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F1 カナダ GP 2018

F1:カナダGP決勝:ベッテルが完璧なレースで通算50勝。ガスリーは11位 |motorsport.com日本版

このレースをもって今季ももう 1/3 を消化するカナダ GP。デビュー以来ハミルトンが大得意とするサーキットで、かつ高速セクターが長くメルセデスにとっても有利なはずのグランプリでした。が、蓋を開けてみるとヴェッテルの完勝。PP からメルセデスに影を踏ませることのない完璧なレース運びでした。
勝敗を分けたのはパワーユニットとセットアップでしょう。今回のレースではメルセデス以外の PU メーカーが揃って PU のアップデートを持ち込んできたのに対して、メルセデス陣営だけ信頼性の懸念のためアップデートを 1 戦見送り。結果、最新スペックのフレッシュエンジン vs. 6 レース使った旧型エンジンの戦いになったわけで、今季のメルセデスとフェラーリの拮抗ぶりを考えれば決定的な差になったのは理解できます。複数回のセーフティカー導入が当たり前なカナダの割には今年はオープニングラップでの一回のみだったのも、波乱のない(ある意味退屈な)レースに拍車をかけていました。

一方で、レースごとに勢力図が変わる中団チームの争いは今回も激しかった。中でもトロロッソ・ホンダですよ。

F1カナダGP|トロロッソのガスリー、ホンダPUの進歩を確信「ハースやフォースインディアを抜くことができた」|motorsport.com日本版

予選ではガスリー車の新 PU にトラブルが出たため旧スペックに戻してアタックした結果、Q1 敗退。しかし僚友ハートレーが Q1 で 8 番手タイムを記録する好アタックを見せ、Q2 でも 12 番手につけます。これはハートレーの走りも良かったけど、PU の性能アップによるところも大きいでしょう。
決勝ではそのハートレーが 1 周目にバランスを崩したストロールにぶつけられ大クラッシュ。せっかくの 12 番グリッドを台無しにしてしまいます。今季のハートレーは経験不足に加えて不運もあり結果に結びつけられていない印象が強いですが、少なくともモントリオールでの 1 周目に(経験の浅い)ストロールに無理に仕掛けるべきではなかったよなあ、と。あのまま走っていれば入賞も現実的だったし更迭の噂を跳ね返すことにも繋がったでしょうが…。
一方で決勝に向け PU を最新スペックに再交換したガスリー。今季 3 基目の PU 投入でグリッドダウンペナルティを受け 19 番手スタートにはなったものの、見事にコース上でハースやフォースインディアをオーバーテイクして最終的には 11 位でチェッカーを受けました。惜しくもポイントには届かなかったものの、今まで高速サーキットでは勝負になっていなかったマシンを何台も抜いたことはガスリーにとってもチームにとっても自信に繋がったことでしょう。そんな中、戦闘力で劣るマシンを駆りながら最後までガスリーを寄せ付けなかったザウバーのルクレールの走りにも驚嘆しましたが。

次戦は 10 年ぶりの復活となるポールリカールでのフランス GP。以降ドイツ GP まで 4 戦は高速サーキットでのレースが続くだけに、今回のホンダのアップデートに伴う成績向上に期待が持てます。これでもっとハートレーの走りが安定して、ダブル入賞といってほしいところです。

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