シグマが製品登録ユーザーに無料送付している季刊誌「SEIN」の最新号が届きました。
広報誌「SEIN(ザイン)」特別号「SEIN Special Issue」発刊および「SEIN Annual」と「SEIN Online」のご案内 | コンテンツ | SIGMA|株式会社シグマ
入っていたのは、いきなり季刊誌としての「SEIN」の終了と、今後は Web マガジン化+年刊誌「SEIN Annual」という構成に変更されることのお知らせでした。
個人的には、こういう企業によるロイヤルカスタマー向け施策って経営状況の変化だったり思い入れをもって維持してきた担当者の異動や退職などのきっかけで割と簡単に終了しがちなものだし、シグマといえど何回続くかなあ…とは思っていましたが、振り返ってみればもう三年以上も継続してきていたんですね。公式発表によると Web 中心への移行は海外からの要望が増え物理媒体での配布が難しくなったため、とあります。おそらくそれは事実なんでしょうが、毎度あの分厚い紙にこだわった内容と印刷で発行し続けるコストも無視できないものがあったのだろうと想像します。他のカメラメーカーは、力を入れた新商品ではカタログの装丁にもこだわることは珍しくありませんが、「釣った魚」にここまで餌をやるメーカーはまずないので、むしろよく今まで紙媒体で続けてきたよなあ、と感心さえします。
従来の形態での「SEIN」は今号でいったん終了ということで、最終号のサブタイトルは「Life with Photography(写真のある人生)」。ありがちな題名ではありますが、従来の SEIN では必ず何か自社製品に関する訴求が含まれていたのに対して、この Special Issue では製品訴求は一切なく、ひたすら写真集と写真の話だけ。シグマが写真文化に貢献する目的で 800 冊を数える写真集を収集し、今後公開していくことを軸に構成されています。
今回の Special Issue には厚紙製のスリーブケースが付属してきました。一年ちょっと前の SEIN 発刊二周年の際にも 8 冊が収納できるスリーブケースがついてきたので、今回で都合 13 冊が二つのケースに収まることになります。一体何人が捨てずに取っているか分からない冊子の全数にこのケースをつけて送るとか、「まさか捨てたりしてないよな?」と山木社長から信仰心を試されているような気分になってきます(;´Д`)ヾ。
一昔前のシグマといえば「あまり高級感はないけどコストパフォーマンスがいい互換レンズメーカー」というイメージでした。それが山木和人社長が就任し、SIGMA GLOBAL VISION の発表~SEIN の刊行という流れを経て「強いこだわりを持ちながらも、ユーザーとの距離が近いカメラ/レンズメーカー」という立ち位置に変わったように感じています。他のレンズ専業メーカーも後追いで同じようなポジショニングを取ろうとしてきていることからも、現在のシグマの経営方針(本来は「生き残り策」だったのかもしれない)がおそらくうまくいっていることを思わせます。
私は自分自身で Foveon 搭載カメラを所有していないので、シグマユーザーとしてはまだまだ浅い方だと思いますが(笑)、メーカーとしての思想や姿勢、それと中小メーカーとして独自性を打ち出しているブランディングと商品戦略には強く共感するところがあります。カメラを取り巻く市場環境はまだまだ変化の途上にありますが、うまく生き残っていってほしいなあ。
また SEIN Special Issue の巻末には「都内ショールームを準備中」のニュースが!シグマとしては初めての公式ショールーム、これは楽しみです。立地は都内とのことですが、シグマ本社も神奈川県川崎市といいつつかなり奥のほうだし、八王子や町田に作って「都内」と言い張っても驚かない(ぉ。まあカメラメーカーのショールームはほとんどが銀座・新宿・六本木に集まっているのでその界隈ではないかと思っていますが。
今までは新製品イベントといっても川崎の本社での開催でちょっと行けなかったのですが、今後は行けるようになるかなあ。SEIN の Web マガジン化と合わせて、期待しています。
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