職場で使っているヘッドホン MDR-7506 のイヤーパッドが片方加水分解でボロボロになってしまいました。
MDR-7506 は素直な出音が気に入って十数年愛用しているんですが、ここ三年ほど仕事で音を扱う機会が減って稼動率が下がっていました。でも新しい仕事に就いたら PC ベースの電話会議が増え、久しぶりにヘッドホンを使おうと思って出してきたらこれ。加水分解の結果豪快に裂けて中のクッションが露出してしまっています。まあ前回純正品に交換してからもう八年半経ってるし、通常四、五年ももてばいいほうだということを考えればやむを得ません。
この際もう一度純正パーツに交換しても良かったんですが、せっかくだから互換品を試してそっちのほうが長寿命ならば今後そうしようと思い、他社製品を買ってみました。
本来はオーテクのスタジオ用ヘッドホン ATH-SX1a の保守パーツという位置づけで販売されているものです。製品ポジション自体がソニーの MDR-CD900ST(およびその海外向けマイナーチェンジ版である MDR-7506)と近いせいか、イヤーパッドのサイズや装着方法もかなり似ている、という。CD900ST/7506 に HP-SX1a が装着できるというのはヘッドホン界隈ではけっこう有名な話のようです。
ヘッドホンへの装着は、このイヤーパッド裏の皮のエッジ部分をヘッドホンのハウジングの隙間部分に挟み込んでやる方式で、MDR-7506 純正イヤーパッドと全く同じ。
左の純正イヤーパッド(片方は劣化がまださほど酷くなかった)と比較すると、サイズや形状はほぼ同じ。7506 のイヤーパッドは表面の材質がシワのある柔らかな合皮で、フカフカとした装着感が心地良いのに対して、HP-SX1a のほうはいかにもヘッドホンらしい張りのある合皮。感触はずいぶん異なります。
MDR-7506 に装着してみました。
おおお、これは違和感ない…もはや純正品か、最初からこの状態で売られていたかのように馴染んでいます。
合皮の触感とクッションの張り感が変わったことで、装着感は MDR-7506 というよりは MDR-1A シリーズのそれに近づいた感じ。純正品のフカフカも気持ちよかったですが、これはこれでいかにもヘッドホンらしい安心感があります。また遮音性も微妙に上がっている印象。
サランネットは純正品に比べるとちょっと薄めで、中のドライバユニットが透けて見えています。が、全体的な音質は純正イヤーパッドと大きくは変わらないように感じました。
見た目的には MDR-7506 がグレードアップしたような雰囲気で、けっこう気に入りました。
コイツはどれくらい長持ちするか分かりませんが、少なくとも純正品よりは加水分解に強そう。まあ五年くらい持ってくれば十分ではあります。
長年付き添ってきてくれた相棒のようなヘッドホンなので、今後も本体側が駄目になるまで使い続けようと思います。
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