久高で忘年会をやったときに、某氏に面白いものを見せてもらったので、軽くインプレを書いておきます。というか、ご本人がなかなか書いてくれないので先に書いちゃうよ??という焚きつけ(ぉ
SLR Magic が国内では昨年秋に発売した 28mm F2.8 の広角レンズ。
同社のレンズとしては NOKTOR(紛らわしいけど NOKTON ではない) HyperPrime 50mm F0.95 が一部で話題になりましたが、F1.0 を切る超絶スペックだったり、動画撮影向きの無段絞りだったりする一方で、ややソフトすぎる描写や絞っていくと星形になってしまう絞り羽根の形状など、「扱いにくいレンズ」という印象がありました。
それに比べると、この 28mm F2.8 は真っ当なスチル用レンズという印象。NOKTOR ブランドのものとは開発思想も設計も全く別モノに感じられます。NEX に合わせたシルバー鏡筒、パンケーキ風のコンパクトさ、など最初から NEX でオールドレンズを楽しむユーザー向けに作られたという風貌をしています。
NEX-5 につけてみたところ。居酒屋の照明下、それもスマートフォンでの撮影なので画質的に厳しいですが(汗)、NEX-5 のシルバーに比べると若干ゴールド寄りですかね。装着した状態ではユーエヌのドームフードをつけた 16mm パンケーキレンズにもよく似ています。ネイティブ E マウントのレンズなので、マウントアダプタを介さずコンパクトに装着できるのも美点かと。
また、絞りは F2.8→4→5.6→8→11→16→22 という 1 段単位での切り替えにしか対応していませんが、絞り羽根ではなくロータリーディスク式(ボトムズのターレットレンズが如く、大きさの異なる穴が空いたディスクを回転させることで絞りを調整)になっているため、どの絞り値でも美しい真円のボケが得られるようになっています。絞りの変更には絞り環を大きく回す必要があるのが面倒ですが、無理して大口径にしていないことと機械式絞りであることのメリットを最大限に活かした作り。
居酒屋の中で何枚か撮っただけなので参考程度にしかなりませんが、実写画像を少し。これは絞り開放(F2.8)ですね。開放だとピント付近でも少し緩い印象はありますが、ボケが素直に、滑らかに落ちていく描写で、雰囲気は悪くないです。周辺光量落ちもそこまで大げさではないようなので(撮影条件によっても異なると思いますが)、MF アシストでピントさえ捉えることができれば、扱いはさほど難しくないように感じました。
1 段絞って F4。滑らかなボケ味はそのままに、ピント面周辺が引き締まって主題がググッと浮き上がってくる印象になりました。このあたりがこのレンズの美味しいところなのかもしれませんね。
ただ真円絞りとはいえ、口径食の影響かレンズ周辺部とも言えないような部分でラグビーボール型のボケが発生してしまっている(絞りの中心が光軸と合っていない?)のは、せっかくの真円絞りが活かせておらず、なんとも残念です。
これも F4・・・だったかな、確か(呑みながらだったので記憶が(^^;;)。28mm でも画角は 35mm 判換算で 42mm 相当になるため、ほぼ標準単焦点レンズ的に使えると思います。スナップショットには使いやすい画角とスペックだと思いますが、凡庸な画にもなりがちなところなので、作品として撮りたければ被写体との距離や光源の入れ方などを考慮する必要があります。
短時間触っただけですが、スチル用と割り切ればこれはなかなか面白いレンズではないでしょうか。私は手持ちの CONTAX G 用 Biogon 28mm F2.8 とスペック的にかぶるし、描写や発色の良さを考えるとさすがに見劣りするのが一本増えてもなあ・・・とは思ってしまいますが、NEX につけっぱなしにできるサイズと焦点距離、悪くない描写、そして何より安い(実売 1.5 万円程度)。ということで、NEX ユーザーで MF レンズ遊びに興味があるなら、入門用として手を出してみてもいいんじゃないでしょうか。CONTAX G レンズも最近はすっかり相場が上がってしまって、それほどお手軽という感じでもなくなってきたことだし(それでも描写からするとまだまだ破格だと思いますが)。
ということで、そろそろこのレンズの持ち主ご本人のレビュー記事執筆に期待(笑。
コメント