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Dru Hill / InDRUpendence Day

Dru Hill / InDRUpendence Day

Dru Hill の新作が知らない間にリリースされていたので、買ってみました。前作 “Dru World Order” から実に 8 年振りの新作、というか、解散したものとばかり思っていましたが、最近活動再開してたのね・・・。

Dru Hill は学生時代にかなり聴き込んだヴォーカルグループで、デビュー作の “Dru Hill” と 2 作目の “Enter The Dru” あたりは傑作と言って良い完成度でした。力強くも洗練されたコーラスと Sisqo のシャウトの組み合わせが絶妙で、当時は聴き込んだだけでなく何曲かスコアを起こしてみたほど。でも一部メンバー入れ替え等の紆余曲折を経て出した前作は全くと言って良いほど私の印象に残っておらず、R&B シーンからもそのまま退場したような記憶がありました。

久々に登場した本作は、コーラス&シャウトの組み合わせは健在ながらも、トーキングモジュレータを多用したサウンドや、ロック系アレンジの楽曲まであり、「あれ?これ本当に私が好きだった Dru Hill?」という印象で、個人的にはちょっと求めている方向性と違うなあ。まあ Sisqo のソロ作の「やんちゃ」な方向性なんかも鑑みると、むしろこっちが Dru Hill 本来の音楽であり、ブレイク当時の音楽性はむしろポスト Boyz II Men・JODECI としてレーベル側に担ぎ出されたものだったのかも、という気がしてきました。

「自分たちのやりたい音楽」と「自分たちの持ち味」って必ずしも両立しない良い例がこの作品、なのかなという気がします。でも、#10 “Back To The Future” や #12 “Away”、Tears For Fears のカヴァーである #13 “Rule The World” のように彼らの持ち味がキラリと光る楽曲も要所要所に入れ込まれていて、サウンドだけで毛嫌いするんじゃなくて、じっくり聴き込むほどにスルメのように味が出てくるアルバムに仕上がっているとも言えます。
正直言ってヒットする作品ではないと思いますが、絶滅の危機に瀕している実力派男性ヴォーカルグループの生きる道を示すという意味でも、まだまだがんばってもらいたいところ。

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