先日のシンガポール出張はスケジュールがみっちり詰まっていて観光も食事もシンガポールらしさを味わう余裕がほとんどなかったのですが、最終日にほんの三時間ほど空きができたので一番やりたかったことだけやって帰ろう!と思ってここに行ってきました。
ちなみに今回の写真は全て RX100 III にて撮影。出張なのでさすがにレンズ交換式カメラは持って行きませんでした。
F1 シンガポールグランプリのサーキットです。
シンガポールでのレースは常設サーキットではなく市街地コースで行われますが、メインストレートとピット施設だけは専用設備として常設されています。
調べてみたところグランプリ期間外はこのメインストレート含め自由に入って良いらしいのですが、今回は何かのイベントの設営をやっていて中には入れず。一カ所だけ入れそうなところがあったものの、係員の人に NG と言われてしまいました。残念。
サーキット内には入れないので海沿いの遊歩道的なところから覗き込むのが精一杯ですが、グランドスタンドの隙間からピットが見えるとちょっと興奮します。
ビルには全くグランプリ期間ではないにも関わらず F1 の新ロゴや「FORMULA 1 NIGHT RACING」の看板が掲げられていて、この施設が事実上 F1 専用であることが窺えます。
立入禁止区間の終わり。ターン 3 からターン 2 方向に向かって撮ったカットです。去年も 20 台の F1 マシンが乗り越えていったであろう縁石が見えます。
ターン 3 を抜けた後はもう一般道。歩道が沿っていてここは普通に歩くことができます。
中央分離帯代わりに縁石が敷かれていますが、これがグランプリ期間中は取り払われて道幅が広がり、代わりに道沿いにウォールが設置されるということでしょう。
この公道コース付近は立体交差がたくさんあって、レーシングスピードでここを走ると迫力がありそうだな…と感じます。
ターン 5。丁字路になっている右側の道を抜けてバックストレートへと突入していきます。
ちなみにここ、海沿いなだけあってダックツアー(水陸両用バスで巡るバスツアー)の車両が頻繁に走っています。乗客がみんなすごく楽しそうで羨ましい。私も今度来る機会があったら一度乗ってみようと思いました。
リッツ・カールトンやパンパシフィックといった高級リゾートホテルを脇目にバックストレートを抜けていきます。
なおこの通りは F1 の進行方向とは逆向きの一方通行らしく、仮にレンタカーで仮想シンガポール GP を走ってみたくてもそれはできません(笑。
いくつもの立体交差をくぐり抜けたこのあたりで高速セクションのセクター 1 が終了し、直角コーナーが連なるセクター 2 へと入っていきます。
特徴的なデザインの JW マリオットホテルがある交差点がターン 7、ここを左折していきます。
ちなみにここをこのまま直進していくと、カクテル「シンガポール・スリング」発祥の店として有名になったラッフルズホテルが右手に見えてきます。
ターン 7 を曲がってすぐ次の交差点がターン 8。かなり大きな交差点で(これだけの市街地で片側四車線というのは東京ではちょっと考えにくい)、歩行者はこの交差点を歩いて渡ることはできません。
というわけで、併設されている地下道を通って交差点の反対側へと出ることになります。
交差点の次がすぐにターン 9。ここにある高層ビルはスイソテル・ザ・スタンフォードホテルです。
こうして歩いてみると、この公道コースはシンガポール沿岸の名所をなぞるようなレイアウトになっていて、観光産業への効果をよく考慮されていることが分かります。
ターン 9 の後は少し距離のあるストレート。左手が運動公園になっていて見通しが良く、対岸の高層ビル群が見えてきます。この風景はなかなか面白く、F1 ドライバーたちもきっと楽しいに違いない。
ナショナル・ギャラリー・シンガポールの豪華な建物の前がターン 10。
ここを過ぎると、ビジュアル的な意味でのシンガポール GP のハイライトと言える領域に入っていきます。
