わざわざ新宿まで観に行ってきました。
私は別に熱心なファンというわけではないんですが、ジャンプ黄金期世代なのでアニメはなんだかんだリアルタイム(田舎だったのでたぶん遅れネット)で観ていたし、原作もジャンプ本誌やコミックで全部読んでました。コミックはかかりつけの医院とか高校時代によく行ったお好み焼き屋とかに置いてあって読んでいたような記憶が。だから二十年ぶりにアニメ化、しかもほぼオリジナルキャストでの制作と聞いて懐かしくなり、興味を持ちました。
ストーリーはある美女から依頼を受けた冴羽獠が悪者から依頼人を護りつつ、途中にお色気シーンや香にハンマーで殴られたりなんのかんのあって悪役を倒して事件を解決する、といういつもの『シティーハンター』。原作連載当時とは時代が違うため登場するツールが現代に合わせて変更されてはいるものの、大枠はフォーマットを踏襲していて観ているこちらとしても安心感があります(笑。いいシーンでは必ず旧作のテーマ曲がかかるところがものすごく郷愁を誘う。時代設定は現代なのに、空気感が完全に ’80 年代後半のそれでした。
シティーハンターといえば「XYZ」の伝言板。私が学生時代に上京してきた頃にはまだかろうじて伝言板は現役だったけど、携帯電話の普及に伴いどの駅からも姿を消して久しい。獠への依頼が果たしてどのような形で行われるのか…と思ったら、意外な形で伝言板のモチーフを使っていてちょっと感心してしまいました。
今回の(今回も)舞台は新宿。リアルタイムでテレビシリーズを観ていた頃には「漫画やアニメの中の世界」に過ぎなかった新宿も、東京に住んで二十年経った目で見ると「自分のよく知っている風景の中で獠や香たちが動いている」ように見え、何とも言えない気分になります。特に今作はサブタイトルに「新宿」とあえて入れていることから、特に意識的に新宿の名所を舞台にしたのでしょうが。自分が今まさに観ているこの映画館の外で事件が繰り広げられていると思うと、わざわざ新宿まで見に来た甲斐があったと思えます(笑。
劇場版ということでテレビシリーズよりもちょっとスケールが大きめの話、だけど話が特別に面白いか?と言われればそうでもないような(笑。でもフォーマットどおりに展開して様式美のようなギャグシーンがあって期待通り『Get Wild』で締めてくれる『シティーハンター』が約三十年ぶり(過去の劇場版やスペシャルは観なかったので)に観られただけで満足です。いやむしろ ED の『Get Wild』のために 90 分の映画を観たと言っても過言ではないくらい(ぉ、『Get Wild』と ED の演出は色褪せないカッコ良さを持っていると思います。少年時代の自分と同窓会を開いたような感覚に陥る映画でした。
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