この店、ずっと前から気になっていたんですよ。
荏原中延の駅からすぐのところにあるラーメン屋。昼間しか営業しておらず、しかも営業時間中は常に大行列。私は有名店だからって並んでまでラーメン食べたいほうではないんですが、この店はこってりガッツリ系ラーメンではなく「中華そば」の看板を掲げた昔ながらの店っぽいところが気になって、一度食べてみたいと思っていました。
たまたま休みを取っていた平日の昼間に近くに来る機会があったので、開店時刻を狙って来てみたところ、既に行列。とはいえ一巡目にギリギリ入れないくらいの順番だったからそのまま並んでみました。
注文は食券制。オーソドックスな中華そば店だと甘く見ていたら、「粟国の塩」「酸辛担麺」「ごまの辛いそば」など変わり種もいろいろあって揺さぶられます。こういう、後ろに人が並んでるのに券売機に大量のメニューが並んでいる状況って苦手(;´Д`)。ともあれ、こういう見せに初めて来たら王道中の王道と相場は決まっている。迷うことはない、ど真ん中ストレートでいこうじゃないか。
お店に着いてから並ぶこと二十分。店内にはずっと山下達郎の楽曲が流れていて、独特の空気が漂っています。
中華そばは一杯ずつ丁寧に作っているらしく、着席してからもしばらく待ちます。さらに十分ほど待ったところで、私が頼んだ中華そばが出てきました。
お店の看板メニューでもある特製中華そば(A)の大盛りを頼んでみました。(A)というのはトッピングの種類のことで、他にも(B)と(C)があるっぽい。
チャーシューは「中華そば」に載ってくるのに相応しいもので、ちょっと噛み応えのある脂身少なめの肩ロース。角煮とか油っこい肉じゃなくて、こういうのでいいんですよ。そこに海苔が二枚ついてくるのも嬉しい。こういうとき、私は一枚はパリパリのまま、もう一枚はスープに浸して楽しむことにしています。
煮玉子は少し茶色みがかっているけど味付けは薄め。単体で食べるよりもスープと合わせつつ、黄身の絶妙な半熟具合を堪能するのが良いでしょう。
透き通ったスープは豚骨、鶏ガラ、鰹節、煮干しなどを合わせたもののようですが、最初にほんのり魚介の香りを感じる素朴な、懐かしい味わい。そうそう、最近はこういうあっさりしつつもコクのあるスープの中華そばが好きなんですよ。
中太ストレートな麺は自家製。モチモチしてコシがあって、すごくおいしい。チャーシューやスープもおいしいと思ったけど、この中華そばはそれ以上に麺がうまいんだ。麺そのものの味をスープが増幅して、食べても食べても飽きの来ない味。一口めのインパクトではなく後を引く余韻の強い味で、なんかこのまま夜も明日もこれを食べたく思える。
ああ、おいしかった。これは毎日大行列ができる理由も分かる気がします。
食べ終わって店を出てみると、当然のように外まで大行列。早い時間に来て正解でした。
行列との戦いだからそうそう食べに来る機会もなさそうだけど、ここはまた食べたい味。また平日に休みが取れたら、食べに来ようと思います。
コメント