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ガンダム G のレコンギスタ イベント上映 @TOHO シネマズ 六本木ヒルズ

富野由悠季監督が自ら手がける最新のガンダム作品、ということで、テレビ放映前のイベント上映に足を運んできました。

ガンダム G のレコンギスタ

とはいえ、事前のインタビュー等で「ガンダム世代ではなく、その子ども世代に向けて作った」という話が出ていたので、期待半分、不安半分、という感じでした。でも、非宇宙世紀な富野ガンダムとしては『∀』が好きだったので、楽しみにはしていました。

のっけから「モビルスーツ」「ミノフスキー粒子」という耳慣れた単語が飛び交い、軌道エレベーターやフォトンエネルギー、ガンダムの換装式バックパックといった「どこかで見覚えのある」設定も相まって、確かにこれはガンダム作品なんだな、という取っつきやすさを感じるいっぽうで、「教皇」「キャピタル・ガード」「クンタラ」という新設定が特に説明もなく次々と現れて、なんだか「パルスのファルシのルシがパージでコクーン」とか、「私たちはヴィレ。ネルフ殲滅を目的とする組織です」と言われているようなついて行けなさを同時に感じたりもします(ぉ。

でも、台詞の至る所に顕れる「トミノ節」が耳に入ってくるたびに、「ああ、富野ガンダムなんだなあ。俺は今、ガンダムを観ているんだ」という感慨に襲われるのも事実です。この、意図的なのか無意識なのか分からないけど言葉足らずな台詞回しを聞いていると、『ガンダム UC』がいかに福井晴敏的な説明過多さだったか(それが悪いとは言わないけど)を改めて感じます。


子ども向け、と言うだけあって、宇宙世紀もののガンダムと比べると、テイストは全体的に軽め。芝居もそうだし、モビルスーツの描写なんかもそうだけど、毎週放送のテレビシリーズで UC みたいな話をされても、作る方も観る方も重すぎるので(笑)、これくらいでいいのかも。
まだ全体像が見えていないので評価しづらい部分はありますが、ありかなしかで言えば、個人的にはこれは「あり」。民間人の少年が偶然出会ったモビルスーツに乗り込んで戦う話ではないし、たくさんの人が死ぬ展開にはならないように感じるので、たぶん従来のガンダム作品とは違うゴールを目指した作品なんだろうな、と思います。メッセージ性よりは純粋なエンタテインメント作品を志向した、富野版ラピュタ、とでも言えば良いのか。MS のデザインも、私はけっこう好き。

ガンダム世代のスタッフが『UC』を製作し、安彦良和氏が『THE ORIGIN』アニメ版の総監督を務める傍らで、富野監督本人が作るのがこの『G-レコ』というのが、なんというかそれぞれの人にとってのガンダムの位置づけを象徴しているように思います。私にど真ん中ストライクなのは前者二つだけど、この『G-レコ』がどんな結末に向かっていくのか、それはそれで見守っていきたいですね。

ガンダム G のレコンギスタ (1) [Blu-ray]

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