観てきました。
「無限列車編」が劇場公開されたのはまだ COVID-19 の真っ最中でした。当時小学生だった次女が今は高校生と考えると時の流れを感じます。途中「遊郭編」「刀鍛冶の里編」「柱稽古編」という三つのテレビシリーズを挟み、待ちに待った最終章。テレビシリーズももはやほぼ劇場版クオリティーと言って差し支えない作り込みでしたが、本作はそれらを軽く上回る圧倒的な映像美。画面の大きさと画音質こそ正義と思って IMAX シアターで鑑賞して大正解でした。
既に封切りから一週間あまりが経過しているのでここからは多少ネタバレありでいきます。ちなみに私は原作未読ですが、完結済みの原作の展開はなんとなく伝え聞いてはいます。
三部作の一話目である本作は、鬼舞辻󠄀無惨の手下たる上弦の鬼のうち新・陸(獪岳)、参(猗窩座)、弐(童磨)との戦いが描かれます。サブタイトルからして「無限列車編」からの因縁のある猗窩座との決着までをカバーすることは予想していましたが、冒頭がいきなり上弦の弐・童磨と胡蝶しのぶの戦いとは思いませんでした。普段はおっとりしている胡蝶しのぶ(CV: 早見沙織)がこのときばかりは覚悟の決まった声を発する場面には痺れましたね。声の芝居でいえばこのセクションが本作の白眉でした。
新上弦の陸・獪岳は善逸の元兄弟子。ここまでのシリーズでギャグ担当だった善逸が今回は全編シリアス、雷の呼吸の演出も相まって超カッコイイ。だからこそ思いのほかあっさりと決着してしまったのには拍子抜けしました。もう少し見ていたかった、けど今回で消化しないといけない他のイベントも考慮するとこれは致し方ないか。
で、今回の本題である上弦の参・猗窩座。
本作はオープニングからずっとクライマックスという感じで童磨戦・獪岳戦ともに没入感の強い作り。だからそっちに集中してしまって猗窩座のことはすっかり忘れていたところに猗窩座が登場し、そういえばサブタイトル「猗窩座再来」だったわー!となりました(汗。しかも猗窩座戦はそこまでの二つのバトルよりもさらにスピードも迫力も増して、これ以上画面の熱量が上がるのか!と驚き。しかも猗窩座に対する鬼殺隊メンバーは炭治郎と義勇ですからね。「無限列車編」での煉獄 vs 猗窩座を軽く上回るバトルシーンは熱い。
決着時の定番である「鬼の回想シーン」は予想以上にじっくり丁寧に描かれました。個人的に、肉弾戦タイプである猗窩座の声が石田彰というのがあまりしっくりきていなかったのですが、回想シーンを見て納得。ここからの逆算なら確かに石田彰しかないのかも。
トータルで 2 時間半を超える大作でした。これくらい長い映画となると例えば『ハリー・ポッター』や『ロード・オブ・ザ・リング』クラスであっても途中には多少ダレてしまうシーンがあるものですが、本作はそういうのが全然なかったですね。最初から最後まで高いテンションを保ったまま、見ているこちらの身体がウズウズしてくるような熱量を感じました。
特に鬼滅の大ファンというわけでもない私でも人に勧めたくなる作品でした。時間を作ってもう一回観に行ってもいいくらい。



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