F1ハンガリーGP決勝:ハミルトン完勝。レッドブル・ホンダのフェルスタッペン、レース前クラッシュから奇跡の復活2位
開幕三連戦の三戦目、ハンガリー GP。シュタイアーマルクではメルセデスの前に完敗したレッドブル・ホンダですが、ハンガロリンクでもフリー走行から大苦戦します。予選はまさかのメルセデス勢 1-2-3-4 でレッドブルはレーシングポイントにすら敵わず、フェルスタッペン 7 番手・アルボン 13 番手が精一杯。しかもフェルスタッペンはハミルトンに 1.4 秒差をつけられ、これはもう根本的に RB16 が失敗作なのでは…という不安が強まってきました。
そして決勝はレコノサンスラップ中にフェルスタッペンがまさかのクラッシュを喫し、マシンにダメージを負います。スタート直前のアクシデントでもう出走は絶望的だろう…と思ったところで、レッドブルのメカニックの神がかった復旧作業!グリッド上での作業終了時刻直前に修復を完了させ、フェルスタッペンは決勝への出走が可能になります。
スタートはボッタスとペレスがスタートに失敗したこともあり、フェルスタッペンはジャンプアップに成功。一回目のピットストップタイミングが良かったこともあり、ハミルトンの後ろ 2 番手につけます。しかしレースペースではハミルトンが圧倒的優位で、コントロールしながらも徐々にフェルスタッペンを引き離していくだけの速さがありました。
残りのレースはフェルスタッペン的にはハミルトンを追うのではなくボッタスの追い上げを防ぐ戦略に終始。雨が降るのか降らないのか微妙な天候もハラハラさせましたが、なんとかポジションを守り切って 2 位。アルボンも決勝ではうまくポジションを上げて 5 位でチェッカーを受けました。
7-13 番手からの 2-5 フィニッシュ、しかもフェルスタッペンはスタートすらできずにリタイヤしかねなかった状況を考えると、今回の結果は与えられた状況下でのベストだったと言って良いでしょう。予選ではメルセデスのみならずレーシングポイントよりも遅かった RB16 もレースではそこまで深刻でないことが分かったのには胸をなで下ろす思いです。が、現時点ではメルセデスに挑める速さがないことは明白。チャンピオンを獲るためにはフェルスタッペンがほとんどのレースでハミルトンに直接対決を挑み、それをアルボンがアシストする展開にならなくてはなりませんが、フェルスタッペンがボッタスにプレッシャーを受け、アルボンはフェラーリやレーシングポイントと争っているようではお話になりません。今季のチャンピオン獲得には早くも黄信号が点ったと言って差し支えないでしょう…。
後方に目を向けると、開幕二戦で速かったマクラーレンがハンガリーではそれほどでもなく、逆にフェラーリが(メルセデスやレッドブルに挑めるレベルではないとはいえ)競争力を取り戻したように見えたこと、そして予選で驚くほど速かったレーシングポイントが決勝では少し色あせて見えたこと(それでもストロールが 4 位でしたけどね)など、過去二戦とはちょっと傾向が違ったのも印象的でした。圧倒的に速いメルセデスをレッドブルとレーシングポイントが追い、そこにマクラーレンが絡んでくる構図は変わりませんが、サーキット特性によって得手不得手がハッキリしているのが今シーズンなのかもしれません。
レッドブル・ホンダ的には今季のチャンピオンシップを考える前にまずはメルセデスから一勝をもぎ取ることにフォーカスする必要があると思います。一週間のインターバルを経てファクトリーも近いシルバーストンでの二連戦、ここで何とか立て直してほしいところです。
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