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カメラを止めるな! [PS Video]

劇場公開中にリピートしたかったのが果たせずじまいだったので、配信が始まったのを見計らって PS Video で改めて鑑賞。

カメラを止めるな!

そろそろネタバレを恐れずに書いても良いですかね(笑

前半は完全に B 級ホラー映画をまるまる見せられて、後半にそのタネ明かしを含めた撮影風景を追体験する、という二段構成になっています。前半の劇中劇『ONE CUT OF THE DEAD』も小劇場芝居のようなノリが面白く、また本当にノーカットで収録されている凄みを感じられます。ところどころ引っかかりのある構成は、初見の時には後半のネタばらしで「あれが伏線だったのかー!」と納得しながら観るのも面白かったんですが、一度ネタが判った状態で最初から改めて観るのもまた違った面白さがあります。ちょいちょい挟み込まれる変なシーン、変なカットの裏がどうなっているかを想像しながら観ると、初見とは別の場所で笑いがこみ上げてくる。劇場で観たときに自分とは違う部分で反応していたお客さん、あれはリピーターだったのか!

この作品は SNS で話題になり、それをテレビがフォローすることでヒットした、いわゆる「バズった」映画の典型例でしたが、その契機は意外にも新聞の映画評コーナーに掲載され、初期は映画好きのシニアが単館の席を埋めたことがきっかけだったといいます(ソース:小寺信良さんと西田宗千佳さんのメルマガ)。SNS 的には「ネタバレは憚られるけど観に行った人の熱量がクチコミで伝わりやすい構造」を持つ作品ではありますが、一方で制作陣の映画愛、演劇愛が強く感じられる作風が、そういう映画好きや業界人の心を掴んだことがヒットの種火になったのではないでしょうか。そういう意味では『ラ・ラ・ランド』や『ニュー・シネマ・パラダイス』といった作品が映画好きに支持されたのと同じ根っこを持っているように思います。

とにかくイヤなことを忘れてひたすら笑えるいい映画です。私もディテールを忘れた頃にもう一度観ようと思います。

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