CP+ のリアル開催が結局中止になったことをあらかじめ見越していたかのようにいくつかのカメラメーカーが会期を前にして新製品発表を予告していたりしますが、その筆頭を飾るようにシグマから「I Series」の新しいレンズが発表されました。
シグマ、“Iシリーズ”最広角の「20mm F2 DG DN|C」。9.7万円 – デジカメ Watch
今回登場したのは I Series として最広角となる 20mm F2 DG DN。順番的にはそろそろ 70-200mm F2.8 の DG DN(フルサイズミラーレス用)が出てくるんじゃないかと思っていたら、I Series のラインアップ拡充でしたか。まあ 70-200/2.8 は各社威信を懸けて開発するど真ん中レンズだし、L マウントという意味ではパナソニックからも発売されているから急ぐ必要もないし、腰を据えて開発しているということでしょうか。
この 20mm F2 DG DN は I Series の 7 本目となるレンズです。ボディ内補正を前提として画質・小ささ軽さ・ビルドクオリティを並立させるのが I Series のコンセプトでしたが、F2.8~3.5 の小型化重視モデルと F2 の画質重視モデルがある中で、今回は F2。これで F2 モデルは 65mm・35mm・24mm・20mm の四本が揃ったこととなり、後発にも関わらず先行していた F2.8~3.5 モデルよりも数で上回りました。このあたりは小型化重視で中途半端なスペックになるよりは多少大きくても明るさを優先した方が支持されるという判断があったのかもしれません。
ただ、L マウントはいいとしても E マウントユーザーとして気になるのは、ソニー純正の FE 20mm F1.8 G とガチ競合になることです。例によってスペックを比べてみました。
モデル | SIGMA 20mm F2 DG DN | Sony FE 20mm F1.8 G |
---|---|---|
焦点距離 | 20mm | 20mm |
開放 F 値 | F2 | F1.8 |
レンズ構成 | 11 群 13 枚 | 12 群 14 枚 |
特殊レンズ | FLD×1、SLD×1、非球面×3 | ED×3、高度非球面×2 |
最短撮影距離 | 0.22m | AF:0.19m/MF:0.18m |
防塵防滴 | ○ | ○ |
フィルター径 | 62mm | 67mm |
サイズ | φ70×74.4mm | φ73.5×84.7mm |
重量 | 370g | 373g |
今までの I Series はソニーの近いスペックのレンズと比較すると一長一短あったのが、今回は直接競合、かつスペックではソニーのほうがちょっとずつ良い模様。価格の差はちょっとあるけど、今回の 20mm F2 DG DN だって十万円をちょっと切る程度、と I Series の中では高い部類。それなら純正レンズのほうが…という気もしてくる、なかなかに悩ましい価格設定です。ただメーカー作例を見るとシグマのほうが(ボディ内補正前提とはいえ)ディストーションの少ない端正な描写で、街中スナップにはこっちのほうが向いていそうなんですよね。
私は α7C を使うようになってから以前よりも広角で撮るようになってきたので、標準ズームでは逆立ちしたって撮れない 20mm という画角はちょっと気になっていたんですよね。本当はそれよりも先に 40~45mm 付近の単焦点レンズが欲しいのですが、20mm もちょっと店頭で触り比べてこようかな…。
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