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2010 年 [Blu-ray]

2010 年の正月休みに絶対観るつもりだった BD を鑑賞しました。

2010 年 [Blu-ray]

言わずと知れた『2001 年宇宙の旅』の続編にあたる作品です。DVD も持っているのですが、繰り返し観ている『2001 年~』と違い、最後に観たのが 7~8 年前なので、正直断片的にしか記憶になく、新鮮な気持ちで再鑑賞しました。

本作は前作『2001 年~』で置かれた謎のいくつかの解決編という位置づけをとっているので、『2001 年~』だけでは分からなかった部分が明らかにされ、また希望をもたせてくれるラストのおかげで鑑賞後はある程度スッキリした気分になれます。が、肝心のモノリスの正体が不明であったり(小説版では描かれているようですが)、映画そのものが説明的なつくりで『2001 年~』が持っていた神秘的な要素に欠けているのがちょっと残念なところ。SF 映画のありようとしてはこれで良いのだと思いますが、映画表現の素晴らしさという点では『2001 年~』より地味な印象は否めません。でも原作のアーサー・C・クラークが『2010 年』の映画化にあたりキューブリック以外の監督を要望したとのことなので、クラークが表現したかったのはこういう方向性なのだろうと思います。

BD 的観点では、画質はこれよりもはるかにオリジナルマスターが古いはずの『2001 年~』に比べても明らかに精細さに欠け、BD の画質としては物足りないものです。もちろん DVD のアップコンに比べれば全然きれいなのですが、マスタリングに愛がないなあ・・・と言わざるを得ません。まあ『2001 年~』に比べると地味で知名度も低い映画なので、あまり予算を割いてもらえていないのでしょうが、それにしても残念です。


舞台となった 2010 年(劇中では年単位での航行という設定なので、実際の木星圏での出来事は 2012 年頃だと思われますが)を現実の今と見比べてみると、劇中ではソ連が健在で米ソの冷戦構造がまだ続いていたり、パンナム航空が存続していたり、当時では考えられもしなかったような変化が起きていることが確認できます。小道具に目を向けても、コンピュータの UI は劇的に変わっていますし、そもそも劇中ではブラウン管モニタがまだ主流だったり、やはり「時代だなあ」と思わせる表現が多数見られます。
でも、HAL 9000 の主記憶装置であるホログラムメモリはまだ実用化されておらず、それ以前に有人の木星探査船が飛ばせるところまで宇宙開発が進んでもいません。そういう意味では、まだまだ人類は 40 年前に我々が想像したレベルを超えられていないのかもしれません。

劇中では匂わす程度で説明もほとんどありませんが、小説版では衛星エウロパに生命体がいる設定がはっきりと描写されているらしいですね。木星というロケーション、2010 年というタイミングから考えても、今年公開予定のあの映画で描かれる「来るべき対話」は、クラークの小説にかなりのインスパイアを得ているものと推測されます。作中にはオマージュ的な表現がいくつか見られるので、改めて探してみるのも面白いかも。

コメント

  1. むっちー より:

    主演が去年亡くなったロイ・シャイダーだったことを
    思い出しました

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