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F1 アゼルバイジャン GP 2024

F1“2年生”ピアストリ、堂々ディフェンスでルクレール下し2勝目。マクラーレンがランキング首位浮上|アゼルバイジャンGP決勝

今シーズンの F1 は毎戦がベストレースみたいな接戦が続いていますが、今回も面白かった。前半は全体的に DRS トレインによる膠着状態でしたが、タイヤ交換が始まったあたりから順位の入れ替えやピット戦略の違いにより状況が二転三転して特に入賞圏はどこも僅差、目の離せないレースになりました。

■マクラーレン

ピアストリおめでとう!
予選が終わってルクレール PP、ピアストリ 2 番手でノリスが後方に沈んだあたりで「決勝はピアストリがルクレールに競り勝って優勝しそうだな」と思っていたらその通りになりました。ファーストスティントこそルクレールが逃げる展開でしたが、タイヤ交換が終わった時点でピアストリがルクレールに詰め寄っており乾坤一擲のオーバーテイク!その後も終盤まで 1 秒差以内のデッドヒートを繰り広げながらもピアストリは隙を見せず守り切っての優勝。レース中唯一と言えるオーバーテイクチャンスをものにしたこと、およびルクレールの苛烈なアタックを防ぎきったこと、どちらもやってのけたピアストリのメンタルの強さには脱帽ものですね。とてもデビュー 2 年目の若手とは思えません。

一方のノリスは予選アタック中の黄旗という不運もあり Q1 敗退、決勝は後方から追い上げるレースでした。抜きにくいバクーならどんなに良くても 7~8 位まで戻ってくるのがせいぜいかと思ったらなんとフェルスタッペンまでオーバーテイクして実力で 6 位まで上がり、さらに上位二人のリタイヤで 4 位フィニッシュ。ノリス的には少なくともマックスより多いポイントを手にしたことでチャンピオンシップ上はまあ良かった、というところではないでしょうか。

しかし個人的にはこういう場面で Q1 落ちする運のなさも含めたノリスの不安定さに対してピアストリの安定感とメンタルの強さが際立って見えています。チャンピオンシップではノリスがピアストリに 32pt 差をつけていますが、オーストリア GP からの 7 戦の合計ポイントはピアストリが 31pt 上回っているんですよね。この 7 戦のピアストリは全てのレースとスプリントで 4 位以上という安定感。場合によってはシーズン終盤にピアストリがノリスを上回っている可能性だってあるし、来シーズンはもうピアストリがチームの主導権を握っているのではないかと予想しています。

■レッドブル

完全に「四強の下の方」が定着してしまったレッドブル。フェルスタッペンは今回は頑張っても 5 位前後だろうけどノリスより先着できればチャンピオンシップ的には成功か、と思っていましたがレースではコース上で為す術もなくやられてしまいました。直接対決でこうも簡単に抜かれると今後のレースも引き続き厳しそう。残り 7 レースで 59pt 差を守り切れるかやや怪しくなってきましたね。とはいえノリスの勝負弱さやピアストリやフェラーリ/メルセデスにもまだ勝つチャンスがありそうなことを考えるとマックスが逃げ切るのではないかと予想しているのですが…逆にノリスが勝ってマックスとの間に数人入るようだと厳しくなります。

ペレスは得意のバクーで久しぶりに上位を走行し、ようやく復活の兆しが見えてきました。ただしこれが恒久的なものなのか一時的なものなのかはテキサス(COTA)のレースを見ないと判断できません。今回のレースではピアストリとルクレールの争いを虎視眈々と眺めるポジションにいましたが、最終盤にルクレールに仕掛けに行ったところで逆に後方のサインツにオーバーテイクされ、ポジションを取り返そうとしたところでサインツとクラッシュ。表彰台目前からノーポイントという憂き目を見ることになりました。あの接触はどちらにも非があるレーシングインシデントではあるけど避けられるものだったなあ…。

今回の結果によりコンストラクターズランキングは 20pt 差でマクラーレンが逆転しました。マクラーレンは 2014 年の開幕戦以来、十年半ぶりのコンストラクターズ首位。ついにここまできたかー。ドライバーズはともかく、コンストラクターズはもうこのまま最後まで行きそうです。

■ベアマンとコラピント

サージェントの代役として前戦から出走しているコラピント(ウィリアムズ)に加え、ペナルティーポイント積算で出場停止になったマグヌッセンの代役としてハースからベアマンが出走。そして二人とも入賞しました。ベアマンはサウジアラビア GP でもサインツの代役としてフェラーリから出走して入賞しており、「F1 デビューから出走した 2 レース連続、しかも異なるチームでのポイント獲得」という史上初の珍記録を達成しました(笑。
二人ともレースですごく目立った場面はなかったものの、コラピントは僚友アルボンのすぐ後ろで 8 位フィニッシュ、ベアマンはヒュルケンベルグに勝って 10 位入賞というのが素晴らしい。「今年の F2 ドライバーは微妙」というのが定説でしたが、実は F2 にもいいドライバーはたくさんいることが証明されたのではないでしょうか。若手の出走機会を増やす意味でも、参戦チーム数は 12 くらいまで増やして良いと思うんですけどね。

■RB

マシン性能的には 9 番手に成り下がってしまった VCARB01。リカルドが Q1 敗退する中で予選 12 番手につけた角田はパフォーマンスを最大限に絞り出したと言って良いと思います。しかし決勝ではオープニングラップでストロールに当てられ、二戦連続の DNF。抜けないコーナーでも無理に突っ込むストロールのドライビングスタイルは成長しませんね。とはいえ角田も完走しなければ入賞もあり得ないわけで、ストロールやマグヌッセンのような駆け引きの成立しないドライバーの近くを走っているときはどう動かなくてはならないかを学習する必要があります。まあ今回は仮に完走できていたとしても入賞には届かなかったでしょうが…。
チームは本当にもう残りのレースでは一切入賞できないんじゃないかという有様ですが、ライバルのハースとウィリアムズは今回それぞれポイントを獲得し、RB はコンストラクターズ 6 位死守に黄信号が灯っている状況。アップデートをちゃんと機能させられないなら来シーズンは技術陣の入れ替えも必要なのでは。

次はすぐ今週末のシンガポール。またしてもストリートサーキットで接戦が予想されますが、コース特性的にはレッドブルも RB もかなり苦戦しそうですね…。

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