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レッドブル・エアレース千葉 2019

日曜日に観戦に行ってきたレッドブル・エアレース千葉 2019 の写真を貼っていきます。

なかなか時間が取れなくて撮ってきた写真(今年はいつもより少なくて 2,500 枚程度だった)の取捨選択もあまりまともにできておらず、とりあえずざざっとセレクトして現像しただけですが。ちなみに機材は全て EOS 7D Mark II+シグマ APO 50-500mm OS を使っています。

室屋がラウンドオブ 14 でベン・マーフィーに敗れてからの残り 12 人のフライトは本当にドキドキしました。室屋のタイムも決して遅くはないけれど、他のルーザーに破られないタイムというほどではない。最終的に室屋より速い敗者は現れませんでしたが、最後まで気が気ではなかった。おそらくラウンドオブ 8 よりもファイナル 4 よりも、このラウンドオブ 14 を最後まで見届けている時間が最も緊張しました。

2016 年シーズンのチャンピオン、マティアス・ドルダラー。室屋の同期デビューのライバルであり親友でもあるドルダラーはテレビで見る限り本当にナイスガイ。絶対王者ポール・ボノム引退後のシーズンに戴冠したものの、それ以降はなかなか勝ちに恵まれませんでした。本当は最後の最後まで室屋のライバルとしてしのぎを削ってほしかったところ。
飛行中は読み取れませんでしたが、リヤウィングに競技とファンに対する「THANK YOU」の文字が書かれていて、彼のナイスガイさが改めて伝わってきます。むしろこっちこそありがとうだよ。

「来年はもうエアレースが行われない」となると、一人ひとりのフライトを残らず目に焼き付けておかねばならない気がしてきます。それもあって、今回は撮影も大事だけど肉眼でフライトを見届けることを重視していました。次のラウンドに進めればもう一度フライトが見られるけど、敗退したらそれで終わり。室屋に関しては結果的に三回フライトを見られて良かったですが、他の選手も含めてもっと見ていたかった。

レッドブルのモータースポーツの聖地であるオーストリア・シュピールベルクの風景が描かれたペトル・コプシュタインの機体。デザインだけで言ったら私はこの機体が一番好きです。このイラストは手描きだと思われますが、機体への手描きという意味では 2016 年以前のトロロッソ F1 のエンジンカウルに描かれていた赤牛も確か手描きでしたよね。レッドブルグループ内だし、同じアーティストの手によるものなのでしょうか。

この日は台風の千葉直撃を目前に控えて本当に暑い日でした。過去の千葉大会も暑い日が多かったですが、本格的な夏が訪れる前の 5~6 月開催だった昨年以前と違い、まだ残暑が厳しい上に台風のシーズンでもある 9 月開催の今年は本当に暑かった。私は軽い熱中症にかかってしまったようで、長時間カメラを振り回しているのがちょっと辛かったです。

また今回は台風の影響で日曜日のタイムテーブルが大幅に変更され、当初午前中予定だったチャレンジャークラスの決勝戦がキャンセル。朝 10 時からマスタークラスのラウンドオブ 14 が始まり、サイドアクトも含めスケジュール詰め詰め。13 時には全競技が終了し、15 時完全撤収という時間割でした。そのおかげで例年ならばほぼ逆光になってしまうマスタークラスの競技が、今年はほぼ順光。機体の鮮やかなカラーリングをまともに撮影できたのは今年が初めてではないでしょうか。

2017 年以来の室屋の最大のライバル、マルティン・ソンカ。ミスらしいミスをほとんどせず毎回表彰台に食い込んでくる強者で、よほどの波乱がない限りはソンカの二年連続チャンピオンは揺るがないんだろうな…と思っていたら、まさかのラウンドオブ 14 敗退。この瞬間にソンカのチャンピオンの可能性は潰えたことになります。室屋に逆転チャンピオンの可能性が残ったのが嬉しかった反面、ソンカもドルダラーとはまた違う種類のナイスガイなので、彼がここで敗れてしまったことは残念でもありました。

同じレッドブルカラーでソンカの機体と見分けが付きにくいですが、こちらはカービー・チャンブリス。エアレースの開催初年度から参戦し続けている大ベテランながら、毎年欠かさず優勝やチャンピオン争いに絡んでくる実力者でもありました。反射神経や体力よりも技術と経験、そしてメンタルの比重が高くてベテランの方が有利なのが、他のモータースポーツとは違うエアレースの特徴だったと思います。

サイドアクトはいつもの千葉市の消防ヘリ「おおわし」に加えて海上自衛隊の救難機「US-2」、同じく海上自衛隊の曲技飛行隊「ホワイトアローズ」など目白押しでした。US-2 のデモンストレーション時には飲み物を買いに行っていたので撮影はできませんでしたが(見る分には見れた)、ホワイトアローズの編隊飛行が素晴らしかったですね。折しも当日夜に千葉に台風が直撃したため、消防署や自衛隊の方々の多くは救護等に当たっていらっしゃるのでしょう。平時はこういうイベントの時でもないと活動に触れる機会がありませんが、日頃から我々の安全を守ってくださっている方々に感謝の意を表し、たくさん拍手を送りました。

ラウンドオブ 8。ここからの室屋のフライトには安定感と強さを感じました。フライトとタイムの両方でライバルにプレッシャーを与える飛行とでもいうのか、ビリビリと伝わってくるものがありました。ラウンドオブ 8 以降は徐々にコンディションが悪くなっていく中で先に飛び、相手のミスを誘う…という室屋の勝ちパターンだったと言えます。

そうするとライバル達が自滅していくわけです。今回は日曜日を通じてパイロンヒットが 3 回ありましたが、うち 2 回は室屋の対戦相手だったという。

パイロンが切れてしまっても、速攻でエアゲーター(パイロンの修理担当者)が駆けつけてあっという間に直していくわけですから、これも一つのエンタテインメントになっています。

ファイナル 4 では室屋の前に飛んだピート・マクロードがパイロンヒット。このペナルティがなければタイム的にはマクロードはマット・ホールを抑えて 3 位表彰台を獲得していた可能性もあり、もしそうであれば年間チャンピオンも室屋のものになっていたのかもしれません。
その次に飛んだ室屋は 58 秒台のタイムを叩き出し、残る二人にプレッシャーをかけます。

ここで勝とうと負けようと、室屋義秀のレッドブルエアレースでのフライトが見られるのはこれが最後。ゴールラインを越えたファルケン・カラーの機体を名残惜しみながら見送ります。

ファイナル 4 の最終フライトはマット・ホールでした。彼は自分自身が 3 位以上に入ればチャンピオンを確定できると解っていたためか、無理しないタイムで難なく 3 位フィニッシュ。
日本はホールの出身地オーストラリアから最も近いエアレース開催地だからか、幕張にはオーストラリア国旗を掲げたファンもたくさん駆けつけていました。そんな中で室屋が勝ち、ホールがチャンピオンを獲得したというのは現地組にとっては最良の結果だったのかもしれません。

初めての千葉大会から五年、本当に楽しませていただきました。今後同様のスタイルで競技が行われることはないのかもしれませんが、彼らが出演するデモフライトや曲技飛行等があればまた観に行きたいと思います。

またいつか、彼らのフライトを見ることができる日を楽しみに待っています。
本当にありがとうございました。

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