そういえば、一年前に一話目だけ読んでそのまま忘れていたガンダム漫画が単行本化されていたことに気づき、今さらながら読んでみました。既に電子版が発売されていたので、電子版で読了。
単行本化、というより、単行本一冊で完結。もともとそういうボリュームを前提として原作が用意されていたんでしょうね。
まず大事なことをネタバレしてしまうと、本作にはガンダム UC の登場人物は(ブライト以外)出てきません!これでタイトルに『機動戦士ガンダム UC』を冠するのはちょっと狡いんじゃないの、と思いますが、UC に至るまでのブライトの生き方と後悔の念を回想した作品という意味では、UC の世界観を裏付けることができていると言えるでしょう。歴代のガンダムパイロットと同じ艦に乗っていながら、必ずしも彼らを正しい方向に導けたことばかりではないブライトの、どちらかといえば悔恨のほうが強い想い。
「かつてガンダムに乗った者たちと同じく、君もガンダムに選ばれたのだと思いたい。いつもそれは、結果的に必然だった…良くも悪くも、だがな」
「状況に潰されるな。絶望を退ける勇気を持て。君がガンダムのパイロット――ニュータイプであるなら」
UC episode 5 でバナージ・リンクスにかけたこれらの言葉がどういう気持ちから出てきた言葉か、ということの裏を読めただけでも、この作品を読んだ意味はあったと言えます。
本作の原作は『ガンダム UC』と同じく福井晴敏氏。作品の登場人物が、半ば独白に近い形で作中に描かれなかった想いを語る、というスタイルで言えば、UC に関連して開催された朗読劇『赤の肖像 ~シャア、そしてフロンタルへ~』や『機動戦士ガンダム UC FILM&LIVE 2012 Reader’s Theater “hand in hand”』(いずれも ANIMAX でたまに放送されています。後者は UC ep6 の BD 初回限定版の特典ディスクにも含まれていました)に似たようなやり方をコミックという形態で表現したもの、と言えるでしょう。文字で読むと長ったらしくて苦痛な福井節(笑)も、朗読劇や漫画だとスッと入ってきてしまうから不思議なものです。
Kindle だと明日(27 日)まで半額セールをやっているので、読むなら今のうちに(^^;;。
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