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機動戦士ガンダム UC episode 7 『虹の彼方に』 [Blu-ray]

イベント上映の物販行列に 50 分並んで、BD も買ってきました。
来月に発売される一般販売分の実勢価格からすると 3,000 円ほど高いですが、この濃密な映像を早く自宅でも再度味わいたいと思って。

機動戦士ガンダム UC episode 7 『虹の彼方に』 [Blu-ray]

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終わっちゃったなあ…というのが、今の正直な心境です。

物語は、暗礁中域でのユニコーン vs バンシィの戦いからインダストリアル 7「メガラニカ」への到着、「ラプラスの箱」のタネ明かし、そしてフル・フロンタルとの最終決戦、さらにその後の…というこれまで以上の盛りだくさん。ストーリーが濃いのはもちろんのこと、映像も瞬きするのが惜しいほどのクオリティが最後まで続きます。


突っ込みどころはけっこうあって、覚醒したユニコーンの性能がチートすぎたり、ネオジオングも時代設定から考えるとオーバーテクノロジーじゃね?という部分もありました。ep6 まで積み上げてきた高いリアリティをここで崩してしまうのか、とは思いましたが、ユニコーンの性能やそれによって起きた現象については「サイコフレームやサイコフィールドはまだ科学的に解明されていない部分が大きい」という説明で誤魔化せてしまうのがズルい(笑)。それよりも、これだけのテンションを最初から最後まで切れずに創り上げたスタッフとキャストに賛辞を送りたい、というのが正直な感想です。
あえて食い足りなかったポイントを二つ挙げるとすると、小説版と違って結局最後まで見せ場のなかったジェスタをもうちょっと活躍させてほしかったのと、アンジェロの内面をもう少し掘り下げてほしかった、というところでしょうか。特にアンジェロは、小説版ではフル・フロンタルに心酔するようになった経緯が描写されていましたが、あれがないと単なるヤンホ●キャラですからね…(笑

フル・フロンタルとのラストバトルは小説版とはガラッと変わった展開で、見応えがありました。あの決着のつけ方には賛否両論あるでしょうが、あの場で「あの人」を持ってくるとは…ズルいなあ。

舞台挨拶での話によると、フロンタル役の池田秀一氏はいつもの収録では他のキャストと一緒に録るそうなのですが、今回は監督に頼んで独りで録らせてもらったとのこと。おそらくゲームなどの派生作品を除けば今度こそ本当に「赤い彗星の最期」を演じることになるので、独りでじっくりとフル・フロンタル、そしてシャア・アズナブルと向き合いたかった、ということなのかもしれません。

ep7 を観て感じたのは、製作陣が本作をもって宇宙世紀とニュータイプ論をいったん総括しようとしているのだろうな、ということです。今回同時上映された episode EX『百年の孤独』と併せて、宇宙世紀への改暦から 100 年間の歴史、それぞれの人物について、ひとつの決着をつけようとしている。もともと小説自体がそういう意図を持って書かれていましたが、今回の映像化でその方向性がより明確になったと思います。
ただ、ラストシーンのアレは何を意味しているのか、説明がなさすぎて分からなかった人も多いと思います。理解したい人は、この機会にぜひ小説版を(笑)。最後にバナージが一瞬なりかけたもの=真のニュータイプの行き着く先、は…主題歌のタイトルが『StarRingChild』でもあるとおり、やはり宇宙ものの SF 作品はあの映画に帰結する、ということなのでしょうか。

劇場限定版 BD のパッケージ内容はこんな感じ。

機動戦士ガンダム UC

カトキハジメ描き下ろしのスリーブケース、『百年の孤独』の完全版等が収録された特典ディスク、『百年の孤独』のシナリオブックレット(ここまで通常販売される初回限定版と同じ内容)、そして劇場販売版限定の episode 7 のシナリオブックレット。

『百年の孤独』は、そのタイトルのとおり宇宙世紀の歴史を見つめてきたサイアム・ビストの独白で 100 年を振り返るもの、かと思っていましたが、実際に一度はその企画でシナリオまで書かれていたところでサイアム役の永井一郎氏が急逝したため、カーディアス・ビストの視点でサイアムに語りかける、という構成に変更されたようです。カーディアスの重厚な声で語られる『百年の孤独』も良かったけど、やはりファーストガンダムのナレーションでもある永井一郎氏の声で聴きたかったな…と思っていたら、このシナリオブックレットには福井晴敏氏の意向によりサイアム版のシナリオも収録されていました。映像だけ見ながら音声はミュートして、脳内で永井一郎氏の声で読んでみると…やっぱり、これが、いい。
episode 7 で重要な役割を果たすサイアムの声、本編の収録だけは生前に済んでいた、というのは本当に不幸中の幸いと言えます。この巡り合わせに感謝するとともに、永井一郎氏の冥福を祈ります。

機動戦士ガンダム UC

劇場限定版のもう一つのおまけ、生フィルムは、メガラニカの「氷室」でラプラスの箱を前にしたミネバ。これは当たりと言って良いでしょう。

6 月の一般販売開始まで、BD の差額の元を取るためにも繰り返し鑑賞したいと思います。

ep1 から足かけ 4 年、小説版から数えると実に 7 年となる『ガンダム UC』の世界はこれでいったん完結、ということですが、イベントとしてはあと少し、この完結を記念したものが企画されているようです。

GUNDAM LIVE ENTERTAINMENT 機動戦士ガンダムUC FILM&LIVE the FINAL “A mon seul désir”

これまでも何度か開催されている「FILM&LIVE」の最終回が 7 月に、それから詳細未定ながら以前開催された『赤の肖像』の対となる朗読劇『白の肖像』が準備中、とのこと。『白の肖像』は舞台挨拶の場で福井晴敏氏が仰っていた話によると、「登場人物はまだ秘密だが、複数名になる。年内の開催をめどに考えている」そうです。アムロとバナージは確定でしょうが、加えてカミーユやジュドーの登場もあるのかな?特に、福井氏は ΖΖ 好きだからなあ(笑。

これで最後だし、どちらかは観に行きたいなあ。

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