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ファースト・マン [IMAX] @109 シネマズ川崎

宇宙もの映画が好きな私としてはこれは観ておきたかった。

ファースト・マン

「ファースト・マン」…人類で初めて月まで行った男、つまりニール・アームストロングの物語です。『ラ・ラ・ランド』のデイミアン・チャゼル監督とライアン・ゴズリング主演で史実宇宙もの?というのにちょっと違和感を持ちましたが、それでもアームストロングの伝記の映画化となれば観たいじゃないですか。

物語はアポロ 11 号が月面に着陸する十年ほど前から始まります。冒頭はアームストロングのテストパイロット時代、超高高度へのテスト飛行の映像から始まります。この映像がまた美しく、ああここから始まる壮大な宇宙開発史とそのロマンが堪能できるのか…と思ったら、その後当分にわたってアームストロングの飛行シーンは出てきません(´д`)。その後はむしろ、難病で幼くして亡くなった愛娘に関するエピソードや打ち上げの失敗・テスト中の事故などで同僚が次々と亡くなっていく話が続き、何とも重い雰囲気に包まれます。そんなこともあってかずっとどこか孤独で、寡黙な空気を纏い続けた人。他の二人の息子に対しても、決して育児放棄しているわけではないけれどあまり多くを語らず、挙げ句の果てにアポロ 11 号の打ち上げ前夜に「これでもう会えなくなる可能性もあるっていうのに、子どもたちに何か言ったらどうなの!」とブチギレられる始末。


ニール・アームストロングというと英雄視されすぎていて、その功績からくるイメージに対してはライアン・ゴズリングってなんか違うような…という先入観を持っていましたが、こういう暗めであまり救われないエピソードをたたみ掛けられると「あー、だからライアン・ゴズリングなのか…」と妙に納得(´д`)。『ラ・ラ・ランド』でも『ブレードランナー 2049』でもライアン・ゴズリングは目的を果たすけどなんか報われない、そういう役どころでした。しかしまあ、「アームストロングの映画」に対して多くの人が抱く期待とはずいぶん違う内容で、劇場のシートに座りながらずっとモヤモヤしてしまったのも事実です。同じ宇宙開発ものなら、メインキャラが誰も自分では宇宙に行かない『ドリーム』のほうがよほどロマンがあったし、『アポロ 13』のほうが分かりやすいドラマがあった。

ただ、そういうモヤモヤがあったからこそクライマックスのアポロ 11 号の打ち上げ~月面到達シーンは感動しましたね。アームストロングがついに月面に降り立ち、あの有名な「これは一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては偉大な飛躍である」の言葉を無線で伝えた瞬間には、思わず涙がこぼれました。

なお今回は川崎の 109 シネマズにて鑑賞。IMAX なら通常は T・ジョイ PRINCE 品川を利用しているわけですが、今回は初めて IMAX レーザーで鑑賞すべく、わざわざ川崎を選びました。IMAX レーザーは最近までは大阪にしか施設がなかったのが、昨年 11 月に川崎にも導入されました。4K レーザープロジェクタを使用して従来よりも高輝度・高コントラストの映像が楽しめるのが特長で、4K/HDR 時代のリファレンスになり得る設備だと思います。

レーザープロジェクタの威力は確かに絶大で、真っ暗な宇宙空間に浮かぶ地球の青の鮮やかさや大気を介さない太陽の眩しさがプロジェクタの映像とは思えない高コントラストで描かれていました。特に本作ではアームストロングが地球や月を目にする瞬間を「まずは宇宙服のバイザーへの反射で表現し、その後スクリーン全体にそのものを映す」というもったいぶったやり方で表現しているため、観る側の期待の高まり具合も含めて強烈な効果を発揮していたと言えます。
一方、撮影は IMAX 70mm フィルムを使用して(おそらく意図的に)ある程度のフィルムグレインが載り、かつ手持ち撮影されたシーンも多いことから、4K の鮮明さを感じられるシーンはあまり多くなかったのはちょっと残念。それでもあの地球の青さはわざわざ IMAX レーザーの劇場を選んだ価値はあったと思えます。

ただし、劇場そのものとしては品川の IMAX のほうがスクリーンが大きく座席の配置もいい。非レーザーでも品川のプロジェクタは十分に輝度もコントラストも高いので、全体の満足度としては依然として品川のほうが高いかな、というのが正直な感想。品川は座席の傾斜が大きいのでどの席でも視界が開けていますが、川崎は前席に背の高いお客さんがいたら頭がスクリーンに被りがちなんですよね…。シートも川崎の方が広くて快適です。
IMAX もレーザー導入劇場を限定するつもりはないでしょうし、T・ジョイも都内最大級の IMAX シアターである品川には力を入れているはずなので、品川にも早く IMAX レーザーが導入されることを期待しています。

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