[ Sony α7 II | Carl Zeiss Vario-Tessar T* FE 24-70mm F4 ZA OSS ]
富津のアジフライを食べに行った際に三時間半ほど待ち時間があったので、その間に房総半島の太平洋側まで足を伸ばしてきました。行き先は鴨川と勝浦の中間地点にある行川(なめがわ)。私は関東出身ではないので知らなかったのですが、千葉県民を中心に東関東では 30~40 年前に有名だった観光地とのこと。
そして↑の写真は「おせんころがし」と呼ばれる断崖絶壁。その昔、圧政で村人を苦しめていたこの付近の豪族の娘「おせん」が父親を諫めきれずにここから投身したとも、父の身代わりとなって村人に殺された場所ともいう悲しい言い伝えがある場所とのこと。日本全国、海沿いの絶壁にはこういう伝説がつきものですが、美しいけどちょっと怖いこの光景によく合っていて、何とも言えない気分になります。
ちょっと急な坂を登っていくと唐突に崖とこの絶景が出現してかなり驚きました。カメラを向けようにも足がすくんでこれ以上進めないというね…。
[ Sony α7 II | Carl Zeiss Vario-Tessar T* FE 24-70mm F4 ZA OSS ]
その絶壁に隣接するホテル。見るからにここも廃墟っぽい雰囲気を醸し出していますが、
[ Sony α7 II | Carl Zeiss Vario-Tessar T* FE 24-70mm F4 ZA OSS ]
どうやら営業しているようです。この風化した感じといい、被写体としては妙に撮りたくなりますが、中に入るのはさすがに躊躇われます。ここ夜に来たら大人でも泣いて逃げ出したくなりそうです。ちなみにこの辺り、docomo は圏外でした…。
[ Sony α7 II | Carl Zeiss Vario-Tessar T* FE 24-70mm F4 ZA OSS ]
そしてその隣が「行川アイランド」跡地。関東出身の四十代以上の人には有名らしい(?)レジャー施設とのことです。しかしその後鴨川シーワールド、マザー牧場、東京ディズニーランドなどの開園により徐々に客を奪われ、16 年前に閉園したまま今は廃墟となっています。
[ Sony α7 II | Carl Zeiss Vario-Tessar T* FE 24-70mm F4 ZA OSS ]
かつては賑わっていたであろう施設が今は廃れて緑に覆われている…という意味ではラピュタ感があって、何とも言えない雰囲気が漂っています。夜に来たらかなり怖いだろうけど、昼間来る分にはちょっとした遺跡を探索している気分。
まあ、入口から先は閉鎖されていて、中の様子は覗き込みながら想像するほかありませんが。
[ Sony α7 II | Carl Zeiss Vario-Tessar T* FE 24-70mm F4 ZA OSS ]
閉鎖されたトンネルには南国の鳥の象徴であるオオハシを模した装飾がされていて、その奥のメイン広場だったと思われる場所は既にただの森になっていることが窺われます。人工の施設だった場所が再び自然に侵食されている様子は、地球の生命の強さを感じさせます。
調べてみたところこの行川アイランドはもともと旧日本軍の弾薬庫等の軍事施設跡地を流用して作られたテーマパークだったとのこと。そう思ってトンネルを見てみると、確かにどこか物々しい雰囲気が感じ取られてきます。
[ Sony α7 II | Carl Zeiss Vario-Tessar T* FE 24-70mm F4 ZA OSS ]
敷地内には無数のヤシやソテツが生えており、陽気な南国ムード満点なのに、そこにある人工物はほとんどが朽ちたまま放置されている。この対比は訪れる者に強烈なインパクトを与えてきます。もし FOVEON 搭載カメラを持っていたらきっと極上の錆写真が撮れていたに違いない(ぉ
[ Sony α7 II | Carl Zeiss Vario-Tessar T* FE 24-70mm F4 ZA OSS ]
検索してみると別の入口から場内に入ってみた人の写真が見つかったりしますが、中の様子は外からは想像できないほどに朽ちているようで、ちょっとだけ見てみたかったような、でもやっぱり立入禁止で良かったような(笑。
ここ、廃墟好きな人にはきっとたまらないんだろうなあ。
30℃ 超えの真夏日に、気分的にちょっとだけ涼しくなる貴重な経験をしました。
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