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F1 2024 新車発表:レッドブル RB20

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本日未明にレッドブルが RB20 を発表し、F1 2024 年シーズンに向けた各チームの新車が出揃いました。

2022→2023 はキープコンセプトで RB19 が実質「RB18B」という感じだったのに対して、今シーズンの RB20 は大きくコンセプトを変えてきました。
エンジンカバーにはバルジ状の段差が明確に設けられ、サイドポッドの先端はより鋭く、アンダーカットはより深く大きく変更されています。興味深いのはサイドポッドにはエアーインレットがないように見え、代わりにコクピットの両脇に縦長のインレット・スロットが備えられています。またサイドポッド先端のシャープな造形の下面には薄いインテークスリットが存在するとも言われています。エンジンカバー形状や縦長インレットの存在はメルセデスが開発して失敗に終わったゼロポッド・コンセプトにもよく似ており、これがある意味エイドリアン・ニューウェイ流のゼロポッドへの回答である可能性もあります。物理的にはサイドポッドは存在するもののあくまでエアロデバイスとしての役割であり、実質的に「側面に大型のウイングがついたゼロポッド」ということなのでしょう。
メルセデスが掲げたゼロポッドはフロア上の空気抵抗を極限まで減らすことでドラッグを低減させ、アンダーフロアとリヤウイングで発生するダウンフォースを最大化するのが目的でした。しかし実際にはサイドポッドがないことでリヤタイヤにぶつかる空気がドラッグを発生させ、またポーパシングや姿勢変化に伴う不安定さにも悩まされることになりました。結局メルセデスはこのコンセプトを破棄して今シーズンは旧レッドブル型のコンセプトに乗り換えることになるわけですが、RB20 が逆に旧メルセデスに近いコンセプトを採用してきたとすればゼロポッドは理論的には正しくて、ニューウェイはそのデメリットを解決する策を発見したということかもしれません。ほとんどのチームが旧レッドブル型の新車を発表してきた中で、過去 2 シーズンを席巻したレッドブルが最も先鋭的なクルマを投入する…というのが面白いし、いかにもニューウェイらしい。

今シーズンはもう来週にはプレシーズンテストが実施され、その翌週には開幕というスケジュールもあって各チームはダミーではなく開幕戦仕様に近いクルマを発表してきているようです。が、RB20 に関してはフロントウイングやフロアは昨年型から手つかずに見えるので、バーレーンテストに向けてこのあたりにまだ隠し球が用意されていると見た方が良さそうです。

ちなみに 2024 年はレッドブル F1 の 20 周年、そしてホンダの F1 活動 60 周年にあたるメモリアルイヤー。レッドブルとホンダのジョイントは残り 2 年の期限付きですが、今年もホンダファンにとって記憶に残るシーズンにしてほしいところです。

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