F1オーストリアGP決勝:ボッタスがポール・トゥ・ウイン、アロンソは追突されリタイア
大波乱のアゼルバイジャンから、レッドブルのお膝元オーストリア GP。チャンピオンを争う二人がともに二戦続けて優勝を逃すレースで、選手権はやや先が見えなくなってきました。
フリー走行からハミルトンが好タイムを連発、予選もこのまま PP を獲得するのかと思ったら、Q3 の最終アタック中にグロジャンが黄旗を出したことでハミルトンとヴェッテルのタイムアタックが不発。結果的にその時点でトップタイムを出していたボッタスが今季二度目の PP となりました。またハミルトンはギヤボックス交換ペナルティで 5 グリッドダウン、8 番手からのスタート。これで決勝は事実上のボッタス vs. ヴェッテル対決に。
決勝はボッタスが見事なスタートを決め、そのまま首位をキープ。ジャンプスタート(フライング)の疑惑も出たものの、審議の結果シロ。終盤ペースを上げたヴェッテルがボッタスのポジションを脅かしたものの、ボッタスは最後まで首位を譲ることなくキャリア 2 勝目を挙げました。
レースを通じて安定感のある走りで勝つ、というのは初優勝したロシア GP と同様の展開で、これがボッタスの勝ちパターンなんでしょうね。リカルドやフェルスタッペンのような「キレのある若手」という印象はありませんが、この渋みのある安定感もいい。今季 9 戦中表彰台 6 回、うち優勝 2 回というのはロズベルグの代役として十分すぎる成績で、メルセデスとの契約延長がほぼ確定したというのも納得できる状況です。
ヴェッテルはボッタスには追いつけなかったもののハミルトンを上回る 2 位フィニッシュ、ハミルトンも 8 番手スタートから挽回しての 4 位フィニッシュで、ともにチャンピオンシップ上のダメージを最小限に抑えたレースだったと言えます。ただ、カナダ GP 以降のレースでメルセデスがタイヤの使い方を掴んできたのか二台揃って安定したリザルトを残しているのに対して、フェラーリのリザルトが安定せず、特にライコネンのポイントの取りこぼしが多いのが気になります。コンストラクターズ争いはもちろんのこと、ライコネンがヴェッテルの援護射撃をできていない状況では、ドライバーズチャンピオンシップでもメルセデス有利の状況に傾いていく可能性もあります。
まあメルセデスはメルセデスでハミルトンとボッタスのポイント差が 15 まで縮まり(勝利数も 3 対 2 で拮抗)、チームとしてハミルトンを優先する状況ではないことがヴェッテルとの戦いにどう影響するか、は興味深いところ。個人的にはこのままボッタスが終盤までチャンピオン争いに絡んできてくれた方が嬉しいし、面白いことは間違いありません。
マクラーレン・ホンダはここでようやく「スペック 3」のパワーユニットを実戦投入できたようです。それで予選 12・13 番手というのグリッドは悪くなく、アロンソの力をもってすれば入賞も難しくないはず…と思ったら、決勝ではスタート直後にクビアトに追突されてジ・エンド。バンドーンは入賞圏手前からなかなか順位を上げられないうちに青旗無視のドラブスルーペナルティを受けて 12 位フィニッシュがやっと。なかなか結果が出ないことにやきもきしますが、アゼルバイジャン~オーストリアという流れで見ると少しずつ基礎体力が上がってきているのかな?という感触はあります。今季中に表彰台争いまで上ってくることは無理でしょうが、せめてコンスタントにポイント獲得できるようになってくれ…と切に願います。
次は連戦でイギリス・シルバーストン。これまたパワーユニットに厳しい高速サーキットですが、マクラーレン・ホンダはどこまでがんばれるのか。あまり過大な期待はせずに見守りたいと思います。
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