これまた久々のリリース系。前作からなんと 10 年ぶりの新作となる L.V. の最新作が出ていました。
L.V. との出会いは 10 年前。前作 “How Long” を今はなきヴァージン・メガストアの店頭で見かけ、ジャケットの存在感に圧されて試聴してみたら、ハートをグッと掴まれてそのままお買い上げ。以来、今でもときおり聴き返すほど、私のヘビーローテーションとなっていた名作でした。
L.V. はもともと、アメリカ西海岸のヒップホップにルーツを持つため、今作もサウンド的にはヒップホップに寄り添いながらも本人はガッツリ歌で勝負、というスタイルを取っています。R&B/ソウルは好きだけどヒップホップはちょっと苦手な私でもすんなり受け入れられるこの歌声からは、音楽への向き合い方の真摯さが伝わってくるよう。Gerald Levert 亡き今、歌の巧いソウルフルなおっさん好きな私の心のスキマを埋めてくれる、数少ないシンガーの一人です。
どこか愁いを含んだ深みのある歌声に加えて、スロー系のディープな楽曲が揃っているので、通勤中にポータブルプレイヤーで・・・じゃなく、夜に濃いめのお酒を飲みながら、あるいはナイトドライブしながら(クルマ持ってないけど)聴きたい、大人向けの作品に仕上がっています。10 年前の前作と、手触りが変わっていないのがとても嬉しい。
前作から 10 年経ってもちゃんと地続きな音楽を作ってきてくれたことに感謝しながらも、私も 10 年分の歳をとって、少しは L.V. に近い立ち位置から聴けるようになったのか、当時の憧れが今は共感に変わったような、自分の変化を実感させてくれるアルバムです。末永く聴いていきたい。
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