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Evernote

最近とても注目しているソフトウェアというか Web サービスがこれ。

Remember Everything. | Evernote Corporation
Evernoteで自分の脳を拡張する(プライベートベータご招待) (TechCrunch Japan)

スクリーンショット 1 枚じゃぜんぜん魅力が伝わらないんですが、動くデモを見るとちょっと目から鱗系の Web アプリです。まあ、アンテナの高い人はもう知っているサービスなので「そんなの知ってるよ」という人も多いと思いますが。

一言で表すのも難しいですが、インターネット越しにドキュメントを作成したり、Web クリップしたりできるツールです。テキストのメモや画像を貼り付けることもできるし、Web ページの全部/一部を貼り付けることもできるので(ブラウザの機能拡張で右クリックメニューからクリップすることも可)、とりあえず私が日常的に扱うドキュメントは Excel のスプレッドシートと PowerPoint ファイル以外、ここに保存できてしまいそうな感じ。ファイル添付は無料版では静止画や MP3 などの音声ファイルに限られていますが、有料版だとどんなファイルでも添付できるので、本当にデータを何でも放り込んでおくこともできます。
個人的にははてブや Livedoor クリップのように自分の Web クリップを他人に公開するメリットをあまり感じない(仕事上役立つ情報としてクリップしたい場合もあるし)ので、Evernote で自分専用のクリップにできるほうが便利だったりして、最近はもっぱら Evernote でクリップしてますね。

また特に使えそうなのが有料版で提供している OCR 機能。まだ英数字のみの対応ですが、Evernote に貼り付けた画像内の文字列を認識してメタデータとして持っていてくれるので、画像まで串刺しした検索が可能です。例えば名刺をもらったらデジカメや iPhone でとりあえず撮影して Evernote に取り込んでデータベース化する、なんてことも(日本語認識に対応すれば)可能になるし、多少雑な手書き文字や写真内の文字でも認識できるので、強力なパーソナルデータベースとして使うこともできそうです。

また、Evernote 上のドキュメントを Web で公開することもできるので、使いようによっては Tumblr みたいな使い方もできそう。


欠点としては、現状では日本語版が存在しないので、英語が苦手な人には使いにくかったり先述の OCR 機能が日本語対応してなかったりすることと、ネットワーク越しにデータ保存をかけにいくので、ネットワーク環境によってはちょっと重いのが玉に瑕、といったところですが、個人的には Web クリッピングツール+メモ的に使っているので、その上で特に不都合は感じていません。でも OCR の日本語対応が始まったりしたら、さらに使いでのあるサービスになりそうなので、有料アカウントを取るかも。

PC 一台で全てまかなってるような人や、逆にケータイがメインで PC は検索にしか使わないような人にはあまりメリットがないかもしれませんが、私のように複数台の PC を使い分けている人や、PC+iPhone といった複数のネットワーク系デバイスを活用している人にはかなりオススメのサービスです。Windows 版・Mac 版に加えてモバイルデバイスでも iPhone・Palm Pre・BlackBerry と WM 版があるので、最近のメジャーどころのスマートフォンは Android を除きほぼカバーしています。

私は Evernote を純粋にサービスとして便利なので使ってみますが、業界的な観点でも、こういうサービスによってハードウェアの立ち位置が少し変わってくるのかな、と考えていたりします。
Apple 以外のメーカーから出てくるいろんなガジェットが iPod や iPhone の対抗軸で語られがちな昨今ですが、(まあマスメディア的な分かりやすさでそういう切り口で表現したくなるのは理解するにしても)そうじゃなくてむしろそれらと共存・補完関係にある使い方を模索したほうがもっと幸せになれるんじゃないの?と常々思っていました。
最近は「クラウド」という言葉ばかりが先行してちょっとしたクラウドバブル的な状況が発生しつつあるような気はしますが、それはさておきオンラインを前提にしたハードウェアとサービスのつくりを考えることで、デジタルデバイスとそれを利用する我々の生活は、新たなパラダイムに至ることができるんじゃないか?と。
例えば Twitter にしろこの Evernote にしろ、Google の各種 Web サービスにしろ、キモはデータがネット上にあって、デバイス非依存でいろんな利用形態が選択できることが、利便性であったり新たなコミュニケーションの形を誘発しています。これをうまく使えば、PC が使える環境では PC から、それ以外の場所では iPhone なりケータイなりといったデバイスから利用することで、自分自身の生産性あるいは付加価値を大きく向上させることができるはず。TechCrunch Japan の紹介記事では「自分の脳を拡張する」と表現していますが、まさに Enhance Myself することができるはず。そんな可能性を感じるサービスのひとつが、この Evernote だと思います。

PC と iPhone を使っている人、だまされたと思って一度使ってみてください。ただ、インストール直後で Note が何もない状態だと、何をしたらいいか分からなくて途方に暮れがちなのが、このツールの泣き所だと思うので、その点ご注意を。

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