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本厚木 タベルナ ラ・メッセ 再訪

「一皿一皿に、お客様の思い出があるんです」

タベルナ ラ・メッセ

ドラマ『孤独のグルメ Season11』第4話の舞台となった本厚木のイタリアンレストラン、タベルナ ラ・メッセに再訪してきました。前回は放送前のランチタイムにお邪魔したのですが、パスタランチで味わえるのはこの店の片鱗に過ぎないのでは?という感触がありました。だからその当時からこの店をもっと深く知るべく改めてディナータイムに食べに行きたい、とタイミングを狙っていたのでした。

店先に掲げられた大きなリボンが夜にはライトアップされていて、まだ全然早いのになんだかクリスマス感。

タベルナ ラ・メッセ

タベルナ ラ・メッセ

今回もまた前回と同じ席に通されました。
夏休みとシルバーウィークの狭間でしかも雨、ということでお客さんは少なく、幸運にも半貸し切り状態。前回はランチタイムに一言だけご挨拶に回られたマダムと今回はゆっくりお話しすることができました。

マダムは「おしゃべり婆さんでごめんなさいね」と謙遜しつつもお店の歴史からドラマ撮影の顛末までたくさんお話ししてくださいました。多岐川裕美が配役されたことがよくわかる上品さがありつつも、劇中同様に…いやご本人はもっとかも、ユーモア溢れる方。ロケの事前にマダム役の衣装手配のために全身写真を撮られたそうですが(ご存知の通りあのドラマの店員役はまるで完コピする勢いで衣装まで完璧にご本人に合わせてある)、「まず正面から撮って、その次に横向いて撮って…まるで留置所に入るときの写真みたいでした」とか(笑。

タベルナ ラ・メッセ

ディナーメニュー。今回はいろんな料理を味わいつつワインを楽しみたいからアラカルトでいきます。
全体的に肉よりも魚介のメニューが豊富。厚木ってあまり海に近いイメージがないのですが、車で30分ほど南下するだけで相模湾だからそう遠くもない。考えてみればイタリアも海に囲まれた半島の国なわけで、魚介が充実しているのも納得です。

タベルナ ラ・メッセ

まずはビールでウォーミングアップ。
久々にジョッキじゃなくてピルスナーグラスで飲むビール、普段とは違う上質な時間が流れ始める。

タベルナ ラ・メッセ

まずは枝豆の冷製スープ、パスタフリット添え。ここから始まるイタリアの旅。
五郎が来たときはまだ寒さが残る時季だったからかミネストローネだったけど、今は夏の終わりということで冷たいスープ。

「ぜひ、ゴクッ、バリッ、でいっちゃってください」

変に気取らずに、思うがままに楽しんでほしいというメッセージと受け取りました。そういう細かな気遣いが嬉しい。

タベルナ ラ・メッセ

やっぱり鮮魚は楽しみたいよね、ということで小田原漁港朝獲れカルパッチョ。
日替わりと思われる魚介、この日はヒラメ、ショッコ(カンパチの幼魚)、メダイの三種でした。こんなに盛られてくるとは思わなかったから嬉しい驚き!

魚はどれも新鮮な張りはありつつもとろけるような食感。カルパッチョなのにどれも厚めに切ってあるのが食べ応えあっておいしい。

タベルナ ラ・メッセ

このカルパッチョには間違いなくイタリアのぶどうジュース白ワインでしょう。
このお店のハウスワイン、シチリアの「ドンカルロ・ビアンコ」。イタリアンマフィアも飲んだかもしれないワイン。

スッキリ飲みやすいのに葡萄の甘味と酸味、香りがしっかり感じられて飲み応えある。もちろん魚介との相性も抜群です。

タベルナ ラ・メッセ

からの、バーニャカウダ。
ランチセットで食べたハーフサイズとは違って野菜もソースもフルサイズ。そうそう、これくらいガッツリ食べたかった。

ニンニクとアンチョビ、生クリームで作ったという濃厚なバーニャカウダソースが本当においしい。
今後の人生で食べる生野菜の全てをこのバーニャカウダソースで食べたいくらいだ。

タベルナ ラ・メッセ

そこに提供されるバケット。残ったソースをこれできれいに拭ってくださいと言わんばかり。
パンに浸して食べるバーニャカウダソース、野菜とはまた違った味わいで最高。俺、もうバーニャに首ったけ。

そういえば、劇中で井之頭五郎が食べながら思わず声が出るシーンが何度もあったのが印象的でした。
アレはたぶん五郎じゃなくて松重さんの素の反応が出ていて、名店揃いの『孤独のグルメ』の中でも特においしい店でしか見られないリアクションだと思います。

タベルナ ラ・メッセ

カルパッチョとバーニャカウダ、前菜二大巨頭の前に白ワインのボトルがあっけなく蒸発。これは赤ワインを入れるしかないですね。
マダムからのお勧めに従って注文したのは、日本では珍しいプーリア州(イタリア半島の「かかと」の部分)で作られた「ヴィブランス」。現シェフがイタリアで出合ったという赤ワインです。ギリシャ・トロイア原産のブドウ品種(こないだオデュッセイアを観たところだから縁を感じる)を使ったワインで、しっかりしたフルボディながら素朴で親しみやすい味わいなのがこの店によく似合う。

タベルナ ラ・メッセ

赤ワインと一緒にいただくのはもちろんこれ、脾臓のパニーニ。

厚木産の豚を使い、脾臓だけでなくレバーや他のホルモンも組み合わせて味や食感のバランスを整えているとのこと。ちょっとレバーっぽさも感じると思ったらそういうことだったか。
半分はそのまま食べて、残り半分はレモンを搾っていただきます。ストレートに食べると脾臓のねっとり、まったりした濃厚さが楽しめる。そしてレモンをたっぷりめに搾ると、爽やかな香りと酸味とともに少し食感が軽くなってこれまた劇的なうまさ。

