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グレイテスト・ショーマン [LIVE ZOUND] @チネチッタ

楽しみにしていた映画を観に行ってきました。

グレイテスト・ショーマン

レ・ミゼラブル』でジャン・バルジャンを演じたヒュー・ジャックマンが主演し、『ラ・ラ・ランド』のスタッフが手がけたミュージカル映画と聞けば期待するなというほうが無理というもの。どちらもこの十年で観たミュージカル映画で私的ベストを争う名作です。

ストーリーとしては、実在したアメリカの興行師 P.T. バーナムの伝記物。低い身分からサーカス興行を起業して成功した人物のサクセスストーリーという側面を持っています。またしてもヒュー・ジャックマンが若い頃(少年時代は別の俳優さんが演じているけど)にパンを盗むシーンがあってヒヤリとさせられますが、今回はラッセル・クロウにストーキングされたりはしません(ぉ。
映画的にはオープニングからハイテンションな音楽とダンスでたたみ掛けてきて、映画館ではこういう音と映像の洪水に飲まれたい私としてはその瞬間から狂喜するわけです。


この映画は楽曲が本当に素晴らしい。オープニングを飾る『The Greatest Show』、実質的な主題曲と言える『This Is Me』はもちろんのこと、バーでバーナムとカーライルがパートナーシップを巡る駆け引きをするシーンや、オペラ歌手ジェニー・リンドのステージにも鳥肌が立ちました。上映中、何度スタンディング・オベイションをしたくなったか分かりません。

一方で脚本に関しては、バーナムの心境の変化、差別や偏見、バーナムとサーカスのメンバーとの間にあった信頼と確執、親子と家族…など切り口ごとに別の作品ができそうなほどたくさんのテーマを扱った作品でありながら、それらについてあまり深く掘り下げることなく話が進んでいくのが少し気持ち悪くもありました。差別や偏見ではなく多様性と自己肯定の話として観れば、とにかくテンションの高い歌曲群に押されて「自分ももっと自信持っていいんだ!」と思えそうですが、立場が違えばそういう感想は持てないような気もします。
ともあれ、本作は様々なテーマを内包しながらも、基本的には音楽を中心としたエンタテインメント・ミュージカルとして作られていて、あまり深く考えずにこの音と映像に浸るのが良いと思います。音楽だけでなく、ミュージカルシーンでは映像の演出も素晴らしい。

今回鑑賞したのはチネチッタ。せっかくのミュージカル映画だから LIVE ZOUND で観たかった。LIVE ZOUND はちょっと低音偏重すぎて作品によっては違和感があるものの、この作品ではビートの効いた楽曲が多かったこともあってとても楽しめました。本作は音の良い映画館で観ないと損だと思います。
ちなみにシアターの入口付近にバーナムのステージ衣装が展示されていて、配給会社から支給された販促品なのかと思ったら「チネチッタスタッフの手作りです」と書いてあって和みました(笑。大手系シネコンの影響力がどんどん強まっている昨今、独立系シネコンは独自の音響システムだったりこういうスタッフとの距離感みたいなもので生き残っていくしかないということなんでしょう。

いいミュージカル映画でした。機会があればリピートしたいくらいだし、とりあえずサントラは買おう。

グレイテスト・ショーマン (サウンドトラック)

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