忙しくてあまりプレイできなかったライブアライブをようやくクリアしました。タクティクスオウガ リボーンの発売直前ギリギリ。
それぞれの時代/舞台に分かれた 7 人の主人公の物語を終わらせたら出てくる 8 人目の主人公。中世を舞台にした物語で勇者となってプレイする、ファンタジー RPG の王道がここでようやく登場します。ただ王道なのは導入部分だけで、ここから一般的なファンタジー RPG とは真逆のストーリーが始まっていくことになります。これまでの 7 人の主人公は自由な順番でプレイできたのに、8 人目が 7 つのシナリオをクリアしたところで初めて登場することの意味はここから明らかになっていきます。
この中世編以降、ネタバレ防止目的なのかゲーム内のスクリーンショットが撮れないシーンが増えてくるので、私もできるだけネタバレしないように書いてみます。
本作は SFC からのリメイクということでグラフィックや音楽のブラッシュアップだけでなくフルボイス化されたことも大きな変化点。とはいえ近年はフルボイスのゲーム自体珍しくないのですが、本作はやたら豪華なキャスティングに驚きました。中村悠一や櫻井孝宏といった現代アニメ界で第一線を張るキャストの登場は当然として、主人公の一人であるサンダウン(大塚明夫)、中世編の先代勇者ハッシュ(菅生隆之)といった大御所の声が聴けるのが嬉しい。さらには古川登志夫(カイ・シデン/二代目ピッコロ大魔王)、中尾隆聖(フリーザ/ばいきんまん)、銀河万丈(ギレン・ザビ/ロッチナ)、玄田哲章(スレッガー・ロウ/ドズル・ザビ/海坊主)、千葉繁(メガネ/北斗の拳のナレーション)といった「オリジナルのライブアライブの時代に第一線だった」声優陣が多数起用されているのも感激モノ。私はプレイ前にキャスト一覧を見ていなかったので、特に画面から古川登志夫氏の声が聞こえてきたときには変な声が出てしまいました。
声優面以外にも、各シナリオで制作陣によるさまざまな映画やアニメ、ゲームへのオマージュが感じられたのも面白かった。例えば SF 編なんて完全に『2001 年宇宙の旅』と『エイリアン』を混ぜこぜにしたような話だし、西部編は『シェーン』で前回も書いたけど現代編はそのまんま『ストリートファイター II』。他にも細かいところで時代を感じる笑いが仕込まれていて、これ絶対おっさんじゃないと気付かないだろ!という多数のネタに笑わせてもらいました。でもチャンリンシャンは反則(笑
ただ、各シナリオのボリュームは思ったよりコンパクトにまとまっていてどんどん進んでいくのが少し拍子抜けでした。全然違う世界観をサクサク楽しめるのは良い面もあるけど、個人的にはそれぞれのシナリオに倍くらいのボリュームがあっても良かったかなという感想。
そして 8 人分のシナリオをクリアしたところで「最終編」がスタートします。中世編の悲しい結末を受けて、スタート時点から禍々しい雰囲気。かつ最終章の主人公として誰を選ぶか、そしてどう行動するかによってシナリオが変わるマルチエンディングになっています。
しかし最終章もマルチエンディングで複数回プレイする必要があること以外はけっこうあっさり終了。章立てになっていて複数の主人公が登場し、最後に全員終結するという展開は『ドラクエ IV』を彷彿とさせるものがあるだけに、同じくらいのボリューム感を期待していた私は少し肩透かしを食らってしまいました。あとは最後に全員終結した後にそれぞれのキャラクターの絡みがパーティー加入時以外にほぼなくて淡泊だったのも寂しい。
とりあえずマルチエンディングも含め一通りクリア。それなりに楽しめたのですが各シナリオが短めで深掘りされないまま次に行ってしまうので、少し食い足りない感が強かったです。中世編からラスボスに至る、ありふれたファンタジー RPG へのアンチテーゼみたいな展開は意外性があって面白かったですけどね。やはりオリジナルをリアルタイムでプレイしていないから思い出補正がかからないのが要因なのかなあ。
というわけで明日からは『タクティクスオウガ リボーン』です。
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