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ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密 [IMAX] @109 シネマズ川崎

三年半ぶりに公開された『ファンタスティック・ビースト』シリーズの最新作を観てきました。

ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密

ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密

前作までグリンデルバルドを演じていたジョニー・デップが DV 裁判の影響で降板し、クリーデンス役のエズラ・ミラーが本作の公開直前にバーで暴れて逮捕される、という微妙な状況での封切り(笑。ジョニー・デップに代わってグリンデルバルドを演じるのはマッツ・ミケルセン。個人的にはジョニー・デップは(俳優としては個性が強くて好きだけど)グリンデルバルドにしては知性を感じないと思っていたので、マッツ・ミケルセンのほうが「らしい」と感じました。それにダンブルドア(ジュード・ロウ)とかつて恋仲にあったという設定からしても、ミケルセンのほうが似合う(笑。

ストーリーは前作の続き。勢力を増すグリンデルバルドは、いよいよ魔法界の指導者選挙に立候補しようとする。選挙の鍵を握る魔法動物「キリン」、ダンブルドアとグリンデルバルドの因縁、そして前作のラストでグリンデルバルド側に寝返ったクイニー。ダンブルドアの作戦に基づいてグリンデルバルドの計画阻止に動くニュート・スキャマンダーとその仲間たちは、ホグワーツを発ち魔法使いの聖地ブータンを目指す…という話。全編を通して暗く、観るのに体力を必要とした二作目とは打って変わってコメディパート多めの「暗すぎない」タッチになっていました。前作は若年層受けがあまり良くなかったんじゃないですかね。

物語の軸は明確だし、ホグワーツがいよいよ本格的に登場して『ハリー・ポッター』シリーズへのリンクが明確に見えてきました。そういう意味では分かりやすく面白かったのですが、一方でツッコミどころが多すぎる(笑。
以下、映画のネタバレを含むのでこれから観に行く方はご注意ください。

■マッツ・ミケルセンのグリンデルバルド
イメージ的にはジョニー・デップ版よりもグリンデルバルドに合っているとは思ったのですが、なんというか怖さが足りない(笑。個人的には『カジノ・ロワイヤル』のル・シッフルのように冷酷で一度キレたら何をするか分からない怖さを期待していたのに、このグリンデルバルドはあまり悪そうに感じない…映像的にも脚本的にももっと怖さを出して良かったんじゃないですかね。

■ほぼ出番のないヒロイン(ティナ)
ヒロインであるはずのティナがほとんど登場しません。「仕事が忙しい」という理由は劇中で説明されますが、そうはいっても実妹が敵勢力に取り込まれているんですぜ!?そのわりにラストでは何事もなかったようにひょっこり登場するし、前作でニュートとの関係がこじれたはずなのに簡単にヨリを戻すし。脚本の都合なのかキャスティングの都合なのか、いずれにしても大人の事情を感じてしまいました。

■いろいろと扱いが軽い
これまでのシリーズ、および本作の中でとても重要そうに張られた伏線が雑に回収されたり済んだことにされるのが多すぎる。ざっと以下のような感じ。
・前作で劇的な最期を遂げたのに今回は婚約者からさえあまり言及されないリタ・レストレンジ
・前作であんなに重要そうに登場したのに今回は一切出番がなかったナギニ
・前作で「闇堕ち」という重大な転換点があったのに本作のラストであっさり出戻ってくるクイニー
・ダンブルドア側とグリンデルバルド側の二重スパイをやるカーマ、すごく難しい任務をやっているはずなのに表面的にしか描写されなくて何を考えてるかよく分からない
・最も酷いのはクリーデンス。1~2 作目では最重要キャラで、今回も物語の核心に触れるはずなのに、任務に失敗してグリンデルバルドに見捨てられそうになる場面ばかりでなんか雑魚扱い
・ダンブルドアとアバーフォース(ダンブルドア弟)はアリアナ(妹)の死を経て険悪な関係になったはずなのに、普通に家で一緒にご飯食べてる

■「『ハリー・ポッター』では明かされなかった最大の謎」とは
ハリーの物語で言及される話の中で、本作で初出だった設定は「アリアナ(ダンブルドアの妹)も『オブスキュラスを生む者』だった」ということくらい?でもそれって最大の謎っていうほどのものだっけ。ダンブルドアとグリンデルバルドが恋仲にあったことも既出のはずだし、プロモーションで謎を煽っている割に「そうだったの!?」という驚きがない

…という感じで、見れば見るほどツッコミどころが増えていって、エンドロール後にたくさんのモヤモヤが残る映画でした。映像的には見栄えのする作品だったけど、脚本はいろいろと中途半端。全五部作という本シリーズを後から見れば納得できる部分もあるのかもしれないけど、最新作としてこれを観ている時点では腑に落ちないことが多い。結局は全てダンブルドアのシナリオ通りに物事が運んでいて、それ以外のキャラは単にダンブルドアの駒に過ぎない…というのを扱いの軽さで表しているのかもしれませんが(笑。

このあたりの納得感の薄さは次作で解決されるのでしょうか。これまでの公開ペースからいくと、完結(残り二作)するのは早くて 5~6 年後?今年が『ハリー・ポッターと賢者の石』の映画公開から二十周年というのでも驚いているくらいなので、早くしてほしいところです。

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