機動戦士ガンダム THE ORIGIN II 哀しみのアルテイシア [Blu-ray]
プレミア上映会から一月あまり、『ガンダム THE ORIGIN II』の Blu-ray が発売されました。まあネット配信はとっくに始まっているので新規性も薄れつつありますが、このシリーズはしっかりディスクで手に入れておきたいところ。
本作のキモは、なんといっても「サイド 3 から地球に逃げ延びたキャスバルが、改めてザビ家に復讐を誓うまで」の物語。若い声作りに無理してる感はあるけれど(笑)、やっぱりこの役はその後のシャアを演じた池田秀一氏だからこそ演れる芝居なんだなあ、というのを繰り返し観るほどに実感しますね。
個人的な見所は、前作に続いてランバ・ラルとハモン。前作ではランバは若き熱血漢として物語を動かす役どころを演じ、ハモンは主役すら食う勢いの活躍を見せましたが、今回は二人とも歳を取り、「大人」としての渋い振る舞いが印象に残ります。今回のランバはドズル・ザビと対峙するシーンでの、短いやりとりの中での男同士の意思疎通や、モビルスーツの原型となるモビルワーカーを初めて見たときに思わず武人としての本能が刺激される様子など、セリフ外の演技がすごくイイ。ハモンも、男勝りだった前作とは打って変わって、ランバに注ぐ母性的な仕草だったり、「泣き」のシーンだったり、そういう人間性の深さが感じられるシーンがとても良い。安彦ガンダムは全体的にキャラクターの人間らしさが前面に出ていますが、この二人はアニメーションと声の芝居によってさらに魅力を増していると思います。
来たるべき『III』は約半年後、来春の公開。サブタイトルは『暁の蜂起』であることが公表されています。内容的にはコミック 10 巻の終盤から 11 巻にかけて、「シャア・アズナブル」となったキャスバルがジオンの士官学校に入学し、それを契機とするように連邦とジオンの対立関係が決定的なものになっていくまでが描かれるはず。もちろん、シャアの士官学校の同期にあたる「あの人」も登場します。ここまでの物語はドラマ中心でしたが、いよいよ戦闘シーンの割合も高まっていくはずですし、さらに期待が高まりますね。
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