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サマーウォーズ @109 シネマズ川崎

父方の祖母が亡くなったのは、ちょうど 24 年前の今日でした。私はまだ幼かったのですが、あの日航機墜落事故の翌日のことで、しかもとても暑い日だったので、あの日のことは今でもはっきりと覚えています。人生の中で、自分の近しい身内が初めて亡くなった日。お盆が近づき、テレビのニュースで日航機の事故から何年・・・という報道があると、決まって思い出すあの日。

そんな折、この映画を観て、さらにその思いを強くしました。

サマーウォーズ

時かけ』の評価が非常に高かったせいでしょうか・・・最初、何も考えずに平日の夜に映画館に行ったら、レイトショーまで含めてあっさり売り切れ状態(;´Д`)ヾ。どうやらかなり入りが良いらしく、こりゃ予約して行った方が良いな、と Web 予約して観に行きました。上映館があまり多くない作品なので比較的空いてるかと思ったら、甘かった。
主役は『ハウルの動く城』のマルクル役で良い味を出していた神木隆之介君、大人になったなあ。

ネタバレしたくなかったのであまり事前情報は仕入れずに観たのですが、冒頭からしてやられました。田舎の大家族が題材でイメージ画像とかでものどかな山あいの民家、みたいな印象を持っていたのに、いきなりあの映像だもの。間違えて違う映写室に入ってしまったかと思いました。
でもそんな、土や木の色に支配された田舎の風景と、RGB で表現されていそうな原色のサイバーワールドの対比が秀逸で、ハートをグッと掴まれる感動と、優しいユーモアと、しんみりした感傷と、が満載の、ハッキリ言って名作だと思います。この夏は劇場・BD 含めてけっこうたくさん映画を観ましたが、個人的には今作が最も感動した。


ともするとめんどくさくなりがちな、田舎の人間関係。私も、実家は今でこそ核家族ですが、父は 5 人兄弟で私の従兄弟は 8 人(私と妹を含めると 10 人)、盆や正月には大人数が私の実家に集まります。十代の頃には、そんな血縁の関わりがめんどくさくてしょうがなかった時期が、私にもありました。まあ今でも面倒だと思うことはありますが、東京に住んでいることで、そういうのとは適当な距離を保てている感じ。
細田守監督は富山県出身の人ですが、ああいう田舎の大家族のつながり、絆、暖かさ、そしてめんどくささがないまぜになった表現は、おそらくそういう環境で長い時間を過ごした人でなければ表現できないだろうし、またそれがものすごく実感を持った表現として伝わってきました。

そんな田舎の、というか古き良き日本の人間関係が、サイバーワールドのつながりとリンクしながら物語が展開するんですが、サイバー側の表現もまた、私にとっては強く実感のできるものでした。リアルで顔を知っている人も、知らない人も、いざというときは助け合ったり励まし合ったりできる、ネットの正の力。「ネットコミュニケーション」というと、途端に敬遠したり色眼鏡で見たりする人がまだまだ多いですが、ネット上のコミュニケーションといっても、結局は現実に生きる人と人とのつながりがあってこそ存在しうるもので、ネットワークなんて単なるコミュニケーションの媒介にすぎないんだということ。この映画を観て、改めて、それを思いました。頭で理解しているだけではなくて、むしろ私こそがそのことを実感しながら活動していなくてはならないんだろうな、と気づかされました。

何かしらの形でネットの世界に関与していて、かつ田舎を持っている人ならば、きっと響くものがあるんじゃないかと思います。この映画の良さは、派手にお金を使った広告宣伝なんかじゃなく、クチコミでこそ広めたいですね。ま、『時かけ』もそうやってヒットした作品ですし、そのときのクチコミ力が今こうしてこの作品のヒットにつながっているのだとすれば、私なんかがあれこれ言う必要もないのかもしれませんが。

時間があればもう 1~2 回観に行ってもいいかも、というくらい良い映画でした。BD が出たら間違いなく買おうと思います。DVD しか持ってない『時かけ』の BD 版とセットだったりしたら、たぶんそっち買うのでワーナーさんよろしくお願いします(笑。

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