ブラジルGP予選 ポールポジションはヒュルケンベルグ!! – GPUpdate.net
ブラジルGP決勝 レッドブル1ー2でタイトル争いは最終戦へ – GPUpdate.net
2010 年シーズンも大詰めとなった F1、鈴鹿から 3 戦連続で雨絡みとなったブラジル GP。ウェットからドライに変わっていく路面状況での予選は今年一番面白い内容になりました。初めて走る路面の状況を読み切り、アタックのタイミングも完璧に決めたルーキー、ウィリアムズのニコ・ヒュルケンベルグがレッドブルに 1 秒以上の大差をつけて PP 獲得!それにヴェッテル、ウェバー、ハミルトン、アロンソと続くグリッド。
ここまでイマイチ目立つパフォーマンスを見せられておらず、今季限りで放出か?という噂も流れたヒュルケンベルグですが、ここに来て一気に株を上げました。不確定要素が重なったとはいえ走りで強い印象を与えることが最も重要な F1 で、この結果を残したことは来年に繋がるはず。テスト禁止レギュレーションで若手が経験を積めず、頭角を顕しにくい現状でもあるので、これが彼の F1 キャリアで良い方向に繋がっていくことを祈ります。
一転して決勝レースは退屈な展開。マシンのセットアップが決まらないヒュルケンベルグが序盤のうちにトップ 5 から脱落することは目に見えていましたが、スタート後すぐにヴェッテルとウェバーが 1-2 体制を築いてからは、生中継の時間が遅かったこともあり(日本時間で 0:50~)、睡魔との戦いになってしまったほど退屈なレースでした。まあそれがレッドブルの真骨頂、勝ちパターンではありますが・・・。
ポディウムはヴェッテル-ウェバー-アロンソという、実質チャンピオンシップを争っている 3 人で分け合う形になりました。今回のレースでは優勝がほぼ必須条件だったヴェッテル、少なくともアロンソの前でゴールしたかったウェバー、悪くてもウェバーの直後でゴールしておきたかったアロンソ、それぞれのチャンピオンシップにおける必要条件は満たした形のリザルト。ポイントはアロンソ 246pts、ウェバー 238pts、ヴェッテル 231pts という関係となり、チャンピオン決定は最終戦アブダビに持ち越されましたが、それぞれのチャンピオン獲得条件をざっと並べるとこんな感じ:
- アロンソ: 1、2 位で他車の順位に関わらず戴冠。3、4 位の場合はウェバー 2 位以下で戴冠
- ウェバー: 1 位でアロンソが 3 位以下の場合、2 位でアロンソ 5 位以下の場合に戴冠
- ヴェッテル: 1 位でアロンソ 5 位以下かつウェバー 3 位以下の場合に戴冠
この 3 人が誰もポディウムに乗らない、ということは現在の勢力図を見る限りまずあり得ないと思われるので除外して良いでしょう。こうして見ると、アロンソはアブダビでかなり堅実な戦略でもチャンピオンの可能性が高く、圧倒的に有利な状況にあります。ハミルトンやクビサあたりがこの 3 人に絡んでくるとまた状況は変わりますが、ここ数戦ではレッドブルとフェラーリ(※ただしアロンソのみ)の速さが抜きん出ているので。
あと重要なファクターは「ヴェッテルがウェバーをアシストするかどうか」。アブダビでもブラジルと同様にヴェッテル-ウェバー-アロンソというオーダーになる可能性が高く、ここでヴェッテルがウェバーにポジションを譲ってアロンソを抑える役割に徹すれば、ウェバーがチャンピオンを獲得する可能性はグッと高まります。ただレッドブル自体がチームオーダーを否定する立場を取っていることを考えると、仮にドライバーズタイトルがかかっているとしても最後までそのスタンスは変わらないだろうなあ。
私がヴェッテルだったら「同じマシンに乗るチームメイトにチャンピオンを獲らせる(=自分が負けたことになる)くらいなら、違うチーム/マシンのドライバーに負けた方がマシ」と考えるかもしれません。1999 年のシューマッハーがまさにそうだったように(ハッキネンと最終戦までチャンピオン争いを繰り広げたアーバインをサポートせず、あえてハッキネンを勝たせるような走りをしたように見えた)、仮に自身のチャンピオンの可能性がなくなっても、ウェバーには譲らないだろうと思います(笑。
泣いても笑ってもあと 1 戦、アブダビ GP まではもう 1 週間を切っています。ブラジルからほぼ地球の裏側まで移動する F1 2010 最終戦も、目が離せそうにありません。