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松島湾クルージング

仙台旅行のメインは、松島観光でした。7 年前ぶりの松島でしたが、目的は二つ。一つは 4 年前の東日本大震災で松島がどうなったかをこの目で見て、観光することで少しでも経済貢献すること、そしてもう一つは前回行ったときに時間がなくてできなかったことをやること。前回できなかったことの一つは、松島遊覧船を使った松島湾クルージングです。

松島遊覧船|松島観光・島巡りなら松島島巡り観光船

[ Canon EOS 5D Mark III | Canon EF24-70mm F4L IS USM ]

1 時間に 1~2 本のペースで出ている遊覧船。ちょっと豪華なフェリー、という感じで、50 分をかけて松島湾をぐるっと一周する旅をさせてくれます。遊覧船はもう一系統、松島~塩竈を結ぶルートも出ていて、当初はそっちにするつもりでいたんですが、案内所のおじさんに訊いてみたところ「塩竈行き周遊ルートと時間も値段も同じだけど、せっかく面白い裏松島を通らないからもったいないですよ」とのことで、周遊ルートに急遽変更。

遊覧船に乗るだけでも乗船券が必要なところ、さらに追加料金を払うことで、見晴らしが良くてデッキにも出られるグリーン席に移れます。ここまで来たならグリーン席一択でしょう!

船内には、震災当時の状況を伝える貼り紙がありました。松島には自衛隊の基地もあるため、震災当時はテレビの中継が入ることが多々ありましたが、現地で働いていた人の言葉で改めて語られると、当時のことが生々しく甦ってきます。被災地としては比較的被害は少なかったとはいえ(自衛隊が松島を基地に選んだのも、自然環境的に津波等の被害を受けにくいことがあったのかもしれません)、県内の鉄道には未だ復旧していない区間もある中、震災発生から一ヶ月半で遊覧船の運行を再開させたというのは、並々ならぬ執念を感じます。


[ Canon EOS 5D Mark III | Canon EF24-70mm F4L IS USM ]

そんなわけで、出航。松島湾を巡る船旅の始まりです。

[ Canon EOS 5D Mark III | Canon EF70-200mm F4L USM ]

航行中はほぼずっとウミネコが遊覧船についてきていました。人を怖がるどころか「遊覧船についていけば何か食べ物がもらえる」というのが解って近寄ってきている感じで、手を伸ばせば触れそうな距離感。とはいえ現在は松島全域で海鳥に餌をやることは禁止されているようで(糞害で松の生育に悪影響が出ているとか)、船内でもえびせんの販売が中止されているほどでした。

[ Canon EOS 5D Mark III | Canon EF70-200mm F4L USM ]

松島湾には 200 を超える島々が存在するそうです。その多くが、波に削られた地層が見える荒々しい姿に、島の上にはその名のとおり松。これは誰かが島々にわざわざ植えた、ということなのでしょうか。初めて見たはずなのに日本らしさを感じるこの情景は、日本人の心の原風景なのかもしれません。

[ Canon EOS 5D Mark III | Canon EF24-70mm F4L IS USM ]

大きめの島には天然の地形を利用した港湾があって、住居や学校などの生活感も漂っています。単なる観光地じゃなくて、人が生きている場所なんだなあ。

海にはあちこちに牡蠣の養殖や漁のための設備があって、この土地の風土が感じられます。

[ Canon EOS 5D Mark III | Canon EF70-200mm F4L USM ]

こちらは松島を代表する島である「仁王島」。松島の守り神である仁王が葉巻を咥えて座っている姿に似ているため、その名がついたとのことです。確かに、特徴的な島々が多い松島湾の中でも、異彩を放っていました。

航行中、ほぼ休む暇がないほどに「右手をご覧ください」「左手を…」との船内アナウンスがひっきりなしに続いていて、私はカメラを持ったままひたすら船の両舷を行き来していました。これはお金を払って乗船した価値があったなあ。

[ Canon EOS 5D Mark III | Canon EF70-200mm F4L USM ]

こちらは「鐘(つりがね)島」。釣鐘のような形をした 4 つの洞門に打ち寄せる波音がまさに釣鐘のように聞こえたことからその名がついたそうです。

このあたりの島は無事健在でしたが、数多くある島の中には震災によって崩れたり、形が変わってしまった島もいくつかあるようです。地震と津波の被害が最も大きかった地域の一つだけに、その爪痕も大きく残っています。

[ Canon EOS 5D Mark III | Canon EF70-200mm F4L USM ]

松島湾クルージング、堪能しました。前回乗れなかっただけに感激もひとしお、さらに震災の様子もこの船に乗ったことで、より深く理解できたと思います。これはお金を払う価値がありました。東京湾にも遊覧船はいくつもあるけど、満足度という意味では松島のほうがずっと高いと思います。

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