シンガポール GP では F1 マシンは二つの橋を渡るのですが、一つめがこのアンダーソン・ブリッジ。百年以上前に作られた歴史ある橋ですが、古いだけあって道幅が狭い!ここを F1 が走り抜けていくというのだから実際に目にするとちょっと驚きます。
二つめの橋はより大きなエスプラナード・ブリッジ。ここはあの有名なマリーナベイ・サンズホテルや観覧車などを一望できる、シンガポール随一の景勝です。
そしてこの橋のふもとにあるのが、
シンガポールの代名詞でもあるマーライオン。さすが有名な観光地だけあってかなりの混雑でした。
一方で「世界三大がっかり」と言われる観光スポットなのであまり期待しないで見に行ったら、案外悪くないじゃないですか(笑。そういえば『よりもい』のシンガポール回でも「思ったよりがっかりしない」と言われていましたが、その後調べてみたところこのマーライオンは 2002 年に現在の場所に移設され、ポンプも改修されて水が常時出るようになったため、以前に比べればがっかりしなくなったのだとか。
というわけでマーライオンの後はエスプラナード・ブリッジを進んでいきます。
この橋の途中でセクター 2 から 3 に切り替わり、ラップは終盤へと突入します。
橋を下りきったところで再び大きな交差点。先ほどのターン 8 と同じ交差点に反対側から侵入していくのがこのターン 14 です。
高速コーナーであるターン 15 の後は 90° コーナーを細かく繋いだいかにもストリートサーキットらしい区間に入ります。
が、
この区間も立入禁止(;´Д`)。
どうもここで設営しているイベントというのは二月の春節(中華圏の旧正月)に向けたもののようですね。
なおこの先の区間が 2008 年にルノーのネルソン・ピケ Jr. がクラッシュを起こした、いわゆる「クラッシュゲート事件」の現場だったりします。見たかったなあ…。
気を取り直して来た道を戻り、90° ターン区間をショートカットした先がターン 20。
ここから先は公道区間から再び専用サーキット区間に入っていきます。
というわけで、道沿いには縁石と DHL のスポンサーロゴの痕跡が残っています。
公道区間は意識しなければ F1 が走っている道とは気付かないくらいですが、こういうのを見るとサーキットに来た実感が湧いてきますね。
そしてターン 22~23 の最終コーナーを立ち上がってゴール。
自分の足でスタート/ゴールラインが踏めないのは残念ですが、シンガポール市街地コースを実質的に一周できたので満足です。
なおシンガポール市街地コースは一周約 5km で、私の足なら普通に歩いて 60~70 分というところが、写真を撮りながらかつスーツケースを引きずりながらだったので(汗)まるまる二時間近く歩きました。30℃ 近い気温の中を二時間歩くと汗だく、ヘトヘトになりますね(;´Д`)。
私は今まで鈴鹿や富士ですらサーキットウォークをしたことがないので、初めて F1 用のコースを自分の足で歩けて満足しました。
今度シンガポールに来る機会がいつあるか分かりませんが、年に 1~2 回は出張で来ることがありそうなので、グランプリウィークにかかる時期に出張が入るといいなあ(笑。
コメント
市街地コース回られたんですね。しかもあの赤道直下の高温多湿の中でスーツケースを持って(^_^;)
私も数年前に(F1ではなく観光で)現地を見てきましたが、アンダーソンブリッジとピットビル辺りしか見られずにちょっと悔しい思いをしました。様子が良く分かるエントリで楽しませていただきました!
最初、あまりに暑くてちょっとだけ歩いてみてすぐ帰ろうかとも思ったんですが、やっぱり一周してみて良かったです。
本当はセクター 3 に入るあたりで熱中症になるかと思って、エプスラナード・ブリッジのベンチで数分休んでました(^^;; スーツケースのタイヤにはフラットスポット作っちゃうし、こんなもの引きずってコース回るモノじゃないですね(汗。