安彦 良和 / 機動戦士ガンダム THE ORIGIN (23) めぐりあい宇宙編
2001 年に連載が始まった『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』がついに完結。最終巻を買ってきました。
連載されていた「ガンダムエース」誌のほうは読んでいなかったので(最終話が載った号だけ買いましたが)、前巻からラストまでの内容は把握しておらず。基本的には原作(アニメ)の内容を踏襲していることには変わりないのですが、アニメでは描かれなかった部分の裏付けや演出によってオリジナル以上に厚みが増していて、さらに画の力(安彦氏は漫画の全てを筆で描いている)もあって、ただただ圧倒されるばかり。
THE ORIGIN の魅力は「安彦良和氏自らが再構成して漫画化したファーストガンダム」というだけでなく、シャアとセイラの生い立ちや一年戦争の開戦前後など、アニメでは描かれていなかったエピソードを(半ば後付けながら)描かれていたり、アニメではやや無理があった設定や打ち切りに伴う終盤の唐突な展開に丁寧な補足がつけられていたり、という深み方向の充実度にあったことは間違いないと言えるでしょう。が、この最終巻に来て、ここまでの回に出てきたあの演出は、実はこれのための伏線だったのか!という驚きまで与えられ、読後の感想としては心底打ちのめされたような心境(笑。ファーストガンダムファンでこれを読んでいない人がいたとしたら、人生の半分を損していると言っても過言ではないと思います(ぉ。
私は愛蔵版も収集しているので、より大判で紙質も良く、カラー稿もちゃんとカラー収録されている愛蔵版の最終巻発売までまだしばらく楽しみが残っていますが、アニメ化プロジェクトのほうも気になります。どういう体制で制作・収録されるのか、そして公開形態はどうなるのか?これだけの作品を再映像化するというのは正直不安もありますが、多くのガンダムファンを満足させる映像作品に仕上がることを願ってやみません。
ともあれ、安彦先生、ひとまずは 10 年間本当にお疲れさまでした。ありがとうございました。
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