昨夜、渋谷駅近くで開催されたイベント「ネットと家電のキャズムを超えろ!会議」に参加してきました。
主催の和蓮和尚さんの blog は 1 年ちょっと前にある方から教えていただいて以来、自分と視点や考え方がよく似ていることもありずっと読ませていただいてました。ごく最近直接お話をする機会に恵まれた際に意気投合し、このイベントにも迷わずエントリーさせていただいた次第。
和蓮さんは「ネット×家電で生活をもっと便利に・豊かにする」という点では私と同じような考えながら、メーカーを出てベンチャー起業した、という意味では私とは正反対の道を歩んだ方。私も 3 年前、偶然のタイミングと巡り合わせで今の仕事に就いていなければ、起業するか知人のベンチャーを一緒に大きくするかするつもりでいましたが、結局当時はネットにおける個人のパワーを集めて何かを成すにはまだちょっと早いような気がしていました。状況があと 2 年違っていれば私も起業を真剣に考えていたかもしれませんが、当時最終的に思い至った「そういう時代が来たときのために、内部から『ネットの力を受け容れる』ための地ならしをしておきたい」という考えが間違っていなかったと信じたい。
イベントのテーマは「テレビのネット接続機能で何かが変わる、か!?」。ソニーの岡本氏によるアプリキャスト(BRAVIA に搭載されているテレビ向けウィジェット)のお話、メタキャストの井上氏による動画メタとテレビの楽しみ方のお話、UIE Japan の鈴木氏によるソフトウェアの UI を常時ネット経由で取得して表示する UIEngine のお話、ともろもろ質疑応答。それぞれ別々の内容に見えながら、実は常に敵対的図式で表現されがちな「テレビ×ネット」を融合させるためのアプローチという本質では共通。越えるべきハードルはまだまだ高いものの、何らかの示唆は得られたような気がします。
参加者は家電業界関係者率高し。雰囲気的には過半数が家電業界系、1/3 が IT・ネット技術系、残りがネットユーザー系という感じだったでしょうか。私は業界寄りながら、どちらかというとネットユーザー的な視点で参加したつもりでしたが、意外にもネットユーザー系な方が少なかったのがちょっと残念と言えば残念でした。さておき、後の懇親会も含め非常に有意義なお話がたくさん聞けたのは収穫でしたね。こういう場のパワーは、やっぱり何かを成せることを信じさせるだけのものがある。
以下、この会を通じて得た/再確認したことのメモ(ほとんどがどなたかの発言の引用):
- 「人」が見える製品/サービスっていいよね
- 会社を越えたコミュニケーションって改めて大切
- ネガティブは何も生まない
- マスプロダクトは 100 人いたら 90 人が好むものでなければ商品にできない。でも、ネットの力を使えば 100 人うち 1 人だけでも「むちゃくちゃ好き」なものを 100 種類揃えれば良い
- 製品はハード・ソフト設計だけでなくサービスやビジネスモデル設計までできていて初めて完成された製品と言える
- テレビ画面に放送とは無関係なコンテンツを流し込むアプローチも、放送と連動したコンテンツを流し込むアプローチも、テレビとネットが融合するためにはどっちも重要
- 「CGM」の新たな解釈→Consumer Generated “Metadata”
このイベントに出て、ネットの力(ネットの先に繋がっている人たちの力)で新しいものを作りたい、という想いの実現にほんの少しだけ近づけたような気がしました。今年は私自身も改めて打って出る年にしようと思ってますが、良いエネルギーをもらえたような。かなり競争率の高いイベントですが、次回も是非参加したい。
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