以前から気になっていた、五反田の老舗レストランに行ってきました。
JR 五反田駅ロータリーの真向かい、歓楽街の入口の脇のところにあるお店。このあたりは確実に昭和からあるだろう店と、最近オープンしたと思われる真新しくてお洒落なお店が共存する、不思議なエリア。
「グリルエフ」もいつの時代から営業しているのか分からないくらいに年季が入った建物で、外観には蔦が這っています。今まではちょっと入る勇気が出ませんでしたが、今回は意を決して突入。
店内は、想像通りの「年季の入った洋食屋さん」。あちこち古びてはいますが、50 年前は高級レストランだったんだろうなということを思わせる風格が漂っています。
私が通されたのはカウンター。ガラス越しに、厨房の様子が見渡せて、これはこれで逆に嬉しい席かも。
メニューもまた、昭和がそのまま甦ってきたかのような、達筆な手書きのコピー。どのメニューもいいお値段しますね。
そして「牡蠣はじめました」って冷やし中華かよ!(笑
頼んだのはハヤシライス。実はこれ、メニューに載っていないんです。裏メニューだけど、この店の他のどの料理よりも有名という(笑。
ランチタイムには、お客さんの半分以上がハヤシライスを頼んでいるようでした。しかも、こんなに入りづらそうな店構えにも関わらず、ほぼ満席。昔から多くの人に愛されてきたお店なんでしょう。
一般的にハヤシライスというと、トロッとしたデミグラスソースの中に牛肉とタマネギ…を想像すると思いますが、ここのハヤシライスはほとんどソースがなく、大半がタマネギ。だけど、このデミグラスソース自体も創業当時から継ぎ足して使われ続けている、秘伝の味なんだとか。
平皿に、けっこう大盛りに盛られたライスにかけて食べると、今まで食べたことのあるどんなハヤシライスとも違う味。真っ黒なデミグラスソースは、年期を感じる少しのほろ苦さがありながらも、どこか優しい味。で、タマネギはくたくたに炒められた…のかと思ったら、予想に反してシャキシャキした食感がしっかり残され、食べ応えがあります。そこに郷愁を誘うグリンピース。
ああ、これはおいしい。初めて食べたのに、子どもの頃に食べたような記憶があるというか…なんというか、胸がいっぱいになる味だ。
こういうの、たまーに思い出したように食べたくなるんだよなあ。またいずれ来よう。
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