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オールドライカをデジタル化「LEICA M3 DIGITAL CONVERSION KIT」

今日 Twitter で見かけて強烈なインパクトを受けた話。

LEICA M3 DIGITAL CONVERSION KIT

海外で、ライカ M3 にソニー NEX-5 および α7(いずれも初代)を内蔵し、デジタル化対応に成功した方がいるようです。
構想から数年かけて実現手法を編み出し、必要なパーツを買い集めたり一部は自ら 3D プリンタで作ったりしながら組み立て、さらには Reversible(元に戻すこともできる)という驚異の改造を実現しています。変態だとか魔改造だとか、そんなチャチなもんじゃあ断じてねえ。もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…。

液晶モニタや EVF は搭載せず、M3 が元来備えているファインダーを覗いて撮影し、デジタルなのに撮影結果はその場では確認できないという(SD カードに FlashAir を入れておけばスマホでは見れる)、あくまでレンジファインダーカメラとしての M3 をデジタル化するというコンセプトで作られています。ボディが M3 そのものなんだから M マウントレンズならばファインダは距離計連動するので、実際に MF も可能。
ベースとなったモデルによって改造の方向性が異なり、NEX-5 ベースのモデルは M3 のシャッターユニットを使うため撮影の感触は M3 のオリジナルに近い代わりに画角が APS-C 相当になります。対する α7 ベースモデルはフルサイズセンサなのでオリジナル画角で撮れる一方で α7 のシャッターユニットを使用するため、使用感は α7 寄りになるようです。双方にメリットとデメリットがあるとはいえ、だからといって両方作ってしまうというところに凄みを感じます。

さらに読み込んでいくと、M3 と NEX-5・α7 でそれぞれ異なるダイヤルの機能アサインを調整したり、シャッターボタンの半押し→全押しの制御をアナログ回路で再現したり、α のバッテリ(NP-FW50)をそのまま M3 のボディに収めるのが難しかったため代わりに 16340 充電池+保護回路に置き換えたり、本当に工夫に工夫を重ねているのが分かります。ちょっと考えただけでも、手作り工作でピント面とイメージセンサの距離や平行を保ったまま加工するのさえ至難の業だと思うけど…このこだわり、まさしく愛だ。
さらにすごいのは、自分でこれをやってしまっただけでなく、全ての手順を PDF で公開し、必要ならば 3D プリンタ出力用のデータの提供にも応じると言っているところ。データをもらったからといってそうそう真似できるものではないけれど、ある意味カメラ界隈にとてつもなく深い沼が新たに出現したと言えます。

普通にオールドレンズをデジタルで楽しむだけなら今ではマウントアダプタを筆頭としていくらでも手段があるし、レンジファインダーらしさを感じながら撮りたいならライカに手が出なくてもフジ X-Pro3 のような選択肢だってあります。でも本当のクラシックハードの中身だけを新しくするという行為は、そういうやり方とはまた全然違うロマンみたいなものなんですよね。私もかつてクラシック Mac や VAIO コンポに小型マザーボードを突っ込んで現行 PC に改造しようと真剣に考えてみた時期がありました(笑。

ちょうど今は撮影機材を買っても撮りに出かけることが難しい状況でもありますし、ここまでのレベルとはいかなくても何か自宅でできる、普段とは違うカメラのいじり方を考えてみるのも楽しそうです。中古カメラ屋が近所にあれば、ジャンクカメラを買ってきて分解なり修理なりしてみる…というのも面白いかもしれません。

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