「こういう時は思い切ってステーキだ。銀座でステーキを食おうじゃないか」
漫画『孤独のグルメ』聖地巡礼、今回は第 14 話「東京都中央区銀座のハヤシライス(の消滅)とビーフステーキ」の舞台、銀座にやって来ました。銀座は仕事・プライベートともによく来る場所なので、個人的には親しみ深い。劇中の場所がどこか、もだいたい分かるわけですが、今回は当初の目的であったハヤシライスの店が消滅していることが劇中で既に分かっている、というのがいつもと違います。が、ここは井之頭五郎の足跡を辿るべきであろう、というわけで、消滅したハヤシライスの店から探訪します。
ちなみに、序盤のシーンで登場した銀座中央通りの伊東屋(文房具店)、本館は現在立て替えのため取り壊し済み。ある意味聖地巡礼の目印となったランドマーク自体がなくなっているという時代の流れに軽くショックを受けつつ、周辺を探索します。
「へーえ、こんなチェーン店もできているのか」
ゴローが劇中で時代の流れを感じたてんやは健在。それどころか、今や銀座には中央通りや有楽町駅前に吉野家だってあるし、周辺にはユニクロやビックカメラが旗艦店を構えているくらいだし、ずいぶん大衆化が進みましたよね…。
そして、劇中ではできたばかりだったと思われる、銀座の WINS(場外馬券場)。今やもう銀座に当たり前にあるものになってしまいましたし、それどころか汐留にもっとすごいのができてしまったので、古き良き銀座が失われていく的な感慨ももうないもんです。
ゴローをして「絶対大盛りで食おう」と言わしめた、銀座のハヤシライスの名店「ブラジリア」(実際の店名は不明)。劇中では既に「新鮮組」と思われるコンビニに変わってしまっていましたが、今ではさらに変わってローソンになっていました。そういえば新鮮組って最近見ないな、と改めて調べてみたら、2008 年にグループそのものがローソンのフランチャイジーになってしまっていたんですね。こういう形で時代の流れを感じるとは。
そうとなったら、銀座といえば「エビスヤ」だろうなやっぱり…ということで、「エビスヤ」のモデルになった「銀座 4 丁目スエヒロ」に向かいます。
…が、この「銀座 4 丁目スエヒロ」も、今はもう銀座 4 丁目の店舗がなくなっているもよう。調べてみたら、ギリギリ銀座エリアと言えないような場所(ぉ)に、支店が現存していました。
微妙に銀座から外れていようと、自分の「心」で信じたならッ!その瞬間からもうそこは「銀座」なのだッ!(誰
銀座というか、新橋というか…内幸町の航空会館というビルに、その店舗はありました。雰囲気からして私には明らかに縁のなさそうな雰囲気のビルですが、勇気を振り絞ってエレベーターを上ります。
古めかしい、けど当時はかなり予算をかけて建てられたであろうビルをエレベーターで上っていくと、古めかしいながらもゆったりとした作りの店舗が現れました。なんだろう、ここだけ 20 年前から時が止まっているかのような、外界の新橋とは全然違う空気感。
開店直後の時間帯に来たので、お店は完全に貸し切り状態(後で、私が食べているところで他のお客さんが入ってきました)。
ステーキハウスというともっぱら B&M とかアウトバックのようなカジュアルなお店ばかりで、こういう脚つきのグラスで水を出してくれるような高級店にはあまり来ないので、ちょっと緊張。
メニューのほうも、ディナータイムでステーキが 5,000 円から、ランチタイムでも 2,500 円から…みたいな価格設定に若干腰が引けつつも、「25%OFF 感謝価格」と書かれていた 1,890 円のランチセット、炭火焼リブステーキを頼もうとしたら、「11 時半まで早得ランチもありますよ」と言われたので、そちらに。1,500 円くらいでサーロインステーキが食べられるそうなので、そっちのほうがお得感高し。
じゃーん。シンプルにステーキ(と付け合わせ)とライスだけ、というメニューですが、高級店でお得に食べられるならばこれでも良し。
そういえば、ステーキってしばらく食べてなかったなあ。久しぶりのステーキ、なんだか嬉しいぞ。
(「孤独のカメラ」使用)
うん、こいつはなかなかいい肉だ。
見るからに、そのへんの安いステーキ屋とは、肉のふっくら感も脂の乗りも違う。
うん、うまい肉だ。いかにも肉って肉だ。
ナイフを入れた瞬間に分かる、肉の柔らかさ。それに、シンプルに肉そのものの味で十分味わえる、素材の良さ。これは確かに上等な肉だ。脂が乗っているけど、それほどしつこくない感じ…さすがは老舗、高いだけのことはある。
ただ…俺の食欲に対して、このステーキはちょっと小さすぎた。この店で満足感を得ようと思ったら、思い切って 5,800 円払って 450g のプレミアムサーロインステーキあたりを頼まなきゃダメってことか。
うまい、確かにうまいんだが、今日の俺にはこの肉のうまささえどこか上滑りしていく。
さておき、ごちそうさまでした。
会計時に、サービス料 10% が加算されることに気づいてちょっとびっくり。普段、サービス料を課される店に行くことって滅多にないからなあ…。でも、確かにサービスは細かく行き届いていました。
ともあれ、「銀座(内幸町だけど)でステーキを食べた」という実績(何。俺は得体の知れない奇妙な達成感を味わっていた。
コメント
孤独のカメラ!こんなアプリが!
そしてアプリを多用しすぎないセンスがさすがです!
このアプリ、なかなか汎用性高いですよ(笑
私はなるべく原作オマージュの範囲で使うようにしています(^^;;