ホルモン系のパニーニって変わり種だと思うでしょ?でもこれはそんな先入観を覆す力がある。
あまりのうまさにおかわりしたいぐらいだが、俺にはメインどうする問題が残っている。

タベルナ ラ・メッセ

ここで選んだメイン料理は「海の幸いっぱいのリゾット」。五郎も食べていた一皿、やはりこの店は魚介系を軸に攻めたい。

運ばれてきた瞬間に感じられる、よく煮込まれた魚介のいい香り。うーん!唸るしかない。
お米のアルデンテ具合が絶妙で最高の食感。そして具材のひとつひとつが粒立ち、お米の中でしっかりと味を主張している。見た目は素朴なのに、食べてみるとその丁寧な仕事ぶりが確かに伝わってくる。

ああ、幸せ。
地中海という三文字が、喉を通って胃袋に広がっていく。

タベルナ ラ・メッセ

リゾットで〆でも良かったけどここまで来たらどうしてもパスタも味わってみたくて追加注文。スルメイカとジャガイモのリングイネ 厚木産バジルのジェノベーゼソース。

マダムによると先代シェフはあの西麻布キャンティで修行した方だったとのこと。キャンティと言えば実質的に日本におけるイタ飯発祥の店、日本で初めてスパゲッティ・バジリコを提供したキャンティ仕込みのジェノベーゼなら絶対間違いないわけです。
バジリコスパゲッティって具なしとかシンプルにベーコンだけってのも多い中、スルメイカとジャガイモにバジルというのはやや意外な組み合わせ。でもイカのうまみとバジルの香りがジャガイモに染み込んでうまい!パスタが平たいリングイネなのも、ジェノベーゼソースにしっかり絡んでおいしい。

タベルナ ラ・メッセ

ドルチェは例によってシルバートレイから好きなのを選びます。メニュー表じゃなくて実物を見て迷えるのがいいんだよなあ。食べる以前にこの光景を眺めるために注文していると言っても過言ではない。

タベルナ ラ・メッセ

前回来たときはイタリアンプリン+ティラミスだったから今回は五郎が選んだカンノーロと久住さんが食べたパンナコッタを選択。

カンノーロ、トレイに並んでいるときは皮の部分だけだから見た目には一番地味だったのに、リコッタチーズクリームを詰めて出てくると一気においしそうに。
リコッタって分類上はチーズだけど乳脂肪分が少なくて酸味と甘み、香り主体のさっぱりめのチーズ。それをトロトロのクリーム状に仕立ててサクサクの皮に詰めると食感のギャップも含めて超おいしい。これは痺れた、瞬殺のうまさ。

パンナコッタは言うまでもなくイタリア定番のドルチェ。ミルクの甘みとバニラの香りが全面に活きて、まさに幸せな「ママの味」。母親にパンナコッタなんて作ってもらったことないのに、なんか昔作ってもらったかのような錯覚に陥る…なんてこった、パンナコッタ。

タベルナ ラ・メッセ

同行の某氏が選んだのはアーモンドとリコッタチーズのスフレ。
イタリアの甘味で使うチーズといえばマスカルポーネのイメージが強かったけど、リコッタチーズもすごくイイ。今後イタリアンでドルチェを頼むときはリコッタチーズに注目してみようと思いました。

タベルナ ラ・メッセ

食後のドリンクはホットコーヒー(手前)と、なんと静岡茶(奥)、そういうのもあるのか。

いやあ、最初から最後まで全部おいしかった。ランチもいいけどディナータイムにいろいろ注文したらもっとおいしいに違いない、という私の確信は正しかった。
胃袋が、幸いっぱいになりました。

タベルナ ラ・メッセ

『孤独のグルメ』登場店の多くが店内に松重さんのサインや写真を飾ったり「五郎さんセット」を用意するところも多い中、こちらのお店ではそういうことは特にしておらず、ドラマで再現されていた普段の姿そのままで営業を続けられています。でもマダムは撮影の様子を気さくに話してくださった上、普段は掲示していない出演者のサインまで出してきてくださいました。それも松重さんに加えてマダム役の多岐川裕美さん、ホール担当役の渡辺裕太さん(渡辺徹と榊原郁恵の息子さん!)のサインまで。渡辺裕太さん、なんとこのお店には以前からお客さんとして来店していたそう。ちなみにお母さん(郁恵さん)の方はSeason8の中華街・南粤美食のママ役で出演された経緯があり、親子で『孤独のグルメ』に出演するというレアな実績を解除したことになります。

またマダムによると先日ドラマのスタッフがBlu-ray/DVD BOXのための撮影に来ていったとのこと。おそらく映像特典「その後のグルメ」に収録されるのでしょう。Blu-rayの発売も楽しみにしています。

他にもまだまだ食べてみたいメニューはたくさんあります。肉や魚のメイン料理も食べたいし、ウニのクリームソースも絶対うまいはず。春先に出るだろうホタルイカのパスタも食べたい…本厚木はちょっと遠いけどまた食べに来るしかないですね。

次の機会も今から楽しみにしています。
ごちそうさまでした。

『孤独のグルメ』聖地巡礼 全店レポート
ドラマ&漫画『孤独のグルメ』の聖地を実際に巡礼してきた本人によるまとめです。(一部未巡礼店あり)。ドラマ『孤独のグルメ』漫画『孤独のグルメ』

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