Season6』も昨夜の放送をもって完結しましたが、私の聖地巡礼はむしろここからが佳境。まだまだ巡っていきます。
というわけで、聖地巡礼のほうはスタート地点に戻って、第 1 話の舞台となった大阪まで出張してきました。
私は大阪へは以前はよく来ていたけど、近年あまり来る機会がなくて(京都までは去年来ましたが)、約三年ぶりの大阪。この空気感、久しぶり。
でも今回の目的地はこんな大阪のど真ん中ではなく、環状線からちょっとだけ外れた美章園(びしょうえん)まで足を伸ばします。
その美章園。もちろん初めて降りた土地だけど、天王寺から一駅で、まるで雰囲気が違う。
このたたずまい、ずっと変わってないんだろうな。
今回の聖地は、この高架下にあるお好み焼き屋「甘辛や」ではありません。
最初、普通に検索してこっちに来ようとしていたところ、なーんか違う。よくよく調べてみたところ、美章園には「甘辛や」と名乗るお好み焼き店が二軒あるようです。支店や暖簾分けなのかさえも不明だけど、危ない危ない。せっかく大阪まで来て間違ったほうの店に入るところだった。
真の聖地は、駅から徒歩五分足らずのところにありました。
これこれ、この店構えですよ。この飾り気のない等身大の貫禄。
じゃあ、早速お邪魔しようじゃないですか。
開店時刻からそう置かずに来たはずなのに、店内には先客がちらほら。
カウンター角のゴロー席にはもう他のお客さんが座っていました。独りだし、旅行してきたような荷物持ってるし、豚玉とミックスそばだし…彼は巡礼仲間に違いない(笑
聖地巡礼っぽいお客さんもいるにはいるけど、後から後から地元の人っぽいお客さんがどんどん入ってきて、あっという間に満席に。
でも、この地元感、居心地良いな。初めて来たのに懐かしい、年輪を感じる店だ。
メニュー、お好み焼きだけでもたくさんあって迷わせる。どの具を組み合わせるか、それが問題だ。
ただ、いきなりメインディッシュってのもないか。ちょっとつまみっぽいもので小手調べから入ってみるか。
おしぼり、セルフサービス。「セルフサービスです☆」のぶりっこ感(笑。
開けると中から紅白おしぼり、どっちもただのおしぼりだけど、つい両方取りたくなってしまう。
ま、何はなくともビールでしょ。この昼ビールの背徳感、たまらない。
お好み焼き屋の、この鉄板の熱気に当たりながら飲むビールって、なんか特別感あるよなあ。
まずはたこねぎ(小)、醤油味。
五郎’s セレクションを逆順でいってみよう。
一見ただのねぎ焼きっぽいけど、端っこに一切れだけこんにちはしてるタコ足が、たこねぎの証(笑。
グッとくるな~、この醤油の香ばしさ。
一味でアクセントをつけて、いただきます。
なるほど、こうなるか。
正しいお好み焼き屋のビールのつまみ、って感じだ。期待に真正面から応えてくる味。
ハマる人はハマる味だな。俺も今日からその一味。
続いてれんこん塩焼。
渋いメニューだけど、しっかりめの塩味とシャクシャクした食感が、これまたビールを誘ってくる。
いいね、いいね。
お好み焼き屋のつまみの定番、トン平焼。
これまた期待を裏切らない見た目とソースたっぷり感。
そうッス、俺はこの大阪ソース味を求めていたんだ。
食うほどに食欲が加速していくようだ。
焼そばもいっとくか。デラックスで。
具はキャベツに豚にイカ、エビに加えて貝柱まで。さすが、デラックス。
このソースの焦げるにおい、なんて暴力的な。
おお~!これはうまい。食わなかったら後悔する焼そばだ。
貝柱、うまい。それぞれイイ感じに焦げた海鮮が、食欲をさらに引き出しにかかってくる。
いいぞいいぞ、この黒光りした鉄板に根を張ったような、強靱な焼きそばだ。
そして、本日のメインイベントの前説的に出てくるのがこの定食セット。
私も出張で大阪に来るようになる前はお好み焼きをおかずに白飯って信じられなかったけど、今ではすっかり大阪に来たらお好み焼き&ごはん。ごはんはすごいよ、ないと困るよ。
というわけでごはんと味噌汁、たくあんが行儀良く並んだら、真打ち様のご登場。
どーん!と超オーソドックスなお好み焼き(豚玉子)。
ソースにケチャップに、カラシも。ソースの上で鰹節が舞い踊っている。
お好み焼きの定番豚玉だからこそ、変にてらわずにど真ん中直球勝負。そうそう、大阪に来たからにはこういう大阪ソース味が欲しかったんですよ。
いいなあ、この微妙な甘辛さ。ソース味のカリカリ豚バラも、うまい。
お好み焼きを食べて、ご飯で追っかける。
お好み焼きとご飯が口の中でちゃんと融合してる。いけるじゃないか。
もしかすると、俺の身体の中には大阪人の DNA があるんちゃうか。
おいしかった。昼間っからお好み焼き屋のフルコースをいただいてしまった。
胃の中では今、炭水化物とソースの祭典が開かれている。
あ~、食った食った。
大阪の有名なお好み焼き屋の多くが東京に進出してきて、大阪に来なくても本場の味を感じられるようにはなったけど、やっぱりこういう個店でこそ味わえるうまさと空気がある。
やっぱり、お好み焼きを食べるなら大阪に来ないとな。
きっと東京に戻ってから、また強烈に食べたくなるに違いない。
ごちそうさまでした。
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