ドラマ『食の軍師』を観ていたら、俺の腹が完全にとんかつ腹になってしまったので、うまそうなとんかつ屋さんを開拓しに行ってきました。
行ってみたのは大森の「鉄(kurogane)」。大井町の丸八、大森の丸一、蒲田の同じく丸一、鈴文、池上・千鳥町の燕楽…と、実はこのエリアかなりのとんかつ激戦区なんです。そこに今年オープンしたばかりの新店ということで、味への自信のほどが窺えます。
立地は駅前の繁華街から少し外れ、JR 大森駅~京急大森海岸駅の間にある、飲食店としてはちょっと意外な立地。くろがねと言えば空にそびえる…という世代でも私はありませんが(ぉ)、このお店は地下にあり、そういう意味でも一見で入ろうとはなかなか思えない店構え。
店内は、とんかつ屋とは思えないほどきれいでお洒落。そして BGM にはジャズ。少なくともこの界隈のとんかつ屋にある雰囲気ではありません。むしろダイニングバーとか小洒落た居酒屋の雰囲気。
でもメニューにはとんかつが書いてあるんですよね(笑。そしてとんかつの選択肢は実直にロースとヒレ、あとはグレードの違いという感じ。でもかつカレーとか、夜限定のかつ煮定食とか、そっちにも心惹かれます。
そしてもう一つ、おつまみメニュー。
これがまた、ネギぬた、にしんの棒煮、酒盗クリームチーズ、からすみ、それに季節限定と思われる滑川産ホタルイカ、と種類こそそれほど多くありませんが、完全に「わかってる居酒屋のおつまみ」。昼間だから飲まないけど、これは夜にちょっと飲みに来たくなる品揃えです。
せっかく来たからには半端にケチるのももったいないので、特上ロースかつ定食をいただいてみました。
盛り付けはとんかつ屋にしては上品な感じ。まあ、ごはんにせよキャベツにせよ「おかわり自由とか言う前にちょっとそれ盛りすぎだろ」という盛りで出てくる店も少なくないですが、足りなければおかわりすればいい話なので、これくらいでちょうどいい。ちなみにごはんとキャベツは各 1 回ずつおかわりできます。
主役の特上ロースかつはしっかりしたボリューム感。そして、このきつね色に揚がった衣が美しい。厚すぎず薄すぎず、油っこすぎることもなく、程良い揚がり具合。
テーブルには二種類の塩が並んでいます。アンデスの紅塩と、アルペンザルツ岩塩。ソースと醤油と塩とカラシの食べ比べまでは想定していたけど、塩の種類で食べ比べまでは想定していなかったので、軽い衝撃を受けました。
そんなわけで、まずは我が内なる食の軍師の声に従い、二番目に小さいカツ片にレモンを搾り、塩をふっていただきます(笑。いきなり衣に塩をかけちゃったけど、ここはドラマ版の力石よろしく肉に直塩のほうが圧倒的においしかった!
カラッと程良く揚げられた衣と、あくまでしっかり火を通した身からあふれるジューシーな脂。あああ、これはうまい。周辺の名店たちとがっぷり四つに渡り合える腕前と言って良いでしょう。そして、塩も良かったけど、ここのとんかつはソースが一番おいしいと思います。
これはいい店を見つけたなあ。この近くにはたまに買い物に来るし、またちょくちょく食べに来よう。